テーマ・ストーリー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/08 23:25 UTC 版)
「仮面ライダーゼロワン」の記事における「テーマ・ストーリー」の解説
本作品はAIの影響を受ける様々な「仕事」の世界を各話の舞台とし、その環境下で生まれる悪と、AI企業の社長となった主人公との人工知能技術を巡る戦いを描く中で、仕事をする上で重要な「夢」と「情熱」の素晴らしさを子供たちに訴えていくことが、親世代には時代に取り残されないように、AIについて勉強することで二世代が楽しめるドラマになり得るように本作品では志向されており、第3話以降は「お仕事編」と位置づけられている。第1話では初変身を分かりやすく描く新ライダー紹介編として、第2話は3話以降のフォーマットとなる職業モノとなる予定であったが、そこに諫のキャラクターを絡めると上手くいかず、バルカンの登場を2話で描かなければいけなかったことから、1話では仮面ライダーとなり、2話で社長の仕事を能動的に行うことを描くため、或人の会社を社長編として紹介するなかで、警備員の仕事を紹介し、社長権限で許可・認証を意味するオーソライズという設定で変身するため、社長を肩書きだけでもやる必要があったため、後から社長というメンタルができていくという作りとなった。仕事に関しては、あらかじめ50話分の職業リストを作成し、第1クールは、AIに人の心がどう伝わるかなど、その回のテーマに合うものを選んでおり、お仕事勝負編ではヒューマギアと人間の対決を描く中で、本作品で描かれる仕事のバリエーションが幅広いものであるということと、対決が盛り上がるものが選ばれている。 『人造人間キカイダー』や『大鉄人17』のような「ロボットもの」という古くて新しいテーマのジャンルを令和ならではの「ロボット」テーマとして、ロボットが存在する世界としては初の試みである「社会にロボットが浸透している世界」「日常的にロボットが使われている世界」として会社が商品として人工知能搭載人型ロボットを提供して、人間がその力を借りながら生活を送るという、クローズドされた実験都市が舞台となった。 AIという近代的なテクノロジーを扱ったSF作品であるが、「人っぽいもの」を作ろうとしているAIは突き詰めれば、「人とは何か?」というところに行き着くため、ちゃんと「人の心」を描くべきという考えに至り、SF作品として人間の心を描くためにAIをギミックとして使い、人間の心とAI搭載人型ロボという軸を融合させ、結果として人間臭い心の話になると思われると脚本の高橋悠也は語っており、プロデューサーの大森敬仁は、職業を絡めていく中で人間の仕事とAIの仕事の違いとして、それに何のメリットがあるのかを「できる」「できない」の部分である種の可愛らしさを含めた発展途上の状態からAIを描くと語っている。 序盤は平成仮面ライダーシリーズを観ていなかった視聴者でも入りやすいよう、人間の或人が主人公で、人間の駆逐を願う敵のヒューマギアの滅亡迅雷というノーマルな「仮面ライダー」の構図で、途中からでもわかりやすい1話完結形式となっているが、物語の進行に合わせて連続ストーリーも多くなっていく。そして、最終的に逆転した構図でヒューマギア側からの視点にも立たせることでいずれにも軸足を置いてもドラマが成立するようになっている。4話以降は、脚本の高橋が『仮面ライダー 令和 ザ・ファースト・ジェネレーション』に参加していた時期でもあり、シリーズ構成に影響が出ないように第4話で設定面を掘り下げるため、デイブレイク周辺のエピソードで話を一度うねらせてから、高橋が戻ってきた際に本来のシリーズ構成の進行に支障が出ないように元通りにした形となった。そして、物語の5分の3の中でお仕事を描き、職業のアプローチの手段として或人と垓の「お仕事勝負」を13話に渡って展開し、そこから人間とヒューマギアの話や、主要登場人物の周囲の人間関係など縦軸に関する種を蒔き、お仕事勝負が終わった第30話以降で回収して人物像を深堀りするものとなった。ただし、第39話以降は当初夏に予定されていた本作品の劇場版や次作『仮面ライダーセイバー』の撮影の進行などが決まっている中で残り何話で終了するかが見えていたことから、当初は全51話の予定だったが、休止が長引いたことで全41話で終了する可能性もあったといい、第41話で台本作業を完全に止められたものの、劇場版を冬に延期させて、追加することとなった最終4話はそれまでのものと独立して考えられたものとなったため、伏線を最後に向けて蒔くような感じができなかったという。45本にエピソードが短縮されたことで、或人とA.I.M.S.、滅亡迅雷.netが団結してアークを倒すという過程がバッサリとなくなり、或人と滅の2人を描けた部分は多かったものの、他の登場人物については少し急ぎ足になったという。 以前、脚本の高橋が担当した『仮面ライダーエグゼイド』は、医療というシビアな話の中で無理矢理お笑いを入れて構築していたが、本作品では喜怒哀楽に溢れた作品になっていると語っている。
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