ディズニーとコムキャスト間の入札合戦(2018年5月 - 7月)
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「ディズニーによる21世紀フォックスの買収」の記事における「ディズニーとコムキャスト間の入札合戦(2018年5月 - 7月)」の解説
2018年5月7日、ディズニーが提示するフォックス買収額を上回る融資を得るためにコムキャストが投資銀行と協議していることが報じられた。その後まもなくボブ・アイガーはフォックス買収を確実にするためにSky plcを契約から除外する意思があることを明かした。 フォックスの投資家の幾人かはコムキャストが全額現金で600億ドルの対抗買収案を実行した場合、ディズニーとの契約を打ち切る用意があると語った。マードックの家族信託は特別議決権付きで保有していた株式によりフォックスの39%を支配していたが、会社の条例では、マードックの信託が票の17%しか持っていなかった場合にはこれらの特権はディズニー=フォックスの契約に関する投票には適用されず、したがって翌月予定されている投票で他の株主から破られる可能性があると報じられた。同月後半、新フォックス社の担当はジェームズ・マードック(英語版)ではなくラクラン・マードックとなることが明らかとなった。 翌週、コムキャストはディズニーが提示するフォックス買収額に対抗することを発表した。その直後、ディズニーはコムキャストがオファーを出した場合、フォックスの資産に更なる買収額を検討していることを明かした。 翌日、ディズニーとフォックスは7月10日の株主投票会議の開催決定を発表したが、両者はコムキャストが提案を承認した場合にフォックスの会議は延期される可能性があるとも述べた。 6月12日、A&Tは地方判事のリチャード・J・レオン(英語版)によってタイム・ワーナー買収を承認され、政府の規制当局がフォックスへの入札を阻止するか否かについてのコムキャストの懸念は和らいだ。その結果を受けて翌日にコムキャストはフォックスの資産に対してディズニーを上回る650億ドルを提示した。 6月18日、ディズニーはコムキャストが提示したフォックスの買収額に対抗するために520億ドルに更に追加すると報じられた。 6月20日、ディズニーとフォックスは以前の合併契約を修正し、ディズニーは提示額を713億ドル(コムキャストの650億ドルに10%を上乗せ)に引き上げ、また株式の代わりに現金を受け取るオプションを株主に提示したことを発表した。6月21日、マードックはディズニーのより高額の条件に応え、「我々は21世紀フォックスで築いたビジネスを非常に誇りをもっており、ディズニーとのこのコンビネーションにより、新しいディズニーが業界のダイナミックな時代に歩調を合わせ続けることで株主に更なる利益をもたらすと確信している」と述べた。買収は株主による投票が必要であったので、この時点ではまだ他社の入札は防げなかった。 アイガーは入札の背後にある理由について、「消費者直接配給は我々が契約を発表してから6ヶ月でさらに説得力のある提案となった。その分野では途方もない量の開発があっただけでなく、明らかに消費者は大声で票を入れる」と説明した。 6月27日、司法省はフォックスの22地域のスポーツ・チャンネルを閉鎖から90日以内に売却することを条件にディズニーのフォックス買収を承認した。翌日、ディズニーとフォックスの取締役会は買収を決める株主の投票を2018年7月27日に設定した。 7月9日、フォックスの株主はHuluの財務予測が無いことを理由にディズニーによる買収中止を求める訴訟を起こした。同日、CNBCはコムキャストがフォックスの地域スポーツ局を引き継ぐことができる企業を探していると報じた。コムキャストは2018年7月27日までに新たな全額現金の対抗買収案を提示する準備をしており、株主はフォックスの資産買収に関するコムキャストの独占禁止法問題の懸念緩和を狙いがあると主張した。 7月12日、司法省はD.C.特別裁判所に控訴通知を提出し、AT&Tによるタイム・ワーナー買収に対する地方裁判所の承認を取り消した。アナリストは司法省が勝利する可能性が低いと見たが、「フォックス買収を狙うコムキャストの棺桶に最後の釘が打たれた。これは明らかにディズニーへの贈り物となる」と述べた。翌日、AT&TのCEOのランドール・スティーブンソン(英語版)はCNBCのインタビューに答え、コムキャストによるフォックス入札について、「それはおそらく助けにならない。2つの存在が資産に入札している状況にあり、この種のアクションは明らかにそれらのアクションの結果に影響を与える可能性がある」と述べた。 7月13日、ディズニーは世界で最も著名な代理顧問会社であるインスティテューショナル・シェアホルダー・サービシーズ(英語版)とグラス・ルイス(英語版)の協力を得た。フォックスの株主はディズニーの将来に備える手段として顧問会社から推薦された。 7月16日、CNBCはコムキャストがフォックス買収を巡る入札合戦をディズニーと継続する可能性が低いが、代わりにコムキャストは引き続いてSkyの61%の株式を狙う可能性が高いことを報じた。 7月19日、コムキャストはSkyへの入札に集中するためにフォックスへの入札から撤退することを正式に発表した。コムキャストのCEOのブライアン・L・ロバーツ(英語版)は「ボブ・アイガーとディズニーのチームを祝福し、マードック家とフォックスがこのように高評価されている会社を作り上げたことを賞賛したい」と語った。
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