トビズムカデとは? わかりやすく解説

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トビズムカデ

トビズムカデ Scolopendra subspinipes mutilans L.Koch 
形態
 代表種のトビズムカデは体長110~150mmで背面は暗い緑色頭部赤色、足は黄色21対あり、極めて毒々しい色彩形態を持つ。
被害
 見た目が非常に毒々しく咬まれる激痛があり、腫れる。ムカデの毒はハチ毒に似ていて、ヒスタミン様物質と溶血たんぱく質主体で、血球溶解作用をもつ(篠原1994)。
生態
 ムカデ類は、ヤスデ類似ているが、ヤスデが各体節に2対ずつ肢があるのに対しムカデには1対ずつの肢しかない点が異なる。また、行動ヤスデ比べてはるかに敏捷である。
 落葉の下、朽木の中、石垣隙間などに生息し昆虫小動物捕食する。トビズムカデの雌雄直接交尾せず、雌は雄から精子入った袋(精包)を受け取って受精嚢蓄え、夏に落ち葉洞窟の中などで約50個の卵を産む。母卵塊抱いて守りふ化後も幼体自分で餌を捕れるうになるまで数ヶ月保護し続ける。幼体3年体長約7cmの成体となり、その後脱皮繰り返して成長し寿命は6~7年である(篠原1994)。

鳶頭蜈蚣

読み方:トビズムカデ(tobizumukade)

オオムカデ科ムカデ

学名 Scolopendra subspinipes mutilans


鳶頭蜈蚣

読み方:トビズムカデ(tobizumukade)

ムカデ一種

季節

分類 動物


トビズムカデ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/09/07 23:25 UTC 版)

トビズムカデ
トビズムカデ
兵庫県神戸市
分類
: 動物界 Animalia
: 節足動物門 Arthropoda
: ムカデ綱(唇脚綱) Chilopoda
: オオムカデ目 Scolopendromorpha
: オオムカデ科 Scolopendridae
: オオムカデ属 Scolopendra
: トビズムカデ
S. mutilans L. Koch, 1878
学名
Scolopendra mutilans L. Koch, 1878
和名
トビズムカデ
トビズムカデ

トビズムカデ学名Scolopendra mutilans[1])は、オオムカデ目・オオムカデ科に属するムカデの一種。

形態と生態

この個体は頭部と脚部が朱色である。上記画像の個体とは胴部の色彩も若干異なる

体長が普通8~15cmで[2]、まれに20cm近くにもなり日本産ムカデの中では最大級。体色に個体ごとの変異が多く、赤い頭に黄色い足を持つ個体や、朱色の頭と足を持つ個体など、様々なものが存在する[要出典]

他のオオムカデ類と区分するには、体色(頭部と第1背板は鮮明な赤、残りの背板は暗緑色)・曳航肢の前腿節の棘の配置(腹面外側と内側それぞれ2本と1本、背面内側2本で終端の方は先端が二股状)・顎肢の基胸板の歯(左右各5本)・跗節棘(第1-20対の脚にある)などの同定形質を併せて識別できる[1]

北海道南部から沖縄にかけて生息し[2]から晩まで観察される[2]。暖地や屋内では一年を通して見ることもある。

他のオオムカデ類と同様、成体と同じ数の体節と脚を持って生まれる。通常は朽木や雑木林の落ち葉の中などやや湿り気のあるところに生息するが、肉食性なのでゴキブリバッタネズミなど小動物を捕食するため、住宅地でもゴキブリなどムカデの餌になるものが繁殖している人家では餌を求めて侵入することがある(ただし、住居内で産卵することはない)[要出典]。また、多くのオオムカデ類と同様、頑丈な顎肢には毒腺があり、それを刺すことで相手の体内に毒を注入することができる[2]

節足動物の中ではシミなどと並んで比較的長命ので、およそ5年から7年ほど生きる[要出典]

繁殖

繁殖期には雄が雌の住む場所に行き、雌と気があったのであれば雌を誘因物質で誘導し、精子の入った精筴を置き、雌はそれを尾部の生殖器で回収する。

雌は小さな巣穴で80個近くの卵を産む。卵は背に乗せ、地面に触れないように抱卵し、体を丸めて卵を守る。卵を絶えず舐め、カビが生えないように抱卵する。卵は、雌の抱卵行動がなければ孵化出来ない。また、刺激を与えられたり、天敵に襲われた際には、雌は抱卵行動を放棄し、卵を食べてしまう。

孵化した幼体は二回ほど脱皮したら、親元を離れ、独立生活をする。

近似種

似た種にアオズムカデアカズムカデがいる。亜種とされていたアオズムカデはこれらの中では比較的小型で、10cm以下の個体が多く、数も比較的少ない。

また、マレーシア産のマレージャイアントオオムカデ(をはじめとした東南アジア一帯には巨大な亜種がおり、体長が30cm近くにも達する。

中国では蜈蚣(ごこう)という漢方薬として使用される。アトピー性皮膚炎などの治療のほか、散剤として他の漢方薬に混合される。

人との関わり

顎肢には毒腺があるため、衛生害虫として問題視される[2]

本種は人の住環境、農地等にも生息・出没するため、人と遭遇することが多い。その結果、子供が興味本位で触れたり、就寝中の寝返りにより接触したり、外履きの中に侵入しており気付かずに履いた場合や農作業中に掴んだりした場合に人が咬まれることがある。毒はヒスタミンセロトニン等のアミン類、また血球溶解作用(溶血性)を有するタンパク質が主成分である。これを体内に注入されると、激しく痛む(ムカデ咬症)。咬傷時には、早急に医療機関診療を受けることが勧められる。

参考文献

  • 秋山智隆『毒虫の飼育・繁殖マニュアル』データハウス、2001年。

脚注

  1. ^ a b Chen, Shilin; Chen, Keli; Luo, Ying; Deng, Haiying; Zeng, Xiaoxuan; Liu, Yimei; Kang, Sihe (2017-11-22). “Taxonomy and Identification of the Genus Scolopendra in China Using Integrated Methods of External Morphology and Molecular Phylogenetics” (英語). Scientific Reports 7 (1): 1–14. doi:10.1038/s41598-017-15242-7. ISSN 2045-2322. https://www.nature.com/articles/s41598-017-15242-7. 
  2. ^ a b c d e トビズムカデ|キケンな虫の虫ケア図鑑”. www.earth.jp. アース製薬. 2022年12月10日閲覧。

トビズムカデ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/08 21:16 UTC 版)

ソウナンですか?」の記事における「トビズムカデ」の解説

Case.64で遭遇北海道南部から沖縄にかけて生息する日本最大級ムカデ作中ではむつが噛まれペットボトル穴を開けて作った即席のポイズンリムーバーで毒を吸い出されたが、非常に「恥ずかし思い」をする羽目になったちなみにムカデの毒は熱で失活するため、吸い出す他に4346度の熱めのお湯で洗う応急処置も有効である。

※この「トビズムカデ」の解説は、「ソウナンですか?」の解説の一部です。
「トビズムカデ」を含む「ソウナンですか?」の記事については、「ソウナンですか?」の概要を参照ください。


トビズムカデ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/10 20:25 UTC 版)

オオムカデ目」の記事における「トビズムカデ」の解説

胴は深緑色、頭は赤、肢は黄色体長8~15cm。ゴキブリバッタ等を食べる。本州最大ムカデ

※この「トビズムカデ」の解説は、「オオムカデ目」の解説の一部です。
「トビズムカデ」を含む「オオムカデ目」の記事については、「オオムカデ目」の概要を参照ください。

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