S6G (原子炉)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/08 05:05 UTC 版)
型式名のS6Gは以下のような意味である。
- S = 潜水艦用
- 6 = 設計担当メーカにおける炉心設計の世代
- G = 設計担当メーカ(ゼネラル・エレクトリック)
S6Gはロサンゼルス級原子力潜水艦に搭載するためゼネラル・エレクトリックにより設計された。S6Gのプラントには冷却材や蒸気発生器、機関室に蒸気を供給する補機類が含まれる。機関室には発電用と推進用の蒸気タービンが置かれている[1]。S6Gは初期のD1D-2炉心で熱出力150MWt、2基の蒸気タービンにより1軸のスクリューシャフトを駆動し軸出力30000軸馬力を発揮し[2][3]。公開されている性能諸元[4]によれば、最高25ノット(46km/h)以上 を発揮することができる。
S6Gには個別に原型炉は建設されなかった。初期に装荷されたD1G-2炉心は、ノルズ原子力研究所ケッセルリンクサイト(ニューヨーク州ウエストミルトン)に設置されたD1G原型炉でテストされていたからである[2][3]。
ノルズ原子力研究所(KAPL)がS6Gの設計および運用のサポートを提供している[5]。 S6Gはもともとミサイル巡洋艦「ベインブリッジ」に搭載されているD2Gと同じD1G-2炉心(出力148MW)を使うよう設計されていたが、1980年代半ば以降のロサンゼルス級フライトⅡおよびⅢでは建造時からD2W炉心(出力165MW)を使用するようになった[2][3]。それ以前のD1G-2炉心を装荷した原子炉(ロサンゼルス級フライト1に搭載された原子炉)は、燃料交換時にD2W炉心に交換される計画であったが、キャンセルされ、フライトⅠ艦は早期退役がすすめられている[2][3]。
出典
- ^ “Nuclear Propulsion”. fas.org. 2025年6月25日閲覧。
- ^ a b c d Peter Lobner (2015年). “60 Years of Marine Nuclear Power: 1955 – 2015 Part 2: United States”. Lyceans.com. p. 49/280. 2017年4月18日閲覧。
- ^ a b c d “S6G”. globalsecurity. 2025年7月7日閲覧。
- ^ “Attack Submarines - SSN”. U.S.Navy. 2025年6月26日閲覧。
- ^ “KAPL: What We Do”. Knolls Atomic Power Laboratry. 2012年9月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年5月25日閲覧。 “We maintain, support and enhance the mission capability of LOS ANGELES Class Submarines, OHIO Class Ballistic Missile Submarines and VIRGINIA Class Submarines.”
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