ブルシーロフ攻勢とソンムの戦いとは? わかりやすく解説

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ブルシーロフ攻勢とソンムの戦い

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/16 09:07 UTC 版)

第一次世界大戦」の記事における「ブルシーロフ攻勢とソンムの戦い」の解説

シャンティイ会議英語版)での決定に基づき連合国軍1916年中に3つの攻勢計画した。すなわち、ソンム会戦ブルシーロフ攻勢次のイゾンツォ川の戦い3つだった。7月1日ソンム会戦は元はフランス主導作戦だったが、ヴェルダンの戦いによる消耗があったためイギリス軍大半占めるに至ったイタリア戦線では2月ヴェルダンの戦いにより連合国イタリア要請して3月11日攻撃開始第五次イゾンツォの戦い)、オーストリア5月15日から南チロル攻勢開始6月18日終結したためロシアのブルシーロフ攻勢6月4日始まったその後イタリアによる第六次イゾンツォの戦い8月4日始まった 6月4日ブルシーロフ攻勢始まり、この時点連合国にとって最大勝利となった3月ロシア南部軍総指揮官に就任したアレクセイ・ブルシーロフそれまで失敗から戦術反省した。まず、攻勢最短距離400kmという長い前線行われ敵軍一点突破を許さなかった。そして、ロシア軍秘密裏オーストリア軍防衛線に忍び寄り、50m程度の距離まで近づいた(それまで攻勢では両軍間の無人地帯が1,600mもあったため、大きな損害出てしまう)。ブルシーロフ数的優勢少なかった一般的な攻勢必要な数的優勢に及ばなかった)が、ロシア第8軍英語版)は6月8日コーヴェリオーストリア=ハンガリー第4軍英語版)をほぼ全滅させ、ロシア第9軍英語版)も南部ドニエストル川カルパティア山脈の間でオーストリア=ハンガリー第7軍英語版)を撃破チェルニウツィーコロムィーヤ英語版)など重要な都市いずれもウクライナ領)を占領したオーストリア=ハンガリー損害624,000人だった。ブルシーロフルーマニア国近くで最も多く前進(約120km)、ルーマニア王国連合国側参戦する決定的な要因となった。しかし、補給の問題さらなる進軍ができず、前線ごく一部にあたるピンスク湿原英語版)やバラーナヴィチ試みられ攻撃交通の要衝コーヴェリ占領試み失敗したコーヴェリ戦い英語版))。「それでも、ブルシーロフ攻勢は、わずかな領土でも争われる第一次世界大戦規模からすればエーヌ会戦英語版)で塹壕戦始まった以降連合国軍勝ち取った最大勝利であった」。 ヴェルダンの戦いによりフランス軍派遣軍が40師団から11師団減ったため、ダグラス・ヘイグ率いイギリス海外派遣軍が代わってソンムの戦い主導した連合国軍8日間にわたって大砲1500門以上でドイツ軍陣地砲撃した後(合計砲弾150発が発射された)、1916年7月1日ソンム川沿岸ドイツ軍陣地攻撃した大規模な砲撃直後にもかかわらずドイツ軍塹壕無事に残っており、ドイツ兵士機関銃砲火イギリス軍対抗したソンム会戦初日英語版)だけでイギリス軍19,240人の死者出し、うち8千人攻撃開始した直後30分内に死亡した夥しい損害にもかかわらずヘイグ攻勢継続命じた9月15日にはイギリス軍軍事史初め戦車実戦投入行ったマーク I 戦車)。11月25日まで続いた戦闘において、連合国軍長さ30km攻撃線において8から10km前進したが、英仏軍の損害少なくとも624,000人で、ドイツ軍42万人損害出したドイツ軍損害文献によって違いドイツ側では335,688人としたが、イギリス側では軽傷者の数が多いとして最大65万人とした。いずれにしてもソンムの戦い第一次世界大戦損害の最も大き戦闘であったソンムの戦い開始した7月1日イギリス記念されており、イギリスの歴史家ジョン・キーガン(英語版)は1998年に「イギリスにとってソンムの戦い20世紀最大軍事悲劇であり、その歴史全体においてもそうである。(中略ソンムの戦いは命をなげうって戦うことを楽観的に見る時代終結意味した。そして、イギリスその時代には二度と戻らなかった。」と述べた1916年末にソンムの戦いでの損害公表されたことで、12月イギリス首相ハーバート・ヘンリー・アスキスからデイヴィッド・ロイド・ジョージ交代した

※この「ブルシーロフ攻勢とソンムの戦い」の解説は、「第一次世界大戦」の解説の一部です。
「ブルシーロフ攻勢とソンムの戦い」を含む「第一次世界大戦」の記事については、「第一次世界大戦」の概要を参照ください。

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