基本的な説明
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/27 07:26 UTC 版)
ゼロは一つの「数」であり、数とは計数に対して使われるものである。何かのモノの集合が与えられたとき、我々はその集合にどれくらいのモノがあるか考察するために数を使用する。ゼロとは「モノがない」場合の計数である:もっと形式的ないいかたをすれば、ゼロとは空集合の要素の数である。偶奇性の概念は、モノを2個ずつのペアにする際に使われる。ある集合に含まれるモノを、2個ずつ一まとめにして区切るとき、余りがなければそのモノの数は偶数である。余りが出るならば奇数である。空集合は、2個一まとめのグループを0個含んでおり余るモノは無いからゼロは偶数である。 この考え方は、モノの対を描くことにより図式化できる。要素数0の2つのグループを描くこと、あるいは余りが存在しないことを強調するように描くこと困難であり、そのために、要素数ゼロでない場合のグループ分けを描き、それらをゼロと比較することが助けになる。例えば、5要素の集合の場合、二つの対が存在し、なおかつ重要なことは一つの余りが存在することである。それゆえに5は奇数である。4要素の集合の場合は、余りの要素はない。ゆえに4は偶数である。更に、一つの要素を持つ集合においては、対が存在せず、一つの要素が余るので、1は奇数である。ゼロ要素の集合は、余りの要素がない。そこで0は偶数である。 (右図参照) 他にも、偶数性の具体的な定義が存在する。集合の要素が二つの等しい大きさのグループに区切れるならば、その要素数は偶数である。この定義は最初のそれと同値である。この定義でも先の定義と同様に、空集合はそれぞれゼロ要素を持つ二つのグループにわけることができるからゼロは偶数である。 数はまた、数直線上の点としても視覚化できる。偶数と奇数がそれぞれ区別され、特に負の数が導入されれば、それらのパターンが明瞭になる。 偶数と奇数は交互に現れる。任意の偶数から始めて二つずつ、上から、あるいは下から数えることにより他の偶数に到達できる。この方法で任意の偶数から0に到達でき、また0から任意の偶数に到達できる。ここで0を例外扱いして飛ばすべき理由はない。 積を導入し、算術表現を使うことで、偶奇性はより公式的な方法でアプローチできる。すべての整数は(2 × □) + 0か、(2 × □) + 1のどちらかである。この形式的な数は前者が偶数、後者が奇数である。例えば、1は1=(2 × 0) + 1だから奇数であり、0は0 = (2 × 0) + 0だから偶数である。これを表にまとめてみれば、上の数直線の絵による説明が補強される。
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基本的な説明
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/01 03:44 UTC 版)
一般相対性理論と量子力学の折り合いをつけた理論(量子重力理論)を構築することは、物理学者を悩ませていた大問題であった。超弦理論は、その問題を解決する可能性をもった理論である。 超弦理論には5つのバリエーションがあり、それぞれタイプI、IIA、IIB、ヘテロSO(32)、ヘテロE8×E8と呼ばれる。この5つの超弦理論はいずれも理論の整合性のために10次元時空を必要とする。空間の3次元に時間を加えた4次元が、人間の認識している次元数である。我々が認識できない残りの6次元は、カラビ・ヤウ多様体により量子スケールでコンパクト化され、小さなエネルギーでは観測できないとされる。また、11次元超重力理論をその低エネルギー極限に含んだM理論は更に1次元を加えて合計11次元を必要とする。これら6つの理論は様々な双対性によって互いに繋がっている。M理論は、先に挙げた5つバリエーションを統合するものとしても注目されている。 弦の振動は、コンパクト化されている6次元により制約を受け、その振動の形により、特定の量子を形作っている。超弦理論では基本的物体は1次元の弦であったが、M理論では加えられたもう1次元によって基本的物体は2次元の膜であると提唱されている。 また超弦理論で表記される10次元中にはDブレーンと呼ばれる様々な次元の拡がりを持ったソリトンが存在する。Dブレーンは、もともと1次元の弦が端点を持ちうる空間として定義されているものだが、重力子等の閉じた弦はこの空間に依存せずにブレーン間を往来する。 超弦理論は重力の量子論の有力な候補であり、現時点でも特殊な条件下のブラックホールのエントロピーに関する問題に答える事ができる。ブラックホールのエントロピーは表面積に比例しているが、この事実をDブレーンに張り付いた弦の状態を数え上げる、という方法で導き出している。これは熱力学のエントロピーを統計力学の手法で導き出すことに対応している。
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