中小企業の劣悪な現実を再現
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/08 23:06 UTC 版)
「中小企業物語」の記事における「中小企業の劣悪な現実を再現」の解説
『中小企業物語』がWebドラマの形式であるにもかかわらず、フェイクドキュメンタリーのようにも見えるという声があったほど現実感がある理由は、ドラマに登場する様々な要素がストーリーによく溶け込んだからという評価が多い。視聴者のコメントを見ると、一般的によく知られている中小企業の姿に加えて、あまり一般的には知られていない細かいディテールがあちこちに隠れていて、視聴者もよくそれに気がついていることが分かる。あまり良くない会社の処遇のため、社員が頻繁に逃げ出し、いつでも面接が行なわれている。その証拠に主人公の席には、前の社員のネームプレートがそのまま放置されており、面接候補を当日に面接に呼んだにもかかわらず、会社の理事も面接があることを知らない。社員があまりにも頻繁に逃げ出すため、入社した社員が出勤すれば、逃げないことに安堵し、たとえ逃げても以前の求人公告をそのままコピペして再度出している。会社の面接は、決まった形式もなく、バラバラに言いたいことを言うような感じで、最後は社長の自慢話で仕上げになる。具体的な待遇や勤務条件については何の説明もしてくれず、求職者もなぜ選ばれたのか分からない理由ですぐに合格通知が出る。面接合格者には即座に出勤を要求する。会社の社長は何の脈絡もなく自慢話をしたり、一席演説を打ったりすることが多く、古株の社員は社長の毎回同じレパートリーが繰り返されるので、一見同調するふりをしながらも聞きたくないか、他のことをする。会社のすべての決定は即興で行われ、事前の計画なしに一方的に通知される。形だけの会議はあるものの、単に従業員を呼び集めるレベルにとどまり、実際には社長の気分に応じて従業員に対する人事考課が評価される。さらに、定時の1時間前になって翌日までに完成すべき入札用のプレゼン資料を作成するよう指示が下されて、明け方3時まで仕事する状況が発生し、社運をかけたプレゼン資料を入社してから数日しか経っていない新入社員が担当するうえ、クオリティが低くても、これをきちんと検討したり、管理をできる人材もいない。新入社員が会社の福利厚生について尋ねると、冷蔵庫と電子レンジは自由に使える、カップラーメンは1日1個まで食べられる、温水とミックスコーヒーは無料というレベルであり、故障したパソコンが修理されず、新入社員が使うパソコンがなく、会社を辞めた社員の名刺、ネームプレートをそのまま新入職員に使って、その場凌ぎをする。事務所の中はいつも散らかっており、ドアには会社のロゴだけを貼り付けて、備品管理も行われず、清掃用具箱管理すらしっかり行われない。会社の中はいつも散らかっていて、扉にピザや中華料理の配達のチラシが沢山貼られている。同社のPCプログラムはライセンス認証されておらず、頻繁にエラーが発生し、社長はこれについて全く知らずに成果を出せと急かす。事務所の鍵はドアの近くに適当に隠して使っていて、Word文書のパスワードは'qwer'と'1234'を適当に組み合わせた国民ルールを愛用する。出勤時に清掃とラジオ体操を行い、社長は入るとすぐ整理整頓をしろとうるさく言う。
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