フランチャイズプレイヤーとして
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/08 05:10 UTC 版)
「ダーク・ノヴィツキー」の記事における「フランチャイズプレイヤーとして」の解説
キューバンがオーナーに就任して5年、大胆な補強を重ね、一定の成果を収めてきたマブスだったが、優勝に手が届くほどではなかった。そして6年目の2004-05シーズンを迎えるにあたって、マブスは大きな変革の時を迎えた。ドン・ネルソンはオフにヘッドコーチを辞任し、新たに若いエイブリー・ジョンソンがヘッドコーチに就任。ジョンソン新HCはネルソンとは正反対のコーチで、ネルソンはラン&ガンを得意とするオフェンス重視のヘッドコーチだったが、ジョンソンはディフェンスを重視した。さらにスティーブ・ナッシュがFAとなったが、ここまでお金に糸目を付けなかったキューバンが珍しくナッシュとの長期高額契約を渋り、ナッシュは古巣のフェニックス・サンズに移籍。かわりにポイントガードのジェイソン・テリーとデビン・ハリス、シューティングガードで元オールスターのジェリー・スタックハウス、手薄だったインサイドにはセンターのエリック・ダンピアーを迎えた。親友のナッシュが移籍したことに、ノヴィツキーは酷く落胆した。 新たな陣容で迎えた新シーズン、ノヴィツキーは26.1得点9.7リバウンドの成績を残し、12月2日のヒューストン・ロケッツ戦ではキャリアハイの53得点を記録、初のオールNBA1stチームにも選出された。1stチーム入りはアメリカの高校、もしくは大学に通わなかった選手としては初の快挙である。チームも新戦力選手の活躍や2年目のジョシュ・ハワードの成長もあり、58勝24敗と成績を回復し、ノヴィツキーはMVP投票で3位に入った。しかしノヴィツキーはプレーオフで失態を演じる。1回戦ではトレイシー・マグレディと姚明擁するヒューストン・ロケッツと対戦したが、ノヴィツキーはライアン・ボウエンというほとんど無名の選手とのマッチアップに苦しみ、シュートスランプに陥った。エースの不振に、しかしシリーズは総合力で上回るマブスがロケッツを4勝3敗で辛うじて退けた。カンファレンス準決勝ではナッシュが移籍したフェニックス・サンズと対決。ナッシュの移籍はサンズを劇的に変化させ、このシーズンはマブスを上回る62勝あげ、ナッシュはMVPを獲得していた。サンズとのシリーズでもノヴィツキーのシュートタッチは完全には回復せず、マブスは2勝4敗で敗退。ナッシュの移籍でチームリーダーになることが求められたノヴィツキーだったが、プレーオフ中にはメディアの前でチームメイトを批判する場面も見られ、精神面の脆さが垣間見られたシーズンとなった。 2005-06シーズンを迎える前に、マブスは長年チームに尽くしてきたマイケル・フィンリーを放出。これでビッグスリーは完全に解体され、マブスはノヴィツキーのチームとなった。前年のプレーオフでの失態で選手として、またリーダーとして一回り成長したノヴィツキーは、このシーズンにプレイの質を向上させ、3P成功率は初の40%超えとなる40.6%、FT成功率は90.1%を記録し、26.6得点9.0リバウンドの成績を残した。オールスターのスリーポイント・シュートアウトでは優勝を果たし、歴代最長身の優勝者となっている。マブスは60勝22敗を記録すると、プレーオフ1回戦ではパウ・ガソルのメンフィス・グリズリーズを全勝で破り、カンファレンス準決勝で因縁のスパーズと対戦。ライバル同士の対決は近年最高のシリーズと呼ばれるほどに白熱したものとなり、ノヴィツキーとダンカンのエース同士の対決も大いに盛り上がった。そして迎えた第7戦、試合終盤でマブスは3点ビハインドと絶体絶命に陥っていた。しかしノヴィツキーは巨体を躍らせながらゴール下に切り込むと執念のダンクを決め、さらにマヌ・ジノビリからファウルを引き出し、ボーナススローも決めた。土壇場で追い付いたマブスは、オーバータイムを制してついに悲願の打倒スパーズを果たし、故障者が続出しながらもカンファレンス決勝まで進出してきたサンズを降して、ついに未踏のNBAファイナルに進出した。ファイナルではシャキール・オニールとドウェイン・ウェイド擁するマイアミ・ヒートと対決。これまでの充実振りから優勝はマブスと見られていたが、ここに来てノヴィツキーが不調に陥る。第1戦、第2戦は連勝するも、第3戦はウェイドの42得点にやられ、さらに第4戦のノヴィツキーはFG2/14と極端なシュートスランプに陥り、その後もシュートタッチに苦しんだ。結局マブスは終始ウェイドにやられてしまい、2勝4敗で敗戦。ノヴィツキーはこのシリーズで22.8得点10.8リバウンドを記録したが、ファイナル敗退の戦犯として非難を受けた。 05-06シーズンは悔しい幕切れとなったが、2006-07シーズンはノヴィツキー、マブスともに絶好調だった。ノヴィツキーは24.6得点8.9リバウンド、3P成功率41.6%、FT成功率90.4パーセントを記録し、マブスは球団新記録となる17連勝を含む67勝15敗、リーグ1位の勝率を残して他を寄せ付けない強さを見せた。プレーオフに入る前、マブスは優勝候補筆頭に挙げられ、チームの快進撃の中心に居たノヴィツキーはMVPを獲得するだろうと言われた。プレイオフ1回戦の相手はレギュラーシーズン最終戦で13年ぶりのプレイオフ進出を決めたゴールデンステート・ウォリアーズ。かつてのマブスのヘッドコーチだったドン・ネルソン率いる第8シードのチームに、NBA史上6位の勝率を挙げたチームは大苦戦し、ついには2勝4敗で史上稀に見るアップセットを演じられる羽目となった。ノヴィツキーは自身よりも一回り小さいスティーブン・ジャクソンの好ディフェンスにこのシリーズ19.7得点と抑え込まれ、初戦敗退の原因と再び非難を受けた。失意のうちにシーズンを終えた日から約2週間後、ノヴィツキーのシーズンMVP受賞が発表された。 67勝をあげても優勝できなかったマブスは、旬を過ぎつつあった。2007-08シーズン途中にはかつてのトップポイントガードであるジェイソン・キッドを獲得するが、成績は伸び悩み、前年を大きく下回る51勝31敗の成績に終わり、プレーオフではクリス・ポール擁する新興チームのニューオーリンズ・ホーネッツの前に完敗した。23.6得点8.6リバウンドと自らも成績を落としたノヴィツキーのこのシーズン唯一のハイライトは、2月6日のミルウォーキー・バックス戦で達成したキャリア初のトリプル・ダブル(29得点10リバウンド12アシスト)だった。また3月8日に34得点をあげたことで、ローランド・ブラックマンの持つ通算得点のチーム歴代最多記録(16,643得点)を更新した。 2008-09シーズンにマブスはエイブリー・ジョンソンを解任し、リック・カーライルを新ヘッドコーチに抜擢。ノヴィツキーは25.9得点7.3リバウンドをあげるが、チームは50勝32敗とさらに成績を落とした。プレーオフ1回戦ではやはり弱体化したスパーズを4勝1敗で破るが、カンファレンス準決勝でデンバー・ナゲッツに敗れる。 2009-10シーズンにはやや盛り返し、55勝をマークしてレギュラーシーズンを2位で終える。ノヴィツキー自身も平均25.0得点と数字を上げた。しかしプレーオフ1回戦で7位シードのスパーズに2勝4敗で敗れた。
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