行列力学とは? わかりやすく解説

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ぎょうれつ‐りきがく〔ギヤウレツ‐〕【行列力学】

読み方:ぎょうれつりきがく

座標運動量などの物理量行列表し、その行列の間に交換関係設定して解析する量子力学の一形式ドイツハイゼンベルクボーア理論をもとに作り上げ、のちにシュレーディンガー波動力学同等であることがわかり、量子力学として統一された。マトリックス力学


行列力学

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/04 03:42 UTC 版)

行列力学(ぎょうれつりきがく、英語: matrix mechanics)は、量子力学における理論形式の一つで、量子論をハイゼンベルク描像行列表示で定式化したものである。マトリックス力学とも呼ばれる。1925年に物理学者ヴェルナー・ハイゼンベルクによって提唱され、マックス・ボルンパスクアル・ヨルダンらとともに展開された。

ニールス・ボーアアルノルト・ゾンマーフェルト量子条件アルベルト・アインシュタイン光量子論に代表される前期量子論は、原子構造やその発光スペクトルの解明といった一定の成果をあげるものの、量子力学的な世界を体系的に記述する枠組みを与えるものではなかった。1925 年、当時 23 歳でゲッティンゲン大学の講師であったハイゼンベルクは、古典的な物理描像を捨て、新しい量子力学の理論の定式化を行った。行列力学では運動量位置などの物理量行列を用いて表現し、ハイゼンベルクの運動方程式で自然を記述した。

行列力学が明らかにした物理量の非可換性は、量子力学における不確定性関係の構造を浮き彫りにした。古典力学では運動量や位置はある時点においては確定した(決定論的)値を持つが、量子力学では物理量の非可換性により、例えば運動量と位置とは同時に確定値を取れない。

量子力学の他の表現法としては、シュレーディンガー方程式で記述される波動力学ファインマンの経路積分法などが存在する。行列力学と波動力学は対立していたが、後にこの 2 つの理論は等価であることが波動力学を構築したエルヴィン・シュレーディンガーによって証明され、共に量子力学の基礎的理論となった。行列力学は量子論をハイゼンベルク描像行列表示で定式化したものであり、波動力学は量子論をシュレーディンガー描像で位置表示の波動関数で定式化したものである。

理論体系

ハイゼンベルク、ボルン、ヨルダンによって構築された行列力学の理論は次のようにまとめられる。

行列としての力学量

力学量A は 2 つの添え字 (m, n) で指定される要素の総体 {Amn(t)}、すなわち無限次元の行列として表現される。行列としての力学量 A において、その各成分は下記に示すように カテゴリ



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