スカード王国
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/01 12:23 UTC 版)
ブルーク スカード王国の国王。正妃エリザとの間にナシェル、妾妃ナターシャとの間にリィーナをもうける。聡明な名君と評されていた。 悪性の咽頭腫瘍により数年に迫った自分の余命、リィーナを第三王子アロンドの嫁にすべしというヴェノンからの圧力、ナシェルを想うリィーナへの親心、自身を凌駕する傑出した王子の将来に思い悩み、ついに古代魔法王国時代に封印された魔神軍団の復活と支配を試みる。 もしヴェノンと戦いになった場合、麦酒の誓いによるドワーフとの共闘やハイランドからの援軍は確実であるため勝利はスカードにあったとナシェルは確信していたが、それらなしで単純にヴェノンとスカードだけの戦いとなれば大国と小国の実力差によりスカードに勝利はなかったとも判断している。 ブルークもナシェルと同じように判断していたが、聡明な名君であったが故にありとