スケート級原子力潜水艦
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/08/30 01:13 UTC 版)
スケート級原子力潜水艦 | |
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USS Swordfish
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基本情報 | |
種別 | 攻撃型原子力潜水艦 |
命名基準 | 魚名 |
建造所 | |
運用者 | ![]() |
建造期間 | 1955年 - 1959年 |
就役期間 | 1957年 - 1989年 |
同型艦 | 4隻 |
建造数 | 4隻 |
前級 | グレイバック級 シーウルフ (SSN-575) |
次級 | バーベル級 |
要目 | |
基準排水量 | 2,550 トン |
水中排水量 | 2,848 トン |
全長 | 81.6 m (267 ft 9 in) |
最大幅 | 7.6 m (24 ft 11 in) |
吃水 | 6.3 m (20 ft 8 in) |
機関 | 原子力ギアード・タービン推進 |
原子炉 | WEC S3W加圧水型原子炉 1基(2番艦、4番艦はS4W) |
主機 |
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推進 | 4翼スクリュープロペラ×2軸 |
出力 | 6,600 shp |
最大速力 | 水上:15.5ノット (28.7 km/h) 水中:18ノット (33 km/h) |
潜航深度 | 213 m |
搭載能力 | 魚雷18本(艦首)、4本(艦尾) |
乗員 | 84名(士官8名、先任兵曹10名、下士官兵66名) |
兵装 | Mk 56 533mm水圧式魚雷発射管×6門 Mk 57スイムアウト式魚雷発射管×2門 |
FCS | Mk101水中射撃指揮装置 |
レーダー | SS-2 |
ソナー |
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その他 | 予備浮力 11.7 % |
スケート級原子力潜水艦(スケートきゅうげんしりょくせんすいかん、Skate class submarine)は、アメリカ海軍の攻撃型原子力潜水艦。ここでいうスケートとは、滑る方のスケートではなく、ガンギエイのことである。
概要
ノーチラスの成功を踏まえた、米海軍初の量産型原潜。本級の運用により、米海軍は、原潜および原潜艦隊の本格的運用という貴重な経験を手に入れた[1]。
1955年度および1956年度に2隻ずつが計画され、建造コストの軽減が目指された。基本的な設計ではノーチラスを継承するものの、ノーチラスより排水量を1000トン減じ、小型原子炉を採用したのである。しかし、機関本体の重量軽減はなしえたものの、放射線遮蔽装置まで「軽減」するわけにはゆかず、機関部全体の重量はノーチラスの40パーセント減にとどまった[1]。結果として、船型の変更が無かったこととあいまって、速力の低下と航続力の短縮を招いてしまい、小型原潜の不経済性を世界ではじめて立証することになった[1]。
本級の功績としては、北極海の氷海における原潜の行動能力を実証したことにある。北極点の潜航通過を果たしたのみだったノーチラスに対し、スケート(SSN-578 Skate)は、1958年8月、北極海で最初の本格的な作戦行動を実施し、開氷面に浮上[2]、翌1959年3月には、初めて冬季の北極圏における作戦行動を実施した。1962年7月には、スケートとシードラゴン(SSN-584 Seadragon)は北極圏で会合し、最初の氷海戦闘演習を実施した。
以上のように、技術的には目ぼしさを欠いたものの、運用面での獲得物において本級はなお意義深い。とはいえ、今日に直接的につながる新世代の潜水艦、すなわち設計当初から水中戦を志向した潜水艦の登場は、スキップジャック級を待たなければならない。
脚注
- ^ a b c 世界の艦船 2000: 102
- ^ 世界の艦船 2000: 103
参考文献
『世界の艦船』編集部、2000、「スケート級」、『アメリカ潜水艦史』増刊55集(567)、海人社 pp. 102-103
同型艦
艦籍番号 | 艦名 | 就役 | 退役 | 除籍 | 解体 |
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SSN-578 | スケート | 1957年 12月23日 |
1986年 9月12日 |
1986年 10月30日 |
1995年 3月6日 |
SSN-579 | ソードフィッシュ | 1958年 9月15日 |
1989年 6月2日 |
1989年 6月2日 |
1995年 9月11日 |
SSN-583 | サーゴ | 1958年 10月1日 |
1988年 2月26日 |
1988年 4月21日 |
1995年 4月5日 |
SSN-584 | シードラゴン | 1959年 9月5日 |
1983年 6月12日 |
1986年 4月30日 |
1995年 9月18日 |
関連項目
固有名詞の分類
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