ロジャー・ペンロース
ブラックホールの基本的性質を解明 宇宙論では時空の新しいとらえかた「ツイスター理論」を提唱
ロジャー・ペンローズ(1931〜)は、英国エセックス州コルチェスター生まれの数学者、理論物理学者です。ロンドン大学やケンブリッジ大学で数学を学んだあと、英米の大学で研究を行い、1973年以降はオクスフォード大学の教授職について数々の論文を発表しています。
ペンローズの研究テーマは一般相対性理論と宇宙に関する理論的な研究で、スティーブン・ホーキングと共同であらわした「ペンローズ=ホーキングの特異点定理」や「事象の地平線」などの論文を通して、ブラックホールの基本的性質を明らかにしました。また宇宙の構造に関して、一般相対性理論と量子力学を統一した量子重力論を展開し、「ツイスター理論」を提唱して、宇宙とはどんな全体像なのか、その再構築を試みています。
数学の世界では「ペンローズタイル」を発見近年は脳の働きについての提言も
ペンローズのもう一つの研究分野は数学で、この分野でもさまざまな業績をみせています。その一つである「ペンローズタイル」は、平面を隙間なくおおうには、どのような図形のタイルなら可能なのかを発見したもので、その後このテーマが「準結晶」とよばれる研究対象として多くの注目を浴びました。
また近年では、人間の意志や心に関するさまざま考察を量子脳理論として展開するなど、多くの話題を提供しています。このようにペンローズは、ホーキングとともに今日を代表する理論物理学者の一人といえます。
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