ボアソナードの自然法論とは? わかりやすく解説

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ボアソナードの自然法論

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/03 21:34 UTC 版)

民法典論争」の記事における「ボアソナードの自然法論」の解説

ボアソナード法思想政教分離近世自然法論とは異なりトマス・アクィナススコラ学基盤とする宗教的自然法思想であった。 もっとも、離婚認容死刑廃止論など、伝統カトリック異なる面も有していた。仏教儒教にも敵対せず、法典論争ではキリスト教モンテスキュー法思想との共通性指摘している。 彼は、人間を全生物の長とするカトリック神学背景に、人間自然的に善であると考える。つまり、悲観主義カール・マルクス対比される人間の善性を信じ楽天主義立場にあり、アダム・スミス流れを汲む自由主義経済信奉者であった良き経済学派に、すなわち契約の自由賛成である…無知な、あるいは悪しき社会主義者学派が、賃金地代問題を、暴力略奪放火によって解決しようとしているのに対して需要と供給自由な活動にすべてを期待する。かれはストライキ許容する組織的反乱非難する。 — ボアソナード経済学者としてのラ・フォンテエヌ」1872年パリ 1880年明治13年)の官営事業民間払い下げ決定を受け、2年後には労働問題見越して農商務省工場条例(現労働基準法制定着手明治政府労働者の「悲惨状態の救世主」になろうとしたことは講座派マルクス主義からも高く評価されるが、これに反対したのがボアソナードであったボアソナード…氏の経済説は法律上思想に於ける如く18世紀臭味帯び今日経済学上既に陳腐に属する。…ボ氏は成年男子労働に対して論じて曰はく成年男子に対して労働制限設け別の保護を与へるが如き無用の干渉にして一個人の自由を妨害する甚しきものにあらずや、寧ろ之を自由競争任せ自然的経済調和委する若かずと…個人に無限の自由を許し少しも制限する所なくむば是国家なきに等とし、是れルーソー類の理想的自然社会立帰りたるものなり…自然の調和なるものは社会経済上の地位対等…の間に於てのみ之を見る可し、労働者資本家企業家との間に於ては絶対的の自由は結局実際の不自由を来すものと謂う可し。 — 金井延「「ボアソナード」氏ノ経済論ヲ評ス」1891-92年(明治24-25年) このために、彼は延期のみならず後世共産主義者からも激しく批判された。 私所有権絶対尊重契約の自由過失責任三大原則…がボアソナード氏の所謂万古不変性法内容である!だが之は人間社会の自然の姿でも何でもなく、勃興期に於ける資本主義社会の姿以外の何ものでもない。 — 風早八十二「『性法講義解題1929年昭和4年) 必ずしも普遍的とは言えない制度自然法名目与えて固執する近世自然法論の弊を、彼もまた踏襲していたのである

※この「ボアソナードの自然法論」の解説は、「民法典論争」の解説の一部です。
「ボアソナードの自然法論」を含む「民法典論争」の記事については、「民法典論争」の概要を参照ください。

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