口蹄疫問題への対応と批判
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「赤松広隆」の記事における「口蹄疫問題への対応と批判」の解説
詳細は「2010年日本における口蹄疫の流行」を参照 2010年4月20日、宮崎県の農場の飼養牛に口蹄疫の疑似患畜が確認されたため、農林水産省は赤松農林水産大臣を本部長とする口蹄疫防疫対策本部を設置。翌21日、赤松は規格外の野菜販売促進の為、ジャスコ品川シーサイド店(東京都品川区)野菜売り場を視察。23日には畜産農家の経営的打撃や子豚の滞留等の問題に関して、畜産農家への融資拡大や助成金などを柱とする対策を発表。27日、政府支援を求めて上京してきた東国原英夫宮崎県知事、中村幸一宮崎県議会議長、JA宮崎経済連羽田正治会長らと会談、「対応は早ければ早いほどいい」と早急な対応を行うことを約束した。 4月28日、農林水産省は第二回の口蹄疫防疫対策本部を開催し、隣接県全域での全額国庫負担による消毒薬散布、発生農場における迅速な殺処分等の防疫措置を支援する獣医師などの増員等を決定。 同月30日、経営支援の追加施策を発表した が、事態は深刻化しており、5月7日の閣議で平野博文官房長官が自衛隊の災害派遣の増員を検討したり、東国原らが次期参院選の候補者支援のため宮崎県を訪れた小沢一郎民主党幹事長と対策の拡充を求める会談を行うなど、追加対応が模索された。 4月30日、南米諸国への外遊に出発した赤松は、5月1日、メキシコでマジョルガ農牧大臣(英語版)と肉類などメキシコ産品の日本市場へのさらなるアクセス拡大などを意見交換。 5月2日から4日までの間、キューバでラウル・カストロ議長らと会談(日本の現職閣僚として初のキューバ訪問)。5日はコロンビアを訪問してウリベ大統領と意見交換を行った。5月8日、日本に帰国した赤松は富岡芳忠議員の後援会発足式に出席するため栃木県佐野市に移動した が、5月10日に予定していた秋田への出張を延期して、宮崎県を訪問することを同日に決定した。 5月10日、口蹄疫の防疫対応等を把握するため宮崎県入りし東国原と会談。会談の際、同席した宮崎3区選出の自民党衆院議員古川禎久から「何をしに来たんですか」などと対応の遅さを非難されると、赤松は「自民党の同席は構わないが、「おれの意見も聴いてくれ」とやり出すと、与党も野党も(発言し合うこと)となる」「選挙目当ての発言」と発言したり、同席した自民党議員を「参院選前だからいろいろ言いたいことはあるのだろう」と評した。 同月25日、宮崎県がエース級の牛49頭に関して殺処分した場合多大な影響を与える恐れがあるとして特例で殺処分しないように求めていたことに対して「これはもう法律に従ってやるのが当然、まだ49頭残っていることの方がむしろおかしい と県の対応を批判した。28日に赤松に宮崎県家畜改良事業団の種牛49頭中2頭に口蹄疫の発症が発覚した際に大臣として貴重な種牛が感染した事実を把握しているのかとの記者団の質問に、「いや、知らない」と答え、「だから早く殺せって言ってるのに」と応じている場面がテレビで報道され、宮崎県の農家や知事、動画を見た国民の反発を受けた。宮崎県知事の東国原は29日に赤松の農水大臣としての態度を「いずれにしろ、49頭に関しては、残念ながら、大臣が、だから早く殺せと言ったんだと笑いながら仰ったくらいの認識しか国には無いのです。そういうところが、異常があったら報告しろと言って頂けるでしょうか? 言いません。」と自身のツイッターで述べた。 同月30日、宮崎県を訪問した赤松は東国原知事と会談し、「来週中に終わるように、1日に1万頭殺処分を目標にしてください」と求めたが、東国原知事は「天候や人員、埋却地の確保など条件があり、簡単にいかない」として困難な見通しを示した。また、現地の農家も埋却地の準備期間の必要性などから同様の見方を示した。 結果的に、2010年7月4日の口蹄疫終息確認までに、28万8643頭が殺処分された。宮崎県の試算によれば畜産関連の経済的損失は、5年間で2350億円となり、地域経済全体に甚大な影響が及ぶものとしている。 この問題について赤松は「反省するところは全くない」と自身の責任を認めていなかったが、5月31日の衆院農林水産委員会で、口蹄疫問題への対応の遅さを追及され、「結果としてこれだけ広がったことに対しては、申し訳ない気持ちでいっぱいだ」と公式に謝罪を行った。
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