バージニア級原子力潜水艦とは? わかりやすく解説

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バージニア級原子力潜水艦

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/09/25 03:17 UTC 版)

バージニア級原子力潜水艦
USS Virginia
基本情報
種別 攻撃型原子力潜水艦(SSN)
命名基準 州名
(12・22・35番艦は人名、31〜34番艦は水棲生物、36〜40番艦、42・43番艦は都市名、41番艦は河川名)
建造所
運用者  アメリカ海軍
建造期間 2000年 - 建造中
就役期間 2004年 -
計画数 66隻
建造数 43隻
前級 シーウルフ級
要目
水中排水量 7,800 t
全長 114.8 m (376 ft 8 in)
最大幅 10.4 m (34 ft 1 in)
吃水 9.3 m (30 ft 6 in)
機関 原子力ギアード・タービン推進
主機
推進 ウォータージェット推進×1軸
出力 40,000 shp
最大速力 水上:不明
水中:25ノット (46 km/h)(公表値)、34ノット (63 km/h)(推定値)
搭載能力 弾庫容量: 52+4基分、無人潜水艇の使用も可能
乗員 134名
兵装

533mm水圧式魚雷発射管×4門

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バージニア級原子力潜水艦(バージニアきゅうげんしりょくせんすいかん、英語: Virginia-class submarine)は、アメリカ海軍の攻撃型原子力潜水艦の艦級。

先行するシーウルフ級がコスト上昇のため建造数を削減されたのを教訓としてコスト低減に留意して設計されたほか、冷戦終結後の世界情勢にも対応しており、冷戦後期に建造されたロサンゼルス級の退役を受けて、多数が建造されている。

来歴

冷戦後期のソ連海軍潜水艦の急激な性能向上に対応して、1979年から1982年にかけて、アメリカ海軍は潜水艦戦略の転換を決断した[1]。これを受けてまず建造されたのがシーウルフ級[1]、将来にわたってソ連潜水艦を圧倒できる対潜戦能力を備えた高性能潜水艦として、1989年度計画より建造を開始した[2][3]。しかし高性能の代償としてコストは高騰しており、また様々な新機軸を導入したこともあって建造段階や運用の初期段階ではトラブルも多発、1989年の冷戦終結や1991年のソビエト連邦の崩壊もあって、建造数は当初予定の30隻よりも削減される見通しとなっていた[2][3]

シーウルフ級のコスト高騰については早くから問題視されており、1988年の時点で、より安価な代替案についての予備的な検討が開始されていた[2][4]。1991年1月には、海軍作戦部長 ケルソー大将によって「センチュリオン」という計画名が与えられ、2月には海軍長官が正式に設計作業を承認、10月にはケルソー大将により要件定義 (MNSが承認された[4]。1992年8月28日、取得担当国防次官はセンチュリオン計画を正式に国防総省の計画に組み入れ、1番艦を1998年度計画に基づいて建造し、2003年に竣工させる予定を示した[4]

検討を経て、センチュリオン計画艦の排水量は6,000トンから8,500トン程度が適当であると結論され、新規設計艦のほか、シーウルフ級の追加建造や廉価・簡易型、ロサンゼルス級発展型、オハイオ級SSBN派生型、更に通常動力潜水艦まで含めての比較分析(cost and operational effectiveness analysis, COEA)が行われた[4]。1993年8月2日に比較分析が完了した時点では新規設計艦とシーウルフ級追加建造、ロサンゼルス級発展型の3案が俎上に残されたが、ロサンゼルス級発展型については将来発展余地の欠如が問題視され、1994年には候補から脱落した[4]。1993年末頃にはセンチュリオン計画艦はNSSN(New SSN)と称されるようになっており、バリエーション展開について検討するために計画が1年棚上げになる一幕もあったが[注 1]、最終的に、予定通り1998年度計画より建造が開始されることになった[4]。これがバージニア級である[4]

設計

船体

組み立て作業中の「バージニア」

センチュリオン計画の最初期段階で、将来想定されるあらゆる任務においてステルス性が重要になると判断されたことから、シーウルフ級に匹敵する静粛性が求められ、結果として、船体サイズの縮小は一定程度に押さえられた[4]。ロサンゼルス級と比べると、全長は約5メートル長いのに対し、幅や吃水は若干増えた程度であり、L/B比は大きくなった[5]。ただしシーウルフ級と同じく、セイルの前下方には整流用の覆いが装着されていることもあって、浮上時の印象はロサンゼルス級よりシーウルフ級に近い[5]。耐圧殻の素材は、ロサンゼルス級と同じHY-80英語版とする文献と[6]、シーウルフ級と同じHY-100とする文献とがある[7]。なおシーウルフ級と同様、水中での挙動を確認するため、「ヴァージニア」を縮小した設計の無人潜水機「カットスロート」フランス語版が製作されて、試験に供された[8]

