大会会場および周辺の問題と対策
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/20 04:55 UTC 版)
「全国花火競技大会」の記事における「大会会場および周辺の問題と対策」の解説
花火そのものは雄物川河川敷運動公園で無料で観ることができていたが、2017年(第91回大会)から、ごみ処理や会場警備等運営費用の増大を理由に、自由観覧席での観覧者についても、一人1000円の環境整備協力費が徴収されることとなった(高校生以下は無料)。その他、有料の桟敷席や法面を利用した椅子席、キャンプができる駐車場なども用意されている。ただし、有料観覧席は徹夜組も出るなど発売後すぐに完売するのが通例である。 ただし、2018年(第92回大会)は、抽選制ではなく先着販売となり、完売まではいくらかの時間を要し、余裕を持って入手する事ができたようである。有料観覧席は大会協賛企業に優先的に販売されており、またチケットはウェブ上で転売を禁止しているものの実際はオークションにより高額で取り引きされるなど本来無料で見ることが出来た花火が有料化されたことへの批判も高まっている。 雨天順延がほとんど無いのもこの大会の特徴だが、過去には台風などの自然災害で雄物川が増水し、打ち上げ場や観覧席が確保できない場合に限り順延となったことがある。雨天でも開催されるため、雨天時でも観覧したい場合にはレインコート、長くつ等相当の準備が必要になる。なお、過去に順延となった場合は、次の週の平日に開催された。 人口4万人弱の大仙市大曲地区に約70万人の見物客が押し寄せるため、混雑による混乱が見られる。JRは臨時列車を出し701系電車を最大7両編成(2+2+3両)に秋田新幹線仙台・盛岡・秋田発着の臨時列車を設定して輸送している。しかし奥羽本線・田沢湖線は普通列車と秋田新幹線が同一の線路上を走行しているため、大規模な増発をするも単線路線の列車の行き違いの都合で乗車時間が集中してしまう。また、大曲駅隣接の駅では一応電車は停車するものの、始発駅から大曲駅まで誰も降りない満員状態のため、危険防止もあり車掌から次の列車に乗る様指示されることもある。 車での来客は秋田県内からが最も多く、次いで宮城県・青森県・岩手県の順になっている(2009年(平成21年))。大仙市大曲地区から半径50キロメートル圏内の主要道路ではすべてが黄色点滅信号になっているが、大会終了後は大仙市大曲地区から秋田市中心部まで約50キロメートル(国道13号経由)が最大5時間という渋滞が起こる。駐車場も通常の駐車容量では収まりきれないため大会関係者が用意する臨時駐車場、オートキャンプ場、一部の道路(通常は駐車禁止)、また民家でも臨時駐車場を設けるところがあるが間に合ってはいない。このため2004年(平成16年)からパーク&バスライド方式を採用し、横手市方面からの渋滞を防ぐことも行う試験を行ったり毎年地元の秋田放送、秋田テレビ、NHK秋田放送局、FM秋田と日本道路交通情報センター秋田情報センターでは渋滞対策に関する呼びかけラジオCMなどを毎年、1週間前から流している。 花火会場となる雄物川河川敷運動公園の混雑はさらに酷く、過去には大曲の花火ツアーに参加する旅行会社の担当者本人が迷子になったり「集合場所はバス」と言う雑な扱いをしたり、大会終了後の混雑に我慢しきれない多数の観客の無謀な行動で雄物川河川敷運動公園の土手部分が崩れたり、警備員が足りず他の地方から派遣され、土地勘のない状態の中で混雑をさばききれず戸惑う警備員もいた[要出典]。このため現在では大曲駅から徒歩で来る来場客には、観覧会場ゲート毎に設置されている「リンゴ」「バナナ」「メロン」「ミカン」の絵を掲げた看板で誰でも分かり易く誘導できるようにしている。 全国花火競技会会場では「ごみは持ち帰らない」というルールになっていて、場内アナウンスでも持ち帰らないように呼びかけがある。数年前までは常識的に考えごみを持ち帰る観客が結局市内道路上に捨ててしまい、おびただしい量のごみが街中散乱する問題が深刻化した。今ではごみは、主催者が会場、駐車場及びキャンプ場に用意する巨大ごみ箱(産業廃棄物用輸送コンテナ)や集積スペースに捨てるよう奨励されている。ちなみに公式サイトによれば、大会付近で出るゴミの量は毎年100トンを超えるという。
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