俸禄としての蔵米とは? わかりやすく解説

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俸禄としての蔵米

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/07 06:41 UTC 版)

蔵米」の記事における「俸禄としての蔵米」の解説

の意味での蔵米は、武士の俸禄制度のひとつ。庫米廩米稟米とも書かれた。またその制度により支給される米(玄米)を「俵」単位表した支給形態を指す。これに対し現米げんまい)(諸藩では切米きりまい))は「石高表示現物の米(金銭)を支給する形態を指す。 例えば、幕府直臣場合旗本御家人などは知行地与えられ、その知行地から収納する年貢米収入となる(知行取り)。しかし中・下級の旗本御家人中には知行地与えられず、幕府天領から収納され幕府納められた米から、俸禄として現物支給された者たちもいた。この現物支給される米のことを蔵米と言いこうした者たち、あるいはその階層のことを「蔵米取り」とされた。 近世武家俸禄形態には知行取り蔵米取りの他、現米取り(切米取り)と扶持取りがある。 蔵米取りの者の禄高は「蔵米三百俵」のように俵数で表されるのが一般的であった蔵米取り場合俸禄は年3回分けて支給されるのが常で、2月5月に各1/4、10月に1/2が支給された。それぞれ春借米」「夏借米」「冬切米」と呼んだ。ただし、俸禄全量米だけで支給されるわけではなく、米の一部その時季の米価に応じて金銭支払われるのが通例であった浅草札差がそれらの米を百俵に付き金1分の手数料御米蔵から受け取り運搬売却を金2分の手数料請け負った幕府では1俵=3斗5升入(0.35石)、加賀藩では1俵=5斗入で換算されていた。米の品質は、幕府場合上米中上米・中米・中次米の4等級に分かれ、高職者上米、並の役職者中米無役者に中次米を支給していた。 俸禄としては知行取り1石=米1俵、現米35石=100俵、1人扶持=米5俵で換算されていた。つまり、知行取り100石=蔵100俵=現米35石=20扶持=金35両となる(俵 (単位)#「石」と「俵」参照)。 諸藩においても、中・下家臣俸禄蔵米とする場合があった。また特に譜代諸藩などでは、家臣実際に知行地与え地方知行じかたちぎょう)が、例え越後国では転封先での相給による地方知行拝領給人権限制約などでほぼ寛永以降に、代官給人に代わってまとめて税を徴収して藩庫に納めた上で改め家臣支給するという方式による地方知行定着して次第形骸化し知行与えられながら実際蔵米支給される例も多くなっていったこのような形態蔵米知行と呼ぶ。 このように蔵米拝領する点では蔵米取り蔵米知行同じだが、柳川藩分限帳を例にすると蔵米知行場合分限帳において石単位基本的に表記され算定根拠地方知行が元となっている。対して蔵米取りは俵・扶持単位表記されている。

※この「俸禄としての蔵米」の解説は、「蔵米」の解説の一部です。
「俸禄としての蔵米」を含む「蔵米」の記事については、「蔵米」の概要を参照ください。

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