プレミアムシート車両
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/13 06:26 UTC 版)
「近鉄50000系電車」の記事における「プレミアムシート車両」の解説
両先頭車はハイデッカー車両で、運転席直後に出入台を設けず、展望性重視として客室を配した。床面高さは平床と比べて+720mmで、天井高さは2,220mmをとり、ダブルデッカーの2階席に近い高さからの眺望と平床の21020系に匹敵する室内高を確保した。窓高さは大きく引き上げられ、床面高さから窓下辺までは500mmで座席の肘掛よりも低い位置にあり、展望車両としての機能を付加した。車内構成は20000系中間車に準ずるが、先述のLED採用もあって荷棚等の厚さが薄くなり、空間が拡大された。荷棚奥行きは狭いため、室外にロッカーを設けた(後述)。荷棚照明は平床車に準ずる。天井飾り板に車内放送用のスピーカーをビルトインし、表面はやまぶき色である。天井は空調吹出口の設置が出来ないため、20000系と同じく窓柱部分に設けた。また、平床車荷棚に装備されている個別空調は省略された。床面は平床車も含めて全面カーペット敷きで、緑主体の模様入りとした。なお、進行方向に向かう場合の運転台直後の席番は、賢島行きが9A、9B、9C、大阪難波、京都、名古屋行きが1A、1B、1Cとなる。ほかにも、ワゴンによる車内販売を実施するため、客室とデッキとの仕切り部にはワゴン専用の昇降機を設置してある。 中間車は基本的な構成は22600系に準ずるが、デザイン処理を大きく変更した。天井間接照明はほぼ22600系と同様だが、荷棚照明は直接照明で、1窓につき4灯が配列された。荷棚は30000系中間車以来でガラスを使用し、個別空調も設置した。窓高さは22600系よりも押さえられて950mm(-15mm)だが、床面高さから窓下辺までは650mm(-75mm)で眺望性が向上した。天井高さは2,260mmを確保した。室内のカラーコードはダブルデッカー車に準ずる。 天井間接照明、荷棚照明は、走行中は電球色、停車中は昼白色に変化する。カーテンは全席電動式ロールカーテンとされ、伝統的に横引き式を採用してきた近鉄特急にあって大きく方針転換された。このため、窓柱にはカーテンの上昇下降スイッチが設けられた。客室扉はガラス製の横縞の模様入りである。片開き式を基本とするが、モ50500形賢島寄りは車椅子利用に配慮して両開き式である。扉上部には22インチLCD式表示器とその横にLED式号車表示器およびトイレ使用表示灯が併設された。なお、ハイデッカー車内の妻壁扉上はLCD式モニタではなく、大型の3色LEDモニタが設置されている。 ハイデッカー車両客室 平床車両客室 展望車の荷棚とLED照明 妻壁の折りたたみ式テーブルドアは波模様入のガラス製 中間車にあるLCD式22インチモニタ プレミアムシートには本革を使用しており、ふくらはぎを支える電動レッグレストが装備されている。鉄道車輌として初めてとなるシート背もたれにエアクッションを設置し、腰部の硬さを調整するランバーサポート機能やリラクゼーション機能も備えている。また、可動式読書灯や肘掛下部にコンセントも設置されている。座席背面には大型テーブルを設け、ひじ掛け内にも折りたたみ式テーブルを設置のうえ、テーブル表面に天然木を使用した。なお、背面テーブル使用時には座席回転は不可となり、また、進行方向に対して座席を後ろ向きにセットした場合や進行方向であっても席が向かい合っている場合はレッグレストの使用は不可となり、操作ボタンを押しても反応しない。座席回転はペダル式ではなく、ひじ掛け後方のボタンを長押しすると、緑色のランプが点灯して回転する方式である。 シートピッチは1,250mmに拡大され、JRグループの一般的なグリーン車をしのぎグランクラスに迫る居住空間を確保した。このため定員が極端に減少しており両先頭車が1両につき27人、平屋車両が1両につき30人(車椅子対応車は28人)となった。 車椅子対応車両は賢島方から2両目の車両で、山側2席分が設けられた。席番は32Cと33Cとなる。座席は一見すると一般のプレミアムシート同様だが、座席背面や脚台に車椅子固定用のベルト関係品が装備される。 2人掛け席 座席背面とひじ掛け内蔵形テーブル コントロールパネル レッグレスト 車椅子対応座席
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