本級では、アメリカ原潜として初の非貫通型潜望鏡(光学マスト)の導入を織り込んだことで、艦内配置は大きく改訂された[8]。セイルの直下に発令所を配置する必要がなくなったため、セイルは流体力学的に合理的な船体やや前方に移動し、また発令所は若干後方で、従来より1階層下に移すことで床面積を拡張した[8]。ソナー室も独立区画ではなくなり、コンソールは発令所に配置された[8]。なお本級では操艦をフライ・バイ・ワイヤ方式とし、入力機器としてはジョイスティックを用いている[8]

本級では従来の米SSNと異なり、特殊部隊を支援するため、ダイバーの専用区画と、エスケープハッチを改良したロックアウトハッチを備えている[8]。また発射管室も、魚雷やその装填装置を撤去して、無人潜水機やダイバー輸送用潜水艇などを収容できるように配慮されている[8]

なお建造にあたってはモジュール化が進められており、モジュールをそれぞれ個別に製作した後に耐圧殻に挿入するという方式が採用されている[8]。この方式では、耐圧殻内への組付け前にモジュールごとに試験を行えるほか、将来的なアップデートも容易になるというメリットがある[8]。当初は10個のモジュールによって構成されていたが、2003年度計画の5番艦「ニュー・ハンプシャー」[7]以降は4個に削減することで工期短縮を図っており[8]ブロックIIと称される[9]

2009年度計画の11番艦「ノース・ダコタ」以降は、下記のとおりソナーやミサイル搭載方式を刷新したほか、設計・建造方式も改訂され、建造費の20パーセントの抑制に成功しており、ブロックIIIと称される[8][9]。19番艦「ヴァーモント」以降のブロックIVは細部の設計を改訂することでライフサイクルコストの低減を図っており、従来は実用寿命の間に行える作戦航海は14回、その間に必要なドック入りデポ整備は4回と見積もられていたのに対して、ブロックIVではドック入りデポ整備を3回に減らすことで作戦航海を15回に増加させる[9]。また2019年度計画の29番艦以降は船体を延長して下記のとおりミサイル装備を強化したブロックV、2024年度計画以降の建造分は小改正型のブロックVIとなる[9]。ブロックV・VIの水中排水量は10,000トンを超え、船体は細長くなり、オハイオ級に近いシルエットとなることから、水中運動性能の低下を懸念する声もある[9]

機関

動力源としてはS9G原子炉が搭載された[3]。シーウルフ級のS6Wと同じく、一次冷却水について自然循環併用方式としており、最大出力までのかなりの部分でポンプを使用せずに運転できるようになったことで、雑音の大幅な低減を実現したといわれる[10][11]。また炉心寿命を艦の運用寿命と同等としたのもシーウルフ級と同じで、艦の退役まで燃料交換が必要なくなり、コスト低減に貢献している[8]

推進器はシーウルフ級と同じくポンプジェット方式とされた[10][11]

装備

C4ISTAR

ソナー

本級は、AN/BQQ-6ソナーを搭載するものとして設計された[7]。その後、シーウルフ級やロサンゼルス級、オハイオ級の同系列ソナーと同様に信号処理装置の商用オフザシェルフ(COTS)化を主眼とするアップグレードであるA-RCI(Acoustic Rapid COTS Insertion)を受けることになり、システム区分はBQQ-10に変更され、本級向けのシステムは1番艦の建造途上にあたる2000年12月に引き渡された[12]。送受波器としては、艦首の球形アレイと船体側面の平面アレイ(Wide Aperture Array, WAA)、そして標準型(TB-16)および細径(TB-29)の2種類の曳航アレイが搭載された[10]。WAAはシーウルフ級で搭載されたものと同系列だが、受波器は従来のセラミック方式ではなく、光ファイバーによるレーザー駆動方式を採用することで軽量化を実現している[10]

