三木おろしの開始と世論の猛反発とは? わかりやすく解説

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三木おろしの開始と世論の猛反発

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/17 14:48 UTC 版)

三木武夫」の記事における「三木おろしの開始と世論の猛反発」の解説

三木おろし」も参照 2月24日東京地検警視庁国税局児玉誉士夫自宅丸紅本社などの一斉捜査入りロッキード事件本格捜査開始された。捜査過程児玉東京地検臨床尋問ロッキード社からの資金提供事実脱税容疑認め起訴された。 ロッキード事件発覚当初自民党内では事件政界への影響については楽観視する意見多かった戦後多く疑獄事件明るみ出たものの、皆、真相解明不十分なものに終わっていた。ロッキード事件これまで通り政界の上層部に捜査の手伸びる前にうやむやになるものと判断したのである。しかし今回首相である三木真相解明積極であった三木姿勢見て自民党内では、ロッキード社からの工作資金受け取ったいわゆる政府高官本人以外にも急速に不安が高まっていった。政府高官名が明らかとなり、もし逮捕され起訴されたら自民党が受ける打撃計り知れない。しかも前回総選挙1972年昭和47年12月行われていたため、任期満了1976年昭和51年12月となり、間違いなく1年以内には総選挙が行われる。自民党内で三木ロッキード事件真相解明妨害する動き始まった三木ロッキード事件解明への姿勢対し、最も深刻な懸念抱いていた一人椎名副総裁であった。これはもともと椎名裁定によって三木総理総裁の座に就いたことによる椎名三木フォード大統領ロッキード事件解明に関する親書送ったことを批判し三木に対して絶縁宣言するこの頃から自民党内で三木退陣させるいわゆる三木おろし動きが始まることになる。 椎名周辺では三木おろし、そして三木後の政権構想がうごめき始める。また三木対す批判強めていた田中前首相、そして大平大蔵大臣らが三木退陣へ動き強めつつあった。このような中、まず3月11日フォード大統領から三木親書返書届いた返書資料の提供は行うが、あくまで司法による捜査役立てるための提供であって政治的な利用認めず事件解明されるまでは秘密扱いとするという内容であった3月24日には三木親書受けたアメリカ側提案を受け、日米政府間で司法共助協定結ばれた協定では日本検察事件資料提供されるとともにアメリカ側事件関係者に嘱託尋問を行うことが定められていた。こうして4月入って日本最高検察庁アメリカ側からのロッキード事件関連資料届けられた。 田中4月2日田中派総会の席で、ロッキード事件に関する自らの関与否定する「私の所感」を読み上げた翌日4月3日三木記者会見の席で、刑事訴訟法47条の但し書きについて述べた刑事訴訟法47条では訴追に関する書類公判開廷前の開示禁じているが、但し書きに「公益上の必要その他の事由があって相当と認められる場合は、この限りではない」との例外規定設けており、もし不起訴になった場合でも疑いがある政府高官名を公表することがあり得るとしたのである。なお三木に対して政府内の法律関係者は、刑事訴訟法47条の但し書きについて触れないように助言していたというが、三木は自らの判断記者会見刑事訴訟法47条の但し書き適用可能性について明らかにした。 ロッキード事件影響国会法案審議停滞した低迷していた景気回復目指し財政特例法案は成立が困難となり、財界三木離れ進んだこのような情勢下で、これまで三木派福田派中曽根派支えてきた三木政権から、福田派離反動き見せるようになる椎名5月連休明け本格的に三木おろし動き出した椎名田中大平福田相次いで会談し遅くとも通常国会終了するまでに三木退陣追い込むことの合意取り付けた田中派大平派、それに福田派までが三木退陣合意すれば党内大多数支持失った三木政権維持不可能になり、椎名三木おろし工作成功するかに見えた。 しかし三木猛然と反撃打って出た椎名田中大平福田三木退陣について会談した事実明るみ出た5月13日日経連総会の席で「この難局処理は、四十ひたすら議会制民主主義捧げてきた私の政治生活総決算だと覚悟している、中途半端に、私の使命責任放棄することは絶対にない」と宣言しロッキード事件究明政権維持断固たる決意明らかにした。三木ロッキード事件徹底解明姿勢国民からの支持集め一時期低下した内閣支持率持ち直してきていた。そのような中での椎名三木退陣工作明らかになると、世論から「ロッキード隠し」であるとの猛反発浴びた激し世論からの反発直面した椎名らは狼狽した。またロッキード事件疑惑渦中にあった田中三木おろしについて合意し三木内閣の有力閣僚である福田大平三木政権退陣工作乗るというのはいかにも筋が悪い話でもあり、結局椎名主導三木おろし失敗終わった

※この「三木おろしの開始と世論の猛反発」の解説は、「三木武夫」の解説の一部です。
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