一般相対性理論と量子力学
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/09 06:26 UTC 版)
「物理学の歴史」の記事における「一般相対性理論と量子力学」の解説
アインシュタインの相対性理論と光の量子性、ボーアの原子模型が徐々に受け入れられてくると、解決されたのと同じくらいの量の問題が新たに生じ、新しい基本原理に基づいた物理学を再構築する努力が続けられた。加速系への相対性理論の拡張(一般相対性理論)が1910年代に行われ、アインシュタインは加速の慣性力と重力の等価性を仮定し、宇宙は曲がっていて有限な大きさであるとの結論を得、また重力レンズや重力場での時間の歪みを予測した。 原子の量子論は、1920年代に量子力学に発展した。コンプトン効果によって光が運動量を運び、粒子を散乱させることが実証され、またルイ・ド・ブロイが粒子としても振る舞う電磁波のように、全ての物体は波としての性質も持ち得ること(粒子と波動の二重性)を示すと、量子理論は受け入れられていった。1925年にヴェルナー・ハイゼンベルク、マックス・ボルン、パスクアル・ヨルダンらによって行列力学として定式化された古典力学に代わる量子力学の新しい原理は、離散状態の確率論に基づき、因果性を否定するものであった。エルヴィン・シュレーディンガーは1926年に波に基づいた等価論を確立したが、ハイゼンベルクによって1927年に提案された「不確定性原理」(位置と運動量は同時に正確には計測できないことを示す)と量子力学の「コペンハーゲン解釈」(ボーアの故郷から名付けられた)は基礎的な因果律を否定し続け、アインシュタインらの反対派は「神はサイコロを振らない」と反論した。また1920年代には、光子と量子力学に関するサティエンドラ・ボースの研究がボース=アインシュタイン凝縮の理論であるボース=アインシュタイン統計の基礎やボース粒子の発見に繋がった。
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