パリからポン=タヴァンへとは? わかりやすく解説

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パリからポン=タヴァンへ(1885年-1886年)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/18 20:22 UTC 版)

ポール・ゴーギャン」の記事における「パリからポン=タヴァンへ(1885年-1886年)」の解説

ゴーギャンは、1885年6月6歳息子クローヴィス連れてパリ戻ったその他の子は、コペンハーゲンメット元に残りメット稼ぎ家族・知人助け生活することとなったゴーギャンは、画家として生計立てよう思った現実厳しく困窮して雑多な雇われ仕事余儀なくされている。クローヴィス病気になり、ゴーギャンの姉マリー支援寄宿学校に行くことになったパリ最初1年制作した作品非常に少ない1886年5月第8回最終回印象派展19点絵画1点の木のレリーフ出展しているが、ほとんどがルーアンコペンハーゲン時代作品であり、唯一水浴女たち』が新たなモチーフ生み出した程度で、新味のあるものはほとんどなかった。それでも、フェリックス・ブラックモンゴーギャン作品1点購入している。この時の印象派展前衛画家旗手として台頭したのが、新印象派呼ばれるジョルジュ・スーラであったが、ゴーギャンは、スーラ点描主義侮蔑したこの年ゴーギャンは、ピサロ反目しピサロその後ゴーギャンに対して敵対的な態度をとるようになるゴーギャンは、1886年夏、ブルターニュ地方ポン=タヴァン画家コミュニティ暮らした最初は、生活費が安いという理由移ったのであるが、ここでの若い画学生たちとの交流は、思わぬ実りもたらしたシャルル・ラヴァルその1人であり、彼は、後にパナママルティニーク島への旅をともにすることとなる。 この年の夏、ゴーギャンは、第8回印象派展見たピサロエドガー・ドガの手法をまねてヌードパステル画描いている。また、ブルターニュ羊飼い』のように、人物表れるものの主に風景描いた作品多く制作している。『水浴するブルターニュ少年』は、彼がポン=タヴァン訪れる度に回帰するテーマであるが、デザイン純色大胆な使用において、明らかにドガ模倣している。イギリスのイラストレーターランドルフ・コールデコットがブルターニュ描いた作品も、ポン=タヴァン画家たち想像力刺激しゴーギャンは、ブルターニュ少女スケッチで、意識的にコールデコットの作品模倣している。ゴーギャンは、後にこの時のスケッチパリアトリエ油絵仕上げているが、コールデコットの素さを取り入れることで、初期印象派風の作品から脱皮したものとなっている。 ゴーギャンは、パナママルティニーク島から帰った後も、ポン=タヴァン訪れており、エミール・ベルナールシャルル・ラヴァル、エミール・シュフネッケル、その他多く画家交流した。このグループは、純色大胆な使用と、象徴的な主題選択特徴であり、ポン=タヴァン派呼ばれることになる。ゴーギャンは、印象派に至る伝統的なヨーロッパの絵画余りに写実重視し象徴的な深み欠いていることに反発していた。これに対しアフリカアジア美術は、神話的な象徴性活力満ちあふれているように見えた折しも当時ヨーロッパでは、ジャポニズム代表されるように、他文化への関心高まっていた。 『水浴する女たち』1885年国立西洋美術館東京)。 『ブルターニュ羊飼い1886年。Laing Art Gallery。 『ブルターニュの4人の女』1886年ノイエ・ピナコテーク。 『ブルターニュ少女1886年。バレル・コレクション(英語版)。 『水浴するブルターニュ少年1886年シカゴ美術館ゴーギャン作品は、フォークアート日本浮世絵影響を受けながら、クロワゾニスム向かっていった。クロワゾニスムとは、批評家エドゥアール・デュジャルダン(英語版)が、ベルナールゴーギャンによる、平坦な色面しっかりした輪郭線特徴とする描き方に対して付けた名前であり、中世クロワゾネ七宝)の装飾技法から来ている。 クロワゾニスム真髄と言われる1889年の『黄色いキリスト』では、重厚な黒い輪郭線で区切られ純色色面強調されている。そこでは、古典的な遠近法や、色の微妙なグラデーションといった、ルネサンス美術以来重要な原則捨て去っている。さらに、彼の作品は、形態色彩どちらか優位に立つのではなく両者等し役割を持つ綜合主義向かっていく。 『黄色いキリスト英語版)』1889年オルブライト=ノックス美術館。 『ラヴァル横顔のある静物1886年インディアナポリス美術館

※この「パリからポン=タヴァンへ(1885年-1886年)」の解説は、「ポール・ゴーギャン」の解説の一部です。
「パリからポン=タヴァンへ(1885年-1886年)」を含む「ポール・ゴーギャン」の記事については、「ポール・ゴーギャン」の概要を参照ください。

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