俸給米不正支給から暴動へとは? わかりやすく解説

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俸給米不正支給から暴動へ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/04 00:29 UTC 版)

壬午軍乱」の記事における「俸給米不正支給から暴動へ」の解説

日朝修好条規の締結により開国踏み切った朝鮮政府は、開国5年目1881年5月大幅な軍政改革着手した閔妃一族開化派中心となって日本同様の近代的な軍隊創設目指した。近代化に対して一日の長ある日本から軍事顧問として堀本礼造陸軍工兵少尉招き、その指導の下、旧軍とは別に新式装備をそなえる新編成の「別技軍」を組織して西洋式訓練おこなったり、青年日本留学させたりと開化政策推進した別技軍には、日本献納した新式小銃はじめ武器弾薬最新式のものが支給され、その隊員両班の子弟が中心さまざまな点で優遇されていた。別技軍は、各軍営から80名の志願兵選抜し王直属の親衛隊である武衙営に所属させた。 これに対し旧軍呼ばれた従来からの軍卒二千数百名は、旧式火縄銃あたえられているのみで、大半小部隊に分けられ各州配備されていた。彼らはなんら新し装備訓練与えられることなく別技軍とは待遇異なりまた、しばしば差別的扱われることに不満をつのらせていた。さらに、5営あった軍営統廃合により2営(武衛営・壮禦営)となり、その多くいずれは退役余儀なくされていた。それに加えて当時朝鮮では財政難のため、当時は米で支払われていた軍隊への給料俸給米)の支給1年遅れていた。1882年の夏は、朝鮮半島大旱魃に見舞われ穀物不足し政府財源枯渇していた。 1882年7月19日、ようやく13か月ぶりに武衛・壮禦の両営兵士支払われることになった俸給米はひと月分にすぎなかった。しかし、支給当たった宣恵庁の庫直(倉庫係)が嵩増しした残り着服しようとしたため、砂や糠、腐敗米などが混ざっていた。これに激怒した旧軍兵士倉庫係を襲ってこれに暴行加え倉庫監禁し庁舎投石した。ところが、この知らせ受けた担当官僚(宣恵庁堂上であった閔謙鎬首謀兵士たち捕縛し投獄し、いずれ死刑処することを決定した。これに憤慨した駐屯地軍兵たちが救命運動立ち上がったが、運動はしだい過激化し、政権に不満をいだく貧民浮浪者をも巻き込んでの大暴動へと発展していった。民衆また、開港後穀物価格急騰に不満をつのらせていたのであるかくして7月23日朝鮮暦6月9日)、壬午軍乱勃発した。これは、反乱乗じて閔妃などの政敵一掃し政権を再び奪取しようとする政権担当者守旧派筆頭興宣大院君教唆煽動よるものであった反乱起こした兵士等の不満の矛先日本人にも向けられ途中からは別技軍暴動加わった7月23日兵士らは閔謙鎬邸を襲撃したのち、投獄中の兵士衛正斥邪派人びと解放し首都治安維持責任を負う京畿観察使陣営日本公使館襲撃した。このとき、別技軍軍事教官であった堀本少尉殺害されている。翌7月24日軍兵下層民を加えて勢力増し官庁閔妃一族邸宅などを襲撃し、前領議政総理大臣)の李最応邸宅殺害された。さらに暴徒王宮昌徳宮)にも乱入し、軍乱のきっかけつくった閔謙鎬、前宣恵庁堂上金輔鉉閔台鎬、閔昌植ら閔氏系の高級官僚数名惨殺した。このとき、閔妃は夫の高宗置き去りにして王宮から脱出しその日のうちに忠州方面逃亡した王宮に難を逃れていた閔妃の甥で別技軍教練所長だった閔泳翊重傷負った軍兵たちは23日夕刻までに王宮占拠し国王からの要請という形式踏んで大院君王宮迎え、彼を再び政権の座につけた当時の様子を、朝鮮滞在ロシア帝国官僚ダデシュカリアニは、以下のように書き記している。 朝鮮一瞬のうちに、凄まじい殺戮舞台化した父親たちが子供たち武器向けたのであるソウルでは8日間、無差別流血が止まらなかった。当初叛徒らが勝利を収めた進歩派ならびに当時ソウル在住し外国人双方同時に敵としなくて済むように、彼らは先ず後者襲いかかった。…(後略暴徒漢城在住日本人語学生、巡査らも殺害した

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