優良誤認・有利誤認
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/19 06:13 UTC 版)
2014年に入って『ドラゴンクエストモンスターズ スーパーライト』のガチャ課金が、「金の地図ふく引き」にて表示されている画像には「金の地図」が8枚あるのに対して、その地図を入手できる確率が非常に低いことから不当表示であるとして、購入したユーザが胴元であるApp StoreおよびGoogle Playに直接返金を求め、それが受理されたことから、騒動に発展した。これは『クイズRPG 魔法使いと黒猫のウィズ』『ガンダムコンクエスト』にも飛び火し、『魔法使いと黒猫のウィズ』開発・運営元のコロプラは、プラットフォームへの不正な返金請求をした場合アカウント停止措置をとると告知した。 2017年に入り、中国OURPALM社がSNKプレイモアからライセンスを受けて開発・配信しているアプリ『THE KING OF FIGHTERS '98 ULTIMATE MATCH Online』のガチャ課金にて、「クーラ・ダイアモンドの出現確率が3%」と表記されたことに疑問を抱いたユーザーが運営元であるOURPALM社へ問い合わせたところ、「3%とは、ガチャから格闘家が出現したあと、そこからさらに3%の確率でクーラが出現する」という回答を得る。「実際に出現する確率は3%よりはるかに低い(約0.3%以下しかない)ため、有利誤認ではないか」と指摘し、返金を請求したところOURPALMより虚偽の申告をするよう求められるが拒否し、訴状を送ったところ、OURPALMより「秘密保持契約を結ぶことを条件に、ガチャで使用したアイテムを補填する」と提案されるが、これも拒否し提訴へと踏み切った。 その後、OURPALM社の企業情報で、同社のサイトに記載されている所在地にオフィスが存在しない虚偽があることが発覚し、特定商取引に関する法律(特定商取引法)にも違反していることが明らかになった。2018年1月26日に消費者庁は景品表示法 第7条第1項に違反していると認定、措置命令を下した。一方、提訴したユーザーはOURPALMから営業妨害を理由に逆提訴を行うと脅迫され、不本意ながらも和解に追い込まれた。その後中国の会社が運営するゲームについての警鐘を鳴らした。 同年7月19日、消費者庁はガンホーに対して後述する2件の景表法違反(優良誤認)で再発防止の措置命令を下している。2017年2月に『パズル&ドラゴンズ』のヒロイン限定ガチャに登場した全てのモンスターが究極進化と称する仕様と発表されたが、実際にその仕様であったのは一部のみだったことと、『ディズニーマジックキングダムズ』で2016年10月から12月までの間に販売されたキャラクターと仮想通貨のセット商品が個別で購入した方が安くなっていた。消費者庁は2018年3月28日に前述のパズドラの景表法違反を理由にガンホーに対し5020万円の課徴金の納付を命じた。 同年11月14日、『ドラゴンボールZ ドッカンバトル』にて更新されたガチャ「絆の合体!!女超戦士ガシャ」の排出率がユーザー毎に異なることに加え、ピックアップキャラクターが本来は5体表記されるところが4体表記されるという不具合が発生し、「ユーザー毎に出てこないキャラクターがいるのではないか」と疑念を持たれ炎上する。運営は「表記上の不具合」と釈明するが、本作を開発しているアカツキの株価が急落した。 2018年9月19日、『アナザーエデン 時空を超える猫』にて10連ガチャの抽選で「同一のキャラクターが4人以上出現する」または「レアリティ★5のキャラクターが4人以上出現する」場合に再抽選を行っていたことが判明し、運営側が不正に確率操作を行っていた。 2020年11月、『WAR OF THE VISIONS ファイナルファンタジー ブレイブエクスヴィアス 幻影戦争』にて1周年記念の10連ガチャの抽選で限られた組み合わせしか当たらない仕組みが判明した。 2021年3月5日、『メイプルストーリー』の韓国版にてキューブと呼ばれるガチャの抽選で「ボスモンスター攻撃時ダメージ+の効果が3個付いた」場合など、いくつかの条件で再抽選を行っていた事実が発覚。この組み合わせは韓国では通称「ボーボボ」と呼ばれ、ゲーム中最強の伝説的レアとされており、宝くじの一等に相当する。多くのユーザーがこれを手に入れる為に多額の現金を注ぎ込んできたが、実は一等が絶対に当たらないガチャだった事になる。不正が2011年から10年間続いていた事も判明し、政界からも追及を受けたほか、国会議員から公正取引委員会に告発状が提出された。同組み合わせは日本版でも2021年3月5日時点までに実在が確認されていないことから、韓国版同様の不正操作疑惑が出ている。運営会社のネクソンは、韓国版のユーザーにはある程度の補償を行ったが、日本版のユーザーには説明や補償等の対応をしていない。韓国での金銭補償も「ガチャ購入額の0.2~1.1%」と少額で、補償の大部分は課金アイテムの現物支給によって行われた。一部ユーザーの間では集団訴訟や刑事告発を目指す動きも出ているが、弁護士からは「詐欺行為の立証および被害額算定が困難」との指摘もある。
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