ヒトラー暗殺計画に参加
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「クラウス・フォン・シュタウフェンベルク」の記事における「ヒトラー暗殺計画に参加」の解説
詳細は「ヒトラー暗殺計画」を参照 フォン・シュタウフェンベルクはこれ以上戦況が悪化する前に一日も早くヒトラーを暗殺してクーデタを起こし、米英と講和してソ連から守ってもらうしかドイツが助かる道はないと悟った。入院中、見舞いに訪れた母方の叔父ニコラウス・フォン・ユクスキュル=ギレンバント伯爵(Nikolaus Graf von Üxküll-Gyllenband)を通じて現在進行中のヒトラー暗殺計画(ルートヴィヒ・ベック退役上級大将を中心とした「黒いオーケストラ」と呼ばれた抵抗グループ)に加わる事を決意した。抵抗グループの中心人物の一人である国内予備軍一般軍務局局長フリードリヒ・オルブリヒト大将は、一般軍務局参謀長にフォン・シュタウフェンベルク中佐を据えるよう陸軍人事局に手をまわした。フォン・シュタウフェンベルクは、7月3日にミュンヘンの病院を退院した。ヴッパータールの家族を呼びもどしてラウトリンゲンのフォン・シュタウフェンベルク家の城へ戻った。 1943年9月初めにはベルリンへ赴き、抵抗グループのメンバーであるヘニング・フォン・トレスコウ少将からクーデタ準備の手順を通達された。そのクーデターとは、ヒトラーを暗殺した後に国内予備軍司令部が国内外に17ある各軍管区司令部に対して「ヴァルキューレ作戦」(ドイツ国内有事に備えた作戦)を発令して親衛隊・ゲシュタポ・党機関の責任者を「反逆者」として拘束することであった。 9月15日、国内予備軍一般軍務局参謀長に就任し、ベルリン・ベントラー街(de:Bendlerblock)(国防省)の国内予備軍司令部に勤務した(正式な任命は11月1日。職務の引き継ぎや勉強のために就任が早まった)。このポストを得た事により、以降はフォン・シュタウフェンベルクが計画の中心になった。「ヴァルキューレ作戦」の立案を担当する立場だからである。 クーデタ計画の成功は「ヴァルキューレ作戦」を発動した時に各軍管区司令部がそれに従うかどうかにかかっていた。そのため彼は各軍管区に情報提供者の将校を最低でも一人は確保しようと務めた。彼の持つ説得力、生来の貴族の威厳、明晰な論理などにより17の軍管区のうち15の軍管区で情報提供してくれる将校を確保した。 またクーデタ後には抵抗グループが統一した政権を作りたいと考えていたので、ユリウス・レーバー、カール・ゲルデラー、ヘルムート・イェームス・フォン・モルトケ伯爵、ヨハネス・ポーピッツ、ウルリヒ・フォン・ハッセル、ヴィルヘルム・ロイシュナー(de:Wilhelm Leuschner)、ウルリヒ・シュヴェーリン・フォン・シュヴァーネンベルク伯爵(de:Ulrich Graf Schwerin von Schwanenfeld)といった市民レジスタンスメンバーとも交流を深めた。レーバーを通じて地下に潜っている共産党とも接触を図った。しかしフォン・シュタウフェンベルクは他のレジスタンスメンバー(特にゲルデラーとフォン・モルトケ)とはあまり折り合いが良くなかったという。 難題なのはクーデタ計画だけでなく、その前提であるヒトラー暗殺もであった。戦況が悪化してくるとヒトラーはほとんど公の場に姿を見せなくなり、厳重に警備された総統大本営に引きこもるようになっていた。限られた側近以外は近づくことすら困難になっていた。フォン・シュタウフェンベルクら抵抗グループの中にもヒトラーに接近できる者はいなかった。ごくまれにヒトラーが公式行事に出席する機会などを狙って、覚悟のある将校に暗殺を実行させようとしたが、決定的な瞬間に怖気づいたり、あるいは計画が何らかの偶然で成就しない事が続いた。 ところが1944年5月中頃にチャンスが訪れた。フォン・シュタウフェンベルク大佐(彼は1944年4月1日に参謀大佐に昇進していた)が国内予備軍司令官フリードリヒ・フロム上級大将の参謀長に就任する事が内定したのだった。この地位につけば国内予備軍の任務である陸軍の人員補充と国内の治安維持を全面時に所管する事になる。ヒトラーの前に出て報告を行う事もある。また総統大本営では戦傷者はSSによるボディーチェックを免除されていた。加えて上官である国内予備軍司令官フロム上級大将は抵抗グループに加わってこそいないが、部下のオルブリヒト大将やフォン・シュタウフェンベルク大佐達がやろうとしてる事を黙認することを暗に示していた。これらの要素により抵抗グループは、フォン・シュタウフェンベルクをヒトラー暗殺の実行者に選んだ。暗殺クーデター成功の暁には彼は新政府においてオルブリヒト軍務大臣を補佐する軍務次官に就任する予定であった。
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