デッキタイプ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/01 21:53 UTC 版)
「マジック:ザ・ギャザリング」の記事における「デッキタイプ」の解説
マジックに限らずトレーディングカードゲームでは、様々な種類のカードを組み合わせて自分のデッキを構築するが、その「デッキの組み方の定石」というものがいくつか存在する。 マジックの大会では基本的に、これまで発売されてきたすべてのカードが使用できるわけではない。例えば最もポピュラーな形式である「スタンダード」では、概ね最近1~2年の間に発売されたカードのなかから自分のデッキを構築することになる。 どのプレイヤーも勝利を狙ってくる大会では、その時期ごとに確実に「流行り」のデッキタイプがいくつか存在するのが常であり、どういったデッキが流行しているかを見極め、対応策を組み込むことも、勝利のための重要な要素といえる。TCGの世界ではこれをメタゲームと呼ぶ。 そのルール下であまりにも強力なデッキタイプが存在する場合、そのデッキは「トップメタ」とされ、徹底的に対策が練られたり、ゲームバランスを崩すほど深刻な事態を呈している場合は特定のカードが大会において使用禁止になる場合もある。したがって、マジックにおいては絶対的な最強というものは存在し得ない。 以下に、代表的なデッキタイプの区分を示す。 ビートダウン(Beatdown/Aggro) クリーチャー・カードを中心に構成したデッキタイプ。クリーチャーによる直接攻撃で相手のライフを0にして勝つことを目的としている。 同じビートダウンの枠に入るデッキでも、小型クリーチャーを主体とした場合は「ウィニー(Weenie)」、赤の火力と緑の中型~大型クリーチャーを使う場合は「ステロイド(Steroid)」、中型のクリーチャーをある程度用意し、それを他のカードでサポートする「ミッドレンジ(Mid Range)」、小型クリーチャーに青の“打ち消し”呪文を加えた場合は「クロック・パーミッション(Clock Permission)」、エルフやゴブリンなど、特定のクリーチャータイプにテーマを絞って構成された場合は「部族 (Tribal)」、マナを出すクリーチャーや土地を高速で出す手段を多数組み込み、早いターンから超大型クリーチャーを呼び出す「マナランプ(Mana Ramp)」などと、主力をどこに置くかによって呼び分けられる。 デッキの構造がシンプルな場合が多く、力押しでゲームを進められることから、初心者でも使いやすいデッキタイプといえる。 コントロール(Control) すぐにライフを狙いにいくのではなく、相手の行動を阻害し、場を制圧することを重視するデッキタイプ。 全体的な傾向としては長期戦向けで、デッキの組み方から戦略のノウハウまで使い手の技量が要求される上級者向けのデッキといえる。 青の“打ち消し”呪文を多数使う「パーミッション(Permission)」や、全体除去で有利な場を作らせず、相手が疲弊した所で1体のクリーチャーで倒しにかかる「ヘビーコントロール(Heavy Control)」が主なパターン。また下記のロックもコントロールの一部と言える。 コンボ(Combo) 複数のカードを組み合わせた相乗効果で、相手を撃破したり手詰まりにさせることを目的にしたデッキタイプ。中には、1ターンキル(初手1ターン目で対戦相手を倒すこと)や0ターンキル(自分のターンが来る前に対戦相手を倒すこと)が可能なデッキもある。 ロック(Lock) コンボやコントロールから派生したデッキタイプ。相手プレイヤーの行動を禁止、制限するカードを中核としたデッキ。 青の“打ち消し”や白のダメージ軽減などで相手の動きを縛る物から、土地を破壊・タップ状態に制限する、手札に制限を与えるなどで相手のデッキを機能不全に陥らせる。 勝利手段も、相手のライフをゼロにするものだけではなく、デッキを全て消耗させるものや、特殊勝利条件カードを使うものなどバリエーションに富む。 バーン(Burn) 赤の直接ダメージを与えるカードを中心としたデッキタイプ。クリーチャーを一切投入しないノンクリーチャータイプも珍しくない。 性質上、攻撃一辺倒にも見えるが、デッキ構築から適切なクリーチャーの排除や火力配分など複雑な状況判断も必要になるプレイヤーの技量が問われるデッキでもある。 土地破壊(Land Destruction) マジックにおいて最も重要なカードである土地を除去することに狙いを定めたデッキタイプ。 上のロックと共通点が多い。序盤から土地を除去することで相手の行動を封じ、態勢を立て直すまでの間に一気に勝負を決めるデッキと、戦況が有利になったところで土地を除去し、相手の反撃を封じるデッキとの2タイプに分かれ、前者はポンザ(Ponza)、後者は中核となるカードの名前からゲドン(《ハルマゲドン》)、ワイルドファイアなどと呼ばれる。 手札破壊(Hand Disruption/Hypnotizer) 黒の相手の手札を捨てさせるカードを中心に組んだデッキタイプ。相手の行動を封じ、態勢を立て直すまでの間に一気に勝負を決める。 その性質上、特定のカードに依存するコンボやロックに対して強く、手札を積極的に使用するウィニーやバーンに対しては弱い。
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