助動詞「り」の接続
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/02 08:06 UTC 版)
「助動詞 (国文法)」の記事における「助動詞「り」の接続」の解説
学校文法を成した橋本進吉によれば、助動詞「り」の接続は命令形である。これは四段及びサ変動詞にしかつかない。 種類活用形活用の型基本形未然形連用形終止形連体形已然形命令形四段 -u -a -i -u -u -e -e 四段正格活用 サ変 す せ し す する すれ せ(よ) サ行変格活用 カ変 く こ き く くる くれ こ(よ) カ行変格活用 存続(り) り ら り り る れ れ ラ行変格活用 一般的な高校学習参考書類では、サ変命令形に対して「せ」を認めることは少ないが、本来の活用形は「せ」であると考えられる。命令形「–よ」の語源として間投助詞「よ」を認めることができるのは、カ変からも明らかである。 かつて、存続「り」は次の接続であるとされた。 四段正格活用には已然形につく サ行変格活用には未然形につく これらは、上代(奈良時代ごろ)の仮名遣いである上代特殊仮名遣の研究により否定された。四段正格活用の已然形・命令形は同形に見聞きできるが、上代仮名遣いでは母音エに対して二通りの表記が存在する。この二通りをそれぞれ甲類・乙類と呼びならわす。 四段已然形では乙類、四段命令形では甲類が使われており、この仮名遣いを調べれば接続もわかる。存続「り」の場合、甲類にばかり接続するために「命令形接続である」と論証したのである。学参や辞書において四段への接続は、「已然形と命令形」どちらか定まるわけではないが、@media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}それは形の上では差し支えないので、従来通りとして積極的には改められないのであろう[要出典]。 サ変に関しては、「せ」の形は未然形と命令形に認められるが、ここは四段と同じだと考えて命令形とする。高校学習では、上代仮名遣いや語源にまで言及しないため、サ変への接続は未然形として扱うのである。[要出典] 以上は、「り」を独立した「助動詞」としてみる際の文法上の接続についてであるが、そもそもは「連用形(-i)+あり」であり、/-ia/の母音連接により結合して/je/(エ段甲類音)を為したのが起源であり、そもそも「〇〇形に接続」との言い方は適切とはいえない。
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