一般相対性理論における負の質量
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 16:10 UTC 版)
「負の質量」の記事における「一般相対性理論における負の質量」の解説
一般相対性理論において、負の質量は質量密度が負の値に観測される空間の領域というように一般化されている。この領域は負の質量のために生じるほか、アインシュタインのエネルギー・運動量テンソルの圧力成分が質量密度より大きい空間の領域でもありうる。これらの全ては、アインシュタインの一般相対性理論の正のエネルギー条件のさまざまな変化形の破れである。しかしながら、正のエネルギー条件は数学的な無矛盾性のために必要な条件ではない。(正のエネルギー条件、弱いエネルギー条件、優勢エネルギー条件などさまざまな型のエネルギー条件の数学的詳細がVisserによって議論されている。) マイク・モリス、キップ・ソーンおよびUlvi Yurtseverらは、カシミール効果の量子力学は時空の局所的な質量負領域を生成するために使うことができることを指摘した。この記事およびそれに続く研究によって、負の物質はワームホールを安定化させるために使うことができることが示された。Cramerらは、そのようなワームホールは、宇宙ひもの負の質量ループによって安定化され、宇宙の初期において生成されていたであろうと議論している。スティーヴン・ホーキングは、負のエネルギーは空間の有限領域内の重力場を操作することによって時間的閉曲線を創造するために不可欠な条件であることを証明した。この証明は、例えば、有限のティプラー・シリンダーはタイムマシンとして使うことができないことなどを明らかにした。
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