ブロックIIIの艦(11番艦以降)では、艦首アレイをLAB(Large Aperture Bow)に変更した[8][10]。これは従来の球形アレイにかわって、艦首部の形状に沿って送受波器や受波器を配列したコンフォーマル・アレイ方式を採用しており、アレイ全体の水密を確保するための手順が不要になったほか、球形アレイでは一部の素子が故障した場合もアレイ全体を交換する必要あったのに対し、LABでは故障した素子のみを交換すればよくなり、製造・保守のコスト低減が図られている[8]

また艦首下部(チン・アレイ)およびセイルには高周波の機雷探知用ソナーが装備されている[13]

情報処理装置

潜水艦情報処理装置としては、BYG-1が搭載された[8]。これはロサンゼルス級などの武器管制システムであるCCS Mk.1(Combat Control System)の後継機であるCCS Mk.2を更に発展させたシステムであり[14]、開発にあたってはBSY-2のソフトウェア資産が活用された[15]

電波・光波機器

本級は在来型の潜望鏡を廃止し、非貫通型潜望鏡であるBVS-1光学マストを2本搭載した[8]。これは伸縮式マストの先端にカラー/モノクロデジタルカメラや赤外線撮像機光波測距儀などを取り付けて、艦内のディスプレイで映像を表示するもので[10]、上記の通り艦内配置の制約を大きく緩和したほか、映像を複数人で同時に確認できるというメリットもある[2][8]

2017年9月には、コスト削減案の一つとして、光学マストの操作にマイクロソフト社製の民生用テレビゲーム機であるXbox 360のコントローラーを採用する計画がある事が報じられた[16]。現在の潜望鏡制御システムのコストは約3.8万USドル(約400万円)であるが、XBOXのコントローラを採用することによりコストが約1,000分の1の30-40ドルになり、また大柄で扱いにくいという声がある現在の制御システムに比べて、直感的に操作出来る事で訓練期間の短縮も可能であるとされる[17]

また電波探知装置(ESM)としてBLQ-10、レーダーとしてBPS-16を備えている[8]

武器システム

魚雷発射管

魚雷発射管室内の制御装置

艦首やや後方の両舷に、533mm魚雷発射管が各2門設置されている[10][18]。この魚雷発射管は、圧縮空気によって駆動されるポンプによって取り込んだ海水に圧力をかけて射出するという、空気タービン・ポンプ(Air Turbine Pump, ATP)方式を採用している[10]

魚雷搭載数は26本で、発射管の設置数ともども、ロサンゼルス級とほぼ同数となる[2]

ミサイル垂直発射装置

ブロックI・IIの艦では、ソナーの艦首アレイとセイルの間に12セルのVLSが配置され、トマホーク巡航ミサイルの運用に用いられる[10]。このVLSの搭載数もロサンゼルス級と同数である[2]

ブロックIIIでは、上記のようにソナーの艦首アレイが球形アレイからLABに変更され、艦首のスペースに余裕ができたことから、VLSに代わり2基のVPT(Virginia Payload Tube)が搭載された[8]。これは直径2.22メートルの統合型の発射筒で[10]、1,300–2,100 lb (590–950 kg)のペイロードを収容可能であり、標準的には、オハイオ級の一部を巡航ミサイル潜水艦(SSGN)に改造する際に採用されたMAC(Multiple All-up round canister)を搭載する[8]。オハイオ級SSGNではキャニスターの中心に1発、その周囲に円周状に6発の計7発のトマホークを搭載していたが、VPTでは中心部は整備点検用スペースとされ、キャニスター1基あたり6発を搭載する形態となるため、VPT 2基で12発と、ミサイル搭載数はブロックI・IIと同数となる[10]。また無人潜水機など、その他の装備の運用も構想されている[8]

さらにブロックVでは、セイル後方の船体を延長して長さ26mのモジュールを挿入し、ここにVPM(Virginia Payload Module)を搭載している[9]。VPMには大直径の垂直ペイロードチューブ4本が直列に並べられており、ここにもMACを搭載できる[19]。トマホークであればペイロードチューブ1本につき7発を収容できるため、VPTへの搭載分とあわせて40発を搭載することになる[9]。またペイロードチューブの直径の大きさを活かして、無人潜水機や、通常型即時攻撃(CPS)の搭載も想定されている[9]

