ライフリング決定のトライアルと、照準器の完成、弾薬包への変更とは? わかりやすく解説

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ライフリング決定のトライアルと、照準器の完成、弾薬包への変更

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/16 03:54 UTC 版)

エンフィールド銃」の記事における「ライフリング決定のトライアルと、照準器の完成、弾薬包への変更」の解説

これまでエンフィールド銃は、1:78のねじれをもつ3条ライフリング持っていたが、エンフィールド銃使われるライフリング正式に決定できていなかった。 そのため、かつて1852年トライアル参加した、チャールズ・ランカスター(英:Charles William Lancaster) が発明したランカスター楕円形銃身ジェームズ・ウィルキンソン発明したウィルキンソン5条ライフリング、そしてエンフィールド銃3条ライフリング比べるため、1853年6月2日小火器委員会の副委員会により最初トライアルが行われた。 ランカスター楕円形銃身は、他のライフリングを持つ銃よりも射撃性能良く200ヤード(約183メートル)の距離でターゲットに全弾痕18インチグループ(0.46メートル)に留めた。ランカスター楕円形銃身と、エンフィールド3条ライフリングは、530グレインプリチェット弾で射撃をしていたが、ウィルキンソンは独自の弾丸使用した。しかし、ウィルキンソン5条ライフリングが最も悪く200ヤード先のサイズターゲットにほぼ命中しなかった。 次に500ヤード(約457メートル)先の6×6フィートターゲット射撃行った結果ランカスター楕円形銃身弾痕を4フィートグループ抑えたが、エンフィールド3条ライフリングは、同じ距離で75%しか命中しなかった。 8月4日2回目トライアル実施されレポートにまとめられた。最大800ヤードまでの射撃行なった結果ランカスター楕円形銃身が最も良かった。しかし、ランカスター楕円形銃身二つ異議があった。一つ目は、楕円形銃身スパイラル作ることが困難である事、二つ目は、銃口よりわずかに大きチェンバー部分レリーフにより、装填され弾丸発射時に前方移動し弾丸火薬の間にエアギャップが残る可能性があり、このギャップにより、銃を発射したときに圧力上昇し骨盤位破裂する可能性がある事だった。一つ目異議は、製造が困難というデメリットよりも、非常に高い精度というメリットの方が大きかったので、何かが変更されることなどはなかった。二つ目に関しては、ランカスターが、銃身内の弾丸火薬の間にエアギャップをつくり、発砲するという実験を行わせた所、破裂や、銃身損傷が起こることはなかったため、全く問題ではなかった。 小火器委員会は、1853年8月29日ウーリッジ追加トライアル行いランカスター楕円形銃身と、エンフィールド製の楕円形銃身300ヤード(約274メートル)からの射撃行った。このテストでは、ランカスター楕円形銃身から発射され20発の弾丸全てターゲット命中し26インチ(0.66メートル)の弾痕グループ作ったため、ランカスター楕円形銃身射撃精度の高さが再び示さた。すなわち、このトライアルで、ランカスター楕円形銃身は、エンフィールド3条ライフリングだけでなく、エンフィールド製の楕円形銃身よりも優れている事が証明された。 1853年9月15日に、最後トライアル実施された。これらのテストでは、ランカスター楕円形銃身と、エンフィールド楕円形銃身300ヤード先の6×6フィートターゲット100発射撃された。ランカスター楕円形銃身100発中99命中しエンフィールド楕円形銃身32発し命中しなかった。しかし、1853年9月20日、副委員会は、エンフィールド銃ライフリング決定に関して用心深かったので、まだ採用するライフリング決めれなかった。 そのため、1853年10月17日に、エンフィールド銃採用するライフリング選択する事を目的に、ハイス新たなトライアル開始しエンフィールド楕円形銃身と、ランカスター楕円形銃身600ヤード(約549メートル)から射撃した。このトライアルでも、ランカスター楕円形銃身高精度発揮された。しかし、レポートから、エンフィールド楕円形銃身がたまに「摩耗する傾向見られた。1853年10月18日から27日まで行われた別のトライアルで、ランカスター楕円形銃身性能良くなかったこともあり、ランカスター楕円形銃身にも剥がれる傾向見られる考えられた。そのため、エンフィールド銃には3条ライフリング採用された。実際400ヤード(約366メートル)での射撃において、ランカスター楕円形銃身は、1851年ライフルマスケットや、エンフィールド銃三条ライフリングより高精度だったが、ライフリング摩耗する場合記録された。 1853年11月下旬、「大量製造した場合に、ランカスター楕円形銃身摩耗防げるかが、まだ不確かである」という意見と、「ランカスター楕円形銃身より摩耗少なライフルはない」という意見2つ生まれたため、1853年11月26日3条ライフリングランカスター楕円形銃身比較する新たなトライアル実施した。このトライアルで、ランカスター楕円形銃身徐々に多く剥がれる傾向見られた。 1854年1月4日最終レポートでは、ランカスター楕円形銃身剥がれる原因不明であることが報告された。そのため新たなトライアルが行われた。このトライアルでは、ランカスター楕円形銃身3条ライフリングとが1000発の射撃行った前回トライアル同じくランカスター楕円形銃身徐々に多く摩耗する傾向見られた。そのため、副委員会と親委員会は、1854年1月下旬3条ライフリングエンフィールド銃使用することに納得した1854年2月7日に、ランカスター楕円形銃身失敗の原因であるライフリング摩耗解決するため、最後トライアル行なった。このトライアルでは、20丁のランカスター楕円形銃身銃が使われたが、結局問題解決できなかった。 かつて1852年8月プロトタイプ製造されてから、エンフィールド銃照準器は、持ち上げ式のリーフ照門か、ラダー照門かのどちらにするかが決定できていなかった。ウェストリー・リチャーズによって提案され照準器小火器委員会試され失敗した後、ランカスター照準器デザイン提案され数ヶ月後に採用された。この照準器には、二つ特徴があり、一つは、照準器を、前方向と後ろ方向折り畳める事、二つ目は、段階ランプ照準器両側面にある事で、300ヤード先まで簡単に照準調整行える事であったウィルキンソンなどの他のいくつかの照準器試されたが、ランカスター照準器より優れてはいなかった。1853年12月エンフィールド銃用の照準器は、両側面にあるランプが、照準器立てず400ヤードまで照準調整する事が可能な3段階のものへと大型化されたが、ランプ大型化によって照準器製造によりコスト掛かってしまうのではないか思われた。しかし、小火器委員会は、このランプは、照準器畳み込んだ際に、照準器保護してくれる事を判明したため、1854年8月にこのラダー照門エンフィールド銃照準器として採用された。エンフィールド銃ラダー照門は、照準器立てず400ヤードまで照準調整する事が可能で、照準立てれば最大900ヤード先(約823メートル)まで調整する事が出来た。 そして、圧縮製造(英:Swaging)されるプリチェット弾の重量が、520グレイン(約33.7グラム)の鋳造弾より10グレインほど増えて530グレイン(約34グラム)になった事により、弾薬包内にある61.5グレイン火薬では、エンフィールド銃長距離射撃台無しになり、狂ってしまった弾道製造され照準器と合わなくなるため、1853年8月9日弾薬包をより長くし、内蔵する火薬の量を、61.5グレインから68グレイン(約4.41グラム)まで増やした。これにより、弾道正常に戻り製造される照準器合わさった

※この「ライフリング決定のトライアルと、照準器の完成、弾薬包への変更」の解説は、「エンフィールド銃」の解説の一部です。
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