内容と様式
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/17 18:11 UTC 版)
描かれた内容の典拠とされたのは、テオクリトスの牧歌(アイディル)、ないしは、オウィディウスの『変身物語』であり、おそらくポリツィアーノか、アプレイウスの『変容(または黄金のロバ)(ラテン語版、英語版)』を経て題材が取捨選択されている。このフレスコ画は、少年パライモンに先導され、2匹のイルカが引くホタテガイのような形状の乗り物を駆るニンフのガラテイアが神格化される場面を描いており、周りでは海の神々であるトリトンやネレイスたちの祝いの行列がおこなわれ、上空では3人のエロースたちが、矢を番えながらガラテイアを見下ろしている。ガラテイアが視線を向けている4人目のプットーは、雲の後ろに隠れて矢の束を持っているが、この姿は、プラトニックな愛の純潔を象徴している。 ガラテイアの、体を左にねじる彫刻のようなポーズは、1508年頃に制作された『アレクサンドリアの聖カタリナ (Santa Caterina d'Alessandria)』の姿を、世俗的、神話的文脈に置き換えて参照したものである。 画面の構成は完全に計算されたものであり、ガラテイアを中心とする踊りと渦巻くリズムが、彼女自身の身体にも及んでいる。おそらく、今日ではカピトリーノ美術館の所蔵となっているアフロディテのコロスを描いたバスレリーフ(イタリア語版)のような古代のモデルを参考にした上で、ラファエロは、神話を取り上げた古典的表現を再創造し、あるいは結晶や貴石のような色調を用い、ほとんど非現実的なまでの色調を用いることで、古代ローマの絵画に対する深い理解を踏まえた上で、それに背を向けている。大理石のような緑色の海面の上に、ガラテイアのポンペイ風の赤い着衣が立っている。 風を孕んで膨らんだマントの動きは、髪の毛の動きとともに、トリトンにさらわれまいと腕を振り上げる隣のネレイスの仕草によって、強調される。描かれた人物たちの強靭な肉体は、ミケランジェロの影響を反映しているが、ラファエロの手法のセンスと、彼が生み出す人物像の自然さがそれを和らげており、特に、エロースたちやガラテイアは穏やかで優雅に描かれている。
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内容と様式
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/17 20:06 UTC 版)
描かれた若い騎士は、前景に立ち、足はしっかりとコンパスのように開かれ、今にも剣を引き抜こうと構えており、背景には、フランドル絵画を思わせるような細部にまで細心の注意が払われた風景が描かれている。 後景には、甲冑を着けて騎乗した別の騎士が、堅固な城壁から出てくるところが描かれ、その壁には襲歩(ギャロップ)する馬を模った木製の標識が掲げられている。若い騎士の近くには犬がいるが、後景の騎士が乗る馬に続くように、もう一匹の犬が出てくる。描かれた動植物は、何であるかが完全にわかり、動物では犬のほか、純潔と完全性を象徴するオコジョ、鹿、不死を象徴する孔雀、ウサギがあり、また多数の鳥が空中や右手の水辺に配されている。 左側の地面に置かれたカルテリーノには、「MALO MORI / QVAM / FOEDARI(穢れより死を)」と書き込まれており、この誰かは分かっていない騎士の美徳を表している。
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