2024年度に調達を開始する2隻のうち片方は、このミサイル発射管を一部転用し海底戦用の装備を組み込む「改良バージニア級海中・海底戦」(Mod VA SSW:Modified VIRGINIA Class Subsea and Seabed Warfare)構成になる。この艦は現在海底戦任務に就いているシーウルフ級3番艦「ジミー・カーター」の後継、または戦力増強のいずれかの目的で導入されるとみられている[20]

比較表

SSN各型の比較
バージニア級 シーウルフ級 ロサンゼルス級 リプスコム ナーワル
Block V - Block I - IV 準同型 1,2番艦 フライトII/III フライトI
船体 水上排水量 不明 7,568 t 7,460 t 6,255 t - 6,330 t 6,080 t - 6,165 t 5,813 t 4,450 t
水中排水量 10,400 t 7,800 t 12,139 t 9,150 t 7,102 t - 7,177 t 6,927 t - 7,012 t 6,480 t 5,350 t
全長 140,4 m 114.8 m 138 m 107.6 m 109.73 m 111 m 95.91 m
全幅 不明 10.4 m 12.2 m 10.1 m 9.8 m 11.46 m
吃水 不明 9.3 m 10.9 m 10.67 m 9.75 m 9.8m 不明 8.8 m
主機 機関 原子炉+蒸気タービン
方式 GT TE GT
原子炉 GE S9G WEC S6W GE S6G WEC S5W GE S5G
出力 40,000 shp 45,000 shp 30,000 shp 12,500 shp 17,000 shp
水中速力 不明 推定34 kt 25 kt 35 kt 31 kt 23 kt 25 kt
兵装 水雷 533mm魚雷発射管×4門 660mm魚雷発射管×8門 533mm魚雷発射管×4門
ミサイル VLS×40セル VLS×12セル VLS×12セル
同型艦数 推定38隻 28隻予定 1隻 2隻 31隻 31隻
(退役)
1隻
(退役)
1隻
(退役)
スタージョン級
タリビー スレッシャー級/
パーミット級
ハリバット トライトン スキップジャック級 スケート級 シーウルフ ノーチラス
長船体型 短船体型
船体 水上排水量 4,460 t 4,250 t 2,316 t 3,705 t 3,655 t 5,800 t 3,070 t 2,550 t 3,260 t 2,980 t
水中排水量 4,960 t[注 2] 4,780 t 2,607 t 4,311 t 5,000 t 7,900 t 3,500 t 2,848 t 4,110 t 3,520 t
全長 92.1 m[注 2] 89.1 m 83.2 m 84.9 m 106.7 m 136.5 m 76.7 m 81.6 m 102.9 m 97.5 m
全幅 9.7 m 7.2 m 9.7 m 8.8 m 11.3 m 9.6 m 7.6 m 8.4 m 8.5 m
吃水 9.1 m[注 2] 7.4 m 6.4m 7.7 m 8.5 m 7.2 m 7.7 m 6.3 m 6.7 m 7.9 m
主機 機関 原子炉+蒸気タービン
方式 GT TE GT
原子炉 WEC S5W CE S2C WEC S5W WEC S3W GE S4G WEC S5W WEC S3W GE S2G[注 3] WEC S2W
出力 15,000 shp 2,500shp 15,000 shp 7,300 shp 45,000 shp 15,000 shp 6,600 shp 15,000 shp
水中速力 25 kt[注 2] 25 kt 14.8 kt 28 kt 20 kt以上 27 kt 29 kt 18 kt 19 kt 23.3 kt
兵装 水雷 533mm魚雷発射管×4門 533mm魚雷発射管×6門
ミサイル レギュラス発射機×1基
同型艦数 9隻
(退役)
28隻
(退役)
1隻
(退役)
14隻
(退役)
1隻
(退役)
1隻
(退役)
6隻
(退役)
4隻
(退役)
1隻
(退役)
1隻
(退役)


同型艦

2020年代には冷戦期に大量建造されたロサンゼルス級の退役が続いていることから、本級も多数が建造されている[2]。ただし本級の建造ペースがロサンゼルス級の退役ペースに追いついていないため、建造ペースを上げるための施策が講じられているが、衰退著しいアメリカの造船業の状況を考えると実効性は不透明であり、今度もその動向を注視していく必要があると評されている[2]

