助動詞など各種表現とは? わかりやすく解説

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助動詞など各種表現

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/19 16:49 UTC 版)

三重弁」の記事における「助動詞など各種表現」の解説

断定 断定の助動詞は、北三重では「や」。南三重に「じゃ」もあるが、中年層以下では「や」が広がっている。丁寧語には「です」のほか、伊賀では大阪的な「だす」も使う。 否定 否定助動詞には「-ん/やん」「-へん/やへん」「-せん/やせん」が使われる。「やん」は五段動詞には付かない。「見ん」のような形だと、「見る」が撥音化したのか否定なのか分かりにくい場合があるため、「やん」が発達した考えられる。「やん」は三重県のほか和歌山県奈良県大阪府南部などで使う。いずれの否定助動詞原則として未然形接続するが、「せん/へん」は様々な形があり、五段動詞では「書かへん/書かせん/書けせん/書きゃせん」、上一段動詞では「見やへん/見やせん/見えせん/見いせん/みゃあせん/めえせん/みいせん」、下一段動詞では「寝やへん/寝やせん/寝えせん」、カ変では「きやへん/きやせん/きいせん/こおせん/けえせん/きゃあへん」(来ない)、サ変では「しやへん/しやせん/しいせん/せえせん/さあへん/しゃあへん」といった形が使われ分布状況は複雑である。これらは、「書きはせん→かきゃせん→かかせん→かかへん」「見はせん→みやせん→みやへん」のように変化した考えられている。南牟婁では一段動詞ラ行五段化した「見らん」「寝らせん」といった形も使われる連用形には「書かずに/見やずに」「書かいでも/見やいでも」「書かんと/見やんと」のような形を用いる。伊賀では「書かんどくに(書かないで)」、「見やんどくに(見ないで)」のような形がある。 仮定形は「書かな」「見やな」のような「-な」「-やな」で、一部地域では「-にゃ」もある。伊賀の上野市などでは「-なんだら」も併用する過去形は「-んだ/やんだ/へんだ/やへんだ/なんだ」を使い伊勢中部が「-んだ」、伊賀北部が「-へんだ」で、「-なんだ」が牟婁伊勢北部伊賀南部分布する。「なんだ」が最も古く、後から「んだ」、その後に「へんだ」が入ってきたと考えられる志摩には「-んかった」があるが、共通語影響昭和以降使われるようになったものとは違い自然発生したと考えられる志摩南伊勢では「-ざった」も見られ、「見やはった」「寝やだった」「寝やらった」「寝ややった」なども聞かれる使役 使役には「-す」「-やす」を使う。五段動詞に「す」、それ以外動詞に「やす」が付きいずれも未然形接続する。「す/やす」自体五段活用をする(例:書かす、見やす、書かした、見やした)。北三重では「-やす」の代わりに「-さす」も使う。 受身・可能 受身・可能には、下一段活用の「-れる」「-やれる」を使う。五段動詞に「れる」、それ以外動詞に「やれる」が付きいずれも未然形接続する書かれる、見やれる)。共通語形の「-られる」は北・中伊勢中心。可能の場合五段動詞では可能動詞(例:書ける)も使い一段動詞では「-れる」の形(例:見れる)も以前から使われてきた。可能には「よー」を使った「よー書く」のような形もある。南牟婁には下一段活用の「-える」「-えれる」もあり、連用形接続する(例:書きえる、書きえれる、見えれる)。 尊敬三重では尊敬助動詞種類多く地域差大きい。未然形接続するものとして、北三重に「-れる/られる」、伊賀に「-っしゃる/やっしゃる」、志摩に「-しゃる/やしゃる」、伊勢・志摩に「-さる/やさる」、伊勢に「-んす/やんす」、牟婁に「-いす/やいす」、志摩に「-す/やす」、北伊勢に「-っせる/さっせる/やっせる」がある。また連用形接続するものとして、伊賀に「-なはる」、「-ゃはる/やはる」、伊勢に「-なさる」、北伊勢に「-なある」、伊勢・志摩に「-なる」がある。これらのうち、「-れる/られる」「-さっせる/やっせる」は下一段活用で、他は五段活用をする(例:見やっせる→見やっせた、見やんす→見やんした)。歴史的には、ナサル系は「なさる→なはる→なある→なる」と変化した一方、「なはる→やはる」とも変化した。また他の助動詞は、「っしゃる/やしゃる→さる/やさる」、「んす/やんす→いす/やいす→す/やいす」と変化した考えられる。これらのうち、「られる」系が最も古く、「なさる」系は京阪方面から伝わったものと考えられ北伊勢の「さっせる」系は名古屋弁影響である。 尊敬補助動詞では、北三重に「-ておいでる」「-といでる」「-てなはる」「-てござる」「-てみえる」があり、尊敬進行相結果相を表す。「ござる」は高齢層に限られるが、「みえる」は広い世代使われる。ただし、伊賀南部では「みえる」を使わない尊敬助動詞・補助動詞は、命令依頼表現だけに残っている場合が多い。伊賀では「-てだーこ」(-てください。「頂こう」に由来)や、「-なして」(-なさってください)があり、伊勢市鳥羽市一部には「-てたもれ」(-てください)がある。 南三重では助動詞による待遇表現は行なわず、終助詞によって待遇言い分ける。これは同じ南近畿和歌山県奈良県南部共通する特徴である。この言い分け他地域の者には理解できないため、いわゆる敬語のない土地」とみなされがちだが、表現方法が違うため分かりにくいだけであり敬語が無いわけではないそれぞれの終助詞は#助詞後述)。 軽蔑 軽蔑助動詞には、「-よる」「-やがる」「-くさる」「-さらす」がある。ただし「-よる」は南三重では進行相助動詞である。 推量・意志・勧誘 推量には「-やろ/じゃろ」を使う。否定推量場合否定の「ん」などにこれらを付けるが、否定推量意志「-まい」を使う地域もある。しかし「-まい」は北三重では勧誘として使うことが多く、「書こまい」「見よまい」のように意志形に付く。 進行相と完了相 南三重では進行相と完了相結果相)の区別があり、進行に「-よる」、完了に「-とる」を用いる(例:降りよる、や降っとる)。これらはそれぞれ「おる」「ておる」の変化である。南牟婁では生物存在にも「おる」ではなく「ある」を使うため、それにあわせて進行が「-やる/やーる」、完了が「-たる/たーる」となる。ただし志摩南伊勢では区別なくなりつつある。北三重では区別はなく両方とも同じ形を用い、使う動詞によって意味が進行になった完了になったりする。伊勢では「-とる」を使い伊賀では京阪同じく「-てる」を使う。

※この「助動詞など各種表現」の解説は、「三重弁」の解説の一部です。
「助動詞など各種表現」を含む「三重弁」の記事については、「三重弁」の概要を参照ください。

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