ワモンゴキブリ(雌成虫)

ワモンゴキブリ(雌成虫)
- クロゴキブリ Periplaneta fuliginosa (Serville)
- ワモンゴキブリ Periplaneta americana (LINNE)
- ヤマトゴキブリ Periplaneta japonica KARNY
- トビイロゴキブリ Periplaneta brunnea Burmeister
- チュウトウゴキブリ(別名:トルキスタンゴキブリ) Blatta lateralis (Walker, 1868)
- サツマゴキブリ Opisthoplatia orientalis (Burmeister)
ワモンゴキブリは体長30~45mmで、日本における屋内性ゴキブリの中で最も大型である。体は褐色で光沢があり、前胸背板に黄白色の環状紋(輪紋)を有するのが特徴である。
コワモンゴキブリは体長30~35mmで、ワモンゴキブリに似ているがやや小型で、前胸背板に黄白色の環状紋は、より輪郭がはっきりしている。また前翅の基部に黄色い条紋があることで、区別できる。
ワモンゴキブリは熱帯、亜熱帯に広く分布する世界的害虫種で、アフリカ原産といわれている。国内では南西諸島の優先害虫種で八重山諸島では屋外にも生息する。このほか九州各地、兵庫、大阪、和歌山、愛知、東京などの地下街やビルの下水槽などに生息している。
コワモンゴキブリは九州、愛知、東京、札幌で発生した記録がある。
見た目が不潔で嫌悪感を与え、集合している様子はさらに不快感や恐怖感を抱かせる。そればかりか食中毒菌をはじめ各種の病原微生物を体表面や脚、排泄物などを通じて伝播する。また食品に迷入して混入事故となったり、電気機器類に多数侵入した場合には故障を引き起こす。排泄された糞が染みとなって汚染する。また和紙を食害し、古書や古い屏風などが被害を受ける。一般にゴキブリの死骸や糞はアレルゲンであり、吸い込むとアレルギー性喘息などの原因になる。
ワモンゴキブリは、暖房設備のあるビル、レストラン、地下街、病院などに住みつき、下水道のマンホールやゴミ処理場、水洗便所の腐敗槽などに生息する。成虫の寿命は約半年~2年で、平均14個の卵が入った卵鞘を4~10日間隔で、50回以上も産む。湿った物陰を選んで産卵し、木やボール紙に産卵する場合は凹のあるところを噛み木屑や紙片を唾液で固め覆い隠す。雄と交尾しなくても繁殖が可能である(単為生殖)。幼虫期間は約半年~1年である。
コワモンゴキブリもほぼ同様な生態で、成虫の寿命は4~6ヶ月で、平均24個の卵が入った卵鞘を10日間隔で合計20~30回産む(緒方ら、1985)。幼虫期間は約半年~1年である。
輪紋蜚蠊
ワモンゴキブリ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/11/13 05:46 UTC 版)
ワモンゴキブリ | |||||||||||||||||||||
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ワモンゴキブリの全体像
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分類 | |||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||
Periplaneta americana Linnaeus, 1758 |
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和名 | |||||||||||||||||||||
ワモンゴキブリ |
ワモンゴキブリ(輪紋蜚蠊、学名:Periplaneta americana)は、ゴキブリ目ゴキブリ科に属する昆虫の一種である[1]。
形態
屋内に現れるゴキブリ科の昆虫の中では最も大型の種類で、成虫の全長は平均40mm、最大48mmに達する[2]。全身は淡褐色で、胸部にリング状の斑紋(輪紋)が存在する事が和名の由来となっている[3]。
オスはメスよりも羽が4~8mm長い他、腹部の先端から延びる尾角の長さ(オス成虫のほうがメス成虫よりも長い[1])や腹刺の有無(オスのみに存在)でオス・メスを判別する事ができる[2]。
生態
主に地下室や下水道・浄化槽、共同溝などに生息し、レストランやベーカリーなどの食品店や倉庫でも容易に確認する事ができる[2]。夜行性で、建物内部だけではなくその周辺にも姿を現す[1]。
卵鞘から孵化後成虫になるまで6~12ヶ月を要し、寿命は最長3年以上にも及ぶ[3]。成虫のメスはおよそ週に1度、卵鞘を食料源が存在する近くに生み落とし、その内部には平均14~16個の卵が収納されている[4]。また、オスと交尾しなくても単為生殖によって繁殖する事が可能である[5]。
雑食性で、チーズやビールなどの食料品以外にも衣類、デンプン糊、紙、動物の死骸など様々なものを食する[4]。
寒さに弱く、気温が20℃以下の状況では活動することが出来ない[3]。天敵にはアシダカグモ・ムカデ・ゲジ・セナガアナバチ・エメラルドゴキブリバチなどがいる。
分布
原産地はアフリカとされており、世界中の熱帯から亜熱帯に広く分布する[3]。学名(americana)の由来となったアメリカでは1625年の時点で生息が確認されている[2]。
外国ではアメリカ、台湾、中国、アフリカやジャワ島などにも生息している。
日本では九州南部から南西諸島・沖縄、小笠原諸島[1]などに分布していたが、近年は家庭暖房の発達により生息域が北上し、大阪府、長崎県や和歌山県、京都府、北海道、愛媛県、福岡県あるいは東京都、神奈川県などでも確認されている。
被害
ワモンゴキブリの被害として、見た目の不快感(不快害虫)以外に以下の事柄が挙げられている[4]。
関連項目
脚注
- ^ a b c d ワモンゴキブリ Periplaneta americana; American cockroach ブリタニカ国際大百科事典小項目事典 2018年7月24日閲覧
- ^ a b c d Periplaneta americana (Linnaeus) (Insecta: Blattodea: Blattidae) 2018年7月24日閲覧
- ^ a b c d ワモンゴキブリ Periplaneta americana(ゴキブリ科) 2018年7月24日閲覧
- ^ a b c American Cockroaches2002年3月作成(2013年1月改訂) 2018年7月24日閲覧
- ^ ワモンゴキブリ Periplaneta americana (LINNE)|イカリ消毒 外注と商品の情報サイト 2018年7月24日閲覧
- ^ “キスジワモンゴキブリ”. yasou.jp. 2022年9月21日閲覧。
ワモンゴキブリと同じ種類の言葉
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