ブロック 艦番号 艦名 建造所 起工 進水 就役 母港
I SSN-774 バージニア
USS Virginia
GDEB 2000年
9月2日
2003年
8月16日
2004年
10月23日
コネチカット州
ニューロンドン海軍潜水艦基地
SSN-775 テキサス
USS Texas
NNS 2003年
7月12日
2006年
4月9日
2006年
9月9日
ハワイ州
パールハーバー海軍基地英語版
SSN-776 ハワイ
USS Hawaii
GDEB 2004年
8月27日
2006年
6月17日
2007年
5月5日
SSN-777 ノースカロライナ
USS North Carolina
NNS 2004年
5月22日
2007年
4月21日
2008年
5月3日
II SSN-778 ニューハンプシャー
USS New Hampshire
GDEB 2007年
4月30日
2008年
2月21日
2008年
10月25日
コネチカット州
ニューロンドン海軍潜水艦基地
SSN-779 ニューメキシコ
USS New Mexico
NNS 2008年
4月12日
2009年
1月18日
2010年
3月27日
SSN-780 ミズーリ
USS Missouri
GDEB 2008年
9月27日
2009年
12月5日
2010年
7月31日
SSN-781 カリフォルニア
USS California
NNS 2009年
5月1日
2010年
11月14日
2011年
10月29日
SSN-782 ミシシッピ
USS Mississippi
GDEB 2010年
6月9日
2011年
10月13日
2012年
6月2日
ハワイ州
パールハーバー海軍基地
SSN-783 ミネソタ
USS Minnesota
NNS 2011年
5月20日
2012年
11月3日
2013年
9月7日
コネチカット州
ニューロンドン海軍潜水艦基地
III SSN-784 ノースダコタ
USS North Dakota
GDEB 2012年
5月11日
2013年
9月15日
2014年
10月25日
SSN-785 ジョン・ウォーナー
USS John Warner
NNS 2013年
3月16日
2014年
9月10日
2015年
8月1日
バージニア州
ノーフォーク海軍基地
SSN-786 イリノイ
USS Illinois
GDEB 2014年
6月2日
2015年
10月10日
2016年
10月29日
コネチカット州
ニューロンドン海軍潜水艦基地
SSN-787 ワシントン
USS Washington
NNS 2014年
11月22日
2016年
4月13日
2017年
10月7日
バージニア州
ノーフォーク海軍基地
SSN-788 コロラド
USS Colorado
GDEB 2015年
3月7日
2016年
12月29日
2018年
3月17日
コネチカット州
ニューロンドン海軍潜水艦基地
SSN-789 インディアナ
USS Indiana
NNS 2015年
5月16日
2017年
6月9日
2018年
9月29日
SSN-790 サウスダコタ
USS South Dakota[注 4]
GDEB 2016年
4月4日
2017年
10月14日
2019年
2月2日
SSN-791 デラウェア
USS Delaware
NNS 2016年
4月30日
2018年
12月17日
2020年
4月4日
IV SSN-792 バーモント
USS Vermont
GDEB 2017年
2月
2019年
3月29日
2020年
4月18日
SSN-793 オレゴン
USS Oregon
2017年
7月8日
2020年
6月25日
2022年
5月28日
SSN-794 モンタナ
USS Montana
NNS 2018年
5月16日
2021年
2月8日
2022年
6月25日
バージニア州
ノーフォーク海軍基地
SSN-795 ハイマン・G・リッコーヴァー
USS Hyman G. Rickover
GDEB 2018年
5月11日
2021年
8月26日
2023年
10月14日
コネチカット州
ニューロンドン海軍潜水艦基地
SSN-796[22] ニュージャージー
USS New Jersey[22]
NNS 2019年
3月25日[22]
2022年
4月14日[22]
2024年
9月14日[22]
バージニア州
ノーフォーク海軍基地[22]
SSN-797[23] アイオワ
USS Iowa[23]
GDEB 2019年
8月20日[23]
2023年
8月19日[23]
2025年
4月5日[24]
コネチカット州
ニューロンドン海軍潜水艦基地[24]
SSN-798[25] マサチューセッツ
USS Massachusetts[25]
NNS 2020年
12月11日[26]
2024年
2月23日[25]
SSN-799[27] アイダホ
USS Idaho[27]
GDEB 2020年
8月24日[27]
2024年
8月6日[28]
SSN-800 アーカンソー英語版
USS Arkansas
NNS 2022年
11月19日
2025年
7月2日[29]
SSN-801 ユタ英語版
USS Utah
GDEB 2021年
9月1日
V SSN-802 オクラホマ英語版
USS Oklahoma[注 5]
NNS 2023年
8月2日
SSN-803 アリゾナ英語版
USS Arizona
GDEB 2022年
12月7日
SSN-804 バーブ英語版
USS Barb
NNS
SSN-805 タング英語版
USS Tang
GDEB 2023年
8月17日
SSN-806 ワフー英語版
USS Wahoo
NNS
SSN-807 シルヴァーサイズ英語版
USS Silversides
SSN-808 ジョン・H・ドルトン英語版
USS John H. Dalton
GDEB
SSN-809 ロングアイランド英語版
USS Long Island
NNS
SSN-810 サンフランシスコ英語版
USS San Francisco
GDEB
SSN-811 マイアミ英語版
USS Miami
NNS
SSN-812 ボルチモア英語版
USS Baltimore[注 6]
GDEB
SSN-813 アトランタ英語版
USS Atlanta[注 6]
GDEB
VI SSN-814 ポトマック英語版
USS Potomac
SSN-815 ノーフォーク英語版
USS Norfolk
SSN-816 ブルックリン英語版
USS Brooklyn

