不良性感度とは? わかりやすく解説

不良性感度

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/16 05:50 UTC 版)

岡田茂 (東映)」の記事における「不良性感度」の解説

1960年代東映時代劇から任侠路線へ、さらに暴力エロチシズム路線踏み込んでいったとき、岡田がこれを〔不良性感度〕と呼んだ以降1970年代80年代に於いても〔不良性感度〕の維持推進東映基本路線となった。また〔不良性感度〕は他社真似られた。言葉初出は『キネマ旬報1965年11月上旬号で、井沢淳、高橋英一日高真也らが参加した匿名座談会中、このうち誰かが京都撮影所訪ね岡田撮影所長と話をし、岡田が"不良性感度"という言葉使い、他の出席者が「なんだいそりゃ」と驚き岡田が以下のように話していたというもの(座談会形式のため要約)「映画界不振を救うルール発見した。それは不良性感度の開発だ。つまり社会不良性がどんどん進んでいる。この不良性を早くキャッチして、それに合わせた企画立てる奴がこれからは勝ちで、その点から言えばやくざ映画なんかはもう駄目で、来年からはこの不良性の感度をもっと良好にないかん映画作っているものも昔は不良少年集まりで、不良の方が流行感度敏感だ今は一流大学出た人間が多すぎる。だからここで不良称される連中も製作に入れて彼らの敏感さ活かしていく。善良性感度の方はテレビまかせておけばいい、映画は不良性感度の養成だ」。また「従来東宝松竹等で作り上映される映画善良性の感度に基づく映画であるが、この種の「善良性感度」の映画テレビによってお茶の間に提供出来るものであるテレビ対抗して映画館お客見せ映画お客として映画館まで足を運ばせる映画テレビで見られないもの、即ち〔不良性感度〕の映画なければならない。「やくざ映画」がまずその一ジャンルである。そしてその外でいえば「好色もの」があるというわけだ」とも話し、「私はつくる側としては珍しいほど館主直接話をした。口ゲンカも沢山したが、そういうなかで、ある種大衆感覚養われたと思う。映画というのは、大衆支持しなきゃだめ。自分一人がいいと思ったって、お客が入らなきゃどうにもならない。これをしみじみ感じたのは私が企画したわが一高時代の犯罪』が見事に外れてから。それから、中途半端なものいっさいやめた。個人趣味ではだめだ、と。大衆のいうのは、そんな甘っちょろいものじゃない。こわいマンモスだと」等と話している。 岡田映画について一つ文化的な機能であり、第二は、江戸時代芝居が“カワラもの”と言われたときからの見世物役割だ。この二つが、映画にとって陰陽エレメントになっているという考え方だ。どれか一つに限るのはよろしうない。この二つ要素をいかに有機的に結び付けるということ大事なことであり、可変的にみつめる必要がある。ところがある世代老化世代以上になると、一方的に固定的に摑まえたがるのが困るところだ」などと話していた。加藤泰岡田に「映画主役は悪やで、悪やないとあかんで」と言われたと話している。 総売上1000億円の大台乗せ史上最高の好決算記録した1989年インタビューでは「映画製作ってのは風俗産業みたいなもんだからね、絶え大衆求めているものは揺れ動いてるからな。ファッションだな、これについてゆくためには、まったく別の発想入れ込むこともやらにゃダメなんだ。ある時期角川春樹クン頼んでシャシン入れてもらったのも、西崎義展クン入って来てアニメ映画革命起こしたのも、みんな"それ"だよ」と話した岡田提唱した〔不良性感度〕路線は、ヤクザエログロ追求したが、1975年の『爆発! 暴走族』では、ついに各地本物暴走族グループ集結させる至った本作映画主演したのが岩城滉一である。 田中純一郎は「岡田茂が"いまの世情では純情度の高いものはダメで、俳優でも純情スターより不良性感度の強いものでなければ時代おくれだ"といっているのは、時流惑溺し不見識な見解といわねばならない指導者はつねに時流抜いた批判の上立脚して全体的な判断力を持たなければ危険だからである」と批判した

※この「不良性感度」の解説は、「岡田茂 (東映)」の解説の一部です。
「不良性感度」を含む「岡田茂 (東映)」の記事については、「岡田茂 (東映)」の概要を参照ください。

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