使用に注意が必要な機器
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/03 01:24 UTC 版)
「不法無線局」の記事における「使用に注意が必要な機器」の解説
ここでは、電波の不法使用(不法無線局の開設)につながる可能性のある機器を取り上げる。周波数の割当ては国によって異なるので、基本的に電波を発する製品はその国でしか使えない。使用者に悪意がなく、電波法を犯しているという自覚がなくても、罰せられる可能性がある。 トランシーバー 462MHz帯と467MHz帯のFRSやGMRS(メーカーはミッドランド(Midland Radio(英語版))、モトローラ(Talkaboutシリーズ、 TLKRシリーズなどの海外販売品))、27MHz帯の不法市民ラジオなど外国規格でありながら日本国内に流通しているトランシーバーがある。 これらを使用すると、業務無線などに妨害を与える可能性がある。「米国規格(FCC rule)に適合している」などと宣伝している場合があるが、これは米国領内で有効であるという意味(技術基準適合証明機器が使用できるのは日本国内のみであるのと同様)しかない。 電波法令の技術基準に適合している証明として、玩具を除き技適マーク又は無線機器型式検定規則による検定マークがあるか確認することは最低の条件である。但し、認証の時期によってはこれらのマークがあっても使用できないものがある。 例外として、アマチュア無線の周波数帯はITU地域により一部例外はあるものの基本的に世界共通である。従って、アマチュア無線機は保証認定されれば免許申請できる(アマチュア局の開局手続きを参照)。 ラジコン ラジコン用に割り当てられている周波数帯の内、2.4GHz帯を使用するものは小電力データ通信システムの無線局であり、技適マークの表示を要する。 その他の周波数帯は微弱電波によるもので電波法令上に何らかの表示をする義務は無いが、自主規制として27MHz帯用は日本ラジコン模型工業会(JRM)が、40MHz帯用及び72MHz帯用は日本ラジコン電波安全協会(RCK)が証明シールを貼付している。 FMトランスミッター、ワイヤレスマイク 外国仕様のFMステレオ・トランスミッターやワイヤレスマイクは、電波法令の技術基準とは異なる場合があり、それを知らずに使用していると近傍周波数の放送の受信に妨害、またスプリアス(高調波)などで他の通信に妨害を与えるなどの可能性がある。 任意制度であるが、民間団体が微弱無線設備を登録し、微弱無線マーク(ELPマーク)を発行している。 コードレス電話 外国仕様のコードレス電話は、国内用と周波数帯が異なったり大出力の場合があり、他の無線に妨害を与えてしまう可能性がある。「海外向け製品はデザインが優れている、通話距離が長い」などと宣伝して、日本国内に古くから出回っている。 1987年(昭和62年)のコードレス電話自由化前後までは、VHF以下や380MHz帯を使った物が主流であったが、1990年代末頃からは、1.9GHz帯や2.4GHz帯や5.6GHz帯のデジタル式が主流である。 国内で使用できるものには技適マークが表示されている。 2.4GHz、5.6GHz帯ISMバンド機器 上述の2.4GHz帯ラジコン以外にも無線LAN、Wi-Fi、Bluetooth、ワイヤレスカメラ、ベビーモニター等、2.4GHz、5.6GHz帯ISMバンドを使用する機器は様々なものがあるが、これらは小電力データ通信システムであるものでなければならない。日本国外の規格のISMバンドの無線通信機器は、小電力データ通信システムと比較すると概して出力が大きくこのバンドの使用者に妨害を与えてしまう可能性がある。国内で使用できるものには技適マークが表示されている。 5.6GHz帯の利用は室内およびこれに準ずるものとして航空機内、船舶内または車両内のみに許可されており、屋外での利用は禁止されている。 野生生物生態調査用ビーコン、ドッグマーカー ドッグマーカーは猟犬マーカーとも称し、外国製のものは144MHz帯を用いている製品が多いが、これはアマチュア業務(=アマチュア無線)の周波数である。また「周波数を上下に調整可能」と謳う物があるが、アマチュア用周波数の直下の143MHz帯、直上の146MHz帯はともに官公庁の公共業務用、放送事業者の放送事業用、その他民間の各種事業者の一般業務用として割り当てられており、これらの業務を妨害することとなる。 日本では特定小電力無線局の一種である人・動物検知通報システム用(旧称動物検知通報システム用)に規定された142MHz帯のものを使用しなければならない。 特定小電力無線局の機器には技適マークが表示されている。 携帯電話・PHS中継装置、通信機能抑止装置 携帯電話・PHS中継装置は、電気通信事業者が免許を取得し設置するもので技適マークが表示されている。その他の者は設置することはできない。 通信機能抑止装置は、劇場・コンサートホールなど静粛を必要とする、その他病院・ATMなど携帯電話等の使用が望ましくない場所を管理する事業者が特別業務の局(従前は実験試験局)の免許を取得し、装置を据え付けて使用するもので、予備免許を取得し落成検査に合格し第三級陸上特殊無線技士以上の無線従事者による管理のもとに運用する。持ち運べる形状のものは、不特定の範囲の携帯電話・PHSの機能を抑止するので免許されない。
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