オーストラリアのバージニア級導入に向けた動き

2023年3月9日オーストラリアがアメリカ・イギリスとの安全保障枠組み「AUKUS」の一環として、2030年代に最大5隻のバージニア級を購入する方針であると、ロイター通信が4人の米関係筋の情報として報道した[31][32]共同通信によるとインド太平洋で海洋進出を強める中国に対抗する狙いがあるとされ、2030年代前半に3隻のバージニア級を購入するとともに、更に2隻追加購入することも検討している[32]

2023年3月13日、アメリカのジョー・バイデン大統領、イギリスのリシ・スナク首相、オーストラリアのアンソニー・アルバニージー首相カリフォルニア州サンディエゴ海軍基地で会談し、オーストラリアの原子力潜水艦取得に向けた3段階の工程表を発表した[33][34]。その中で、第2段階として2030年代前半にオーストラリアがバージニア級を3隻購入し、同時に必要に応じて2隻を追加購入することが発表された[33][34]

2023年11月16日、アメリカ海軍でAUKUSプログラムを担当するリンカーン・ライフステック大佐は14日「オーストラリアの兵士だけでなく造船産業界の労働者にも原潜に慣れ親しんでもらおうと取り組んでおり、2030年代初頭までにオーストラリアの原潜受け入れ準備が整う予定で、2032年と2035年にバージニア級原潜のブロックIVを、2038年にブロックVIIを売却することになる。さらに2030年代後半にイギリスで建造されたAUKUS原潜が引き渡され、2040年代前半頃にオーストラリアで建造されたAUKUS原潜を受け取るだろう」と発表した[35]

登場作品

映画

ハンターキラー 潜航せよ
映画公開の時点で建造中であるUSSアーカンソーが主人公の乗艦として登場。実際には開発が中止になったASDSを搭載して作戦に投入される。

漫画

空母いぶき
尖閣諸島攻略戦を外部から黙視していた艦が中国人民解放軍海軍の「遠征103」の轟沈を確認している。

アニメ

ゴジラ S.P <シンギュラポイント>
バイオハザード: インフィニット ダークネス
第2話に一部改良を施した同型艦が登場。主人公のレオンら合衆国エージェントを上海市に潜入させるため、潜航艇を乗せてグアムの海軍基地から出航する。しかし中国領海内に入った後、艦内でバイオテロが発生して大勢の乗組員らが死亡。さらに自爆プログラムが作動し、レオンらが潜航艇で脱出した後、爆沈した。
魔法科高校の劣等生 星を呼ぶ少女
「ニューメキシコ」が登場。時代設定が2096年であり外観も装備も一新している。主な改装点は、全長が300mに拡大され垂直離着陸機の運用能力が付与されている。

脚注

注釈

  1. ^ 特殊部隊員の出撃・改修設備を備えたSSFN、指揮・統制および電子戦設備を備えたSSCN、機雷戦に対応して無人潜水機の運用に対応したSSMN、トマホーク巡航ミサイルを搭載したSSLN、戦域弾道ミサイルを搭載したSSTN、制海および海洋監視能力を重視したSSKN、そしてSSBNが検討された[4]
  2. ^ a b c d 6番艦は大規模オーバーホールと大規模改修により特殊任務艦に改装され、水中排水量7,800 t、全長122.4 m、喫水8.8 m、水中速力20 ktとなった。
  3. ^ 1960年以降WEC S2W
  4. ^ オハイオ級SSBN「メリーランド」と共に、将来の原潜に搭載する音響優位性(Acoustic Superiority)アップグレードが装備・試験されている。これには船体側面に付けられた大型垂直アレイソナー、特殊なコーティング、機械の静音化改良が含まれる[21]
  5. ^ ブロックVだがVPMを組み込んでいない
  6. ^ a b 2024年度に調達を開始するSSN-812と813のうち片方はMod VA SSWと呼ばれる構成になる[30]

出典

  1. ^ a b Friedman 2023, pp. 209–211.
  2. ^ a b c d e f g h 羽田 2025.
  3. ^ a b c Friedman 2023, pp. 211–214.
  4. ^ a b c d e f g h i Friedman 2023, pp. 217–220.
  5. ^ a b 大塚 2018, pp. 156–161.
  6. ^ 海人社 2018.
  7. ^ a b c Polmar 2013, pp. 73–76.
  8. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u Friedman 2023, pp. 220–224.
  9. ^ a b c d e f g h 岡部 2022.
  10. ^ a b c d e f g h i j k 多田 2013.
  11. ^ a b 阿部 2018.
  12. ^ Friedman 2023, pp. 215–217.
  13. ^ 河津 2008.
  14. ^ 大塚 2013.
  15. ^ Friedman 2023, pp. 118–120.
  16. ^ Schlosser 2017.
  17. ^ 海人社 2017.
  18. ^ Brown 2017.
  19. ^ Sam LaGrone (2024年8月6日). “Navy Awards $1.3B Long-Lead Contract for Virginia Block VI Boats Ahead of Anticipated Multi-Year Contract”. USNI News. https://news.usni.org/2024/08/06/navy-awards-1-3b-long-lead-contract-for-virginia-block-vi-boats-ahead-of-anticipated-multi-year-contract 
  20. ^ Rogoway 2023.
  21. ^ Eckstein 2016.
  22. ^ a b c d e f Ship Details - USS NEW JERSEY (SSN 796)”. アメリカ海軍. 2025年2月20日閲覧。
  23. ^ a b c d Ship Details - IOWA (SSN 797)”. アメリカ海軍 (2024年12月21日). 2025年2月21日閲覧。
  24. ^ a b 米ヴァージニア級攻撃原潜の話題”. 世界の艦船 (2025年5月21日). 2025年5月23日閲覧。
  25. ^ a b c 米攻撃原潜マサチューセッツが進水”. 世界の艦船 (2024年3月19日). 2025年2月21日閲覧。
  26. ^ 世界の艦船 2021.
  27. ^ a b c Ship Details - IDAHO (SSN 799)”. アメリカ海軍 (2023年5月8日). 2025年2月21日閲覧。
  28. ^ Sam LaGrone (2024年8月13日). “General Dynamics Electric Boat Launches Attack Boat Idaho”. usni.org. 2025年2月21日閲覧。
  29. ^ Will Xavier (2025年7月3日). “US Navy attack submarine Arkansas hits the water”. Baird Maritime. 2025年7月17日閲覧。
  30. ^ USNI News 2023.
  31. ^ ロイター 2023.
  32. ^ a b 共同通信社 2023.
  33. ^ a b 日本経済新聞 2023.
  34. ^ a b ニューズウィーク日本版 2023.
  35. ^ 豪州は2032年と2035年にバージニア級ブロックIV、2038年にブロックVIIを取得”. grandfleet.info (2023年11月15日). 2024年2月21日閲覧。

参考文献

関連項目

外部リンク


バージニア級原子力潜水艦

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/27 05:06 UTC 版)

ハンティントン・インガルス・インダストリーズ」の記事における「バージニア級原子力潜水艦」の解説

アメリカ海軍退役が進むロサンゼルス級原子力潜水艦置き換えのため、バージニア級原子力潜水艦の建造進めている。 HIIジェネラル・ダイナミクス・エレクトリック・ボート建造担当範囲について以下の合意結んでいる。 HII船尾区画居住区画、機械室魚雷発射管室、セイル船首区画担当する ジェネラル・ダイナミクス・エレクトリック・ボート機関室および指揮区画担当する 原子炉区画建造最終組立試験艤装引き渡し両者交互に行う

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