一般相対性理論における時空
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/07 10:00 UTC 版)
「反ド・ジッター空間」の記事における「一般相対性理論における時空」の解説
一般相対性理論は、時間、空間そして重力の性質の理論である。重力は、物質とエネルギーの存在から引き起こされる、空間と時間の曲率である。(等式 E = m c 2 {\displaystyle E=mc^{2}} で表現されるように)エネルギーと質量は等しく(英語版)、空間と時間はそれぞれ光速を変換単位として等価な量に翻訳することができる。 日常的な現象とのアナロジーとして考えよう。重い物質をゴムの平らなシート上に置くことで生じるシート上のくぼみは、近くを進んでいる小さい物質が載っている軌道に影響する。その小さい物質は、重い物質が存在していない時に従う軌道より内側に逸れ、これがいわゆる「重力」である。無論、一般相対性理論では、小さい物質と大きい物質の両方が相互に時空間の曲率に影響する。 物質によって生じる重力の引力は、時空間の負の曲率が原因であり、(トランペットのベルのような)そのシート上の負の曲線のくぼみによる、ゴムシートとのアナロジーで表現できる。 一般相対性理論の非常に重要な特徴は、電磁力学のような従来の力のようではなく、物質とエネルギーの存在によって生じる時空間の形状の変化として重力を記述するということである。 上のアナロジーは、3つ目の次元が重力の影響に対応している様な3次元の超空間(英語版)での一般相対性理論において、重力によって引き起こされる2次元空間の曲率を記述している。我々の住んでいる4次元時空の一般相対性理論について幾何学的に考察するには、現実世界の4次元空間での重力の影響を、五番目の次元が一般相対性理論における重力や重力的な効果によって生まれる時空での曲率に対応している様な5次元空間に投影すればよい。 結果として、一般相対性理論では、なじみのあるニュートンの重力の方程式 F = G m 1 m 2 r 2 {\displaystyle \textstyle F=G{\frac {m_{1}m_{2}}{r^{2}}}\ } (すなわち、重力による引力の大きさは(万有引力定数)×(2物体の質量の積)÷(2物体間の距離)に等しい)は、一般相対性理論で見られる重力の効果の近似にすぎない。しかしながら、この近似は、極端な物理的状況下(光速に近いような相対論的な速度や、超高密度の質量が存在する様な状況)で不正確になる。 なじみのあるニュートンの重力の方程式と一般相対性理論の間のいくつかの相違は、一般相対性理論の重力が、空間だけではなく時間と空間の両方を曲げるという事実から導かれる。普通の状況下では、ニュートンの重力と一般相対性理論の間の相違は、精密機器でのみ検出可能であるほどに、重力はわずかにしか時間を曲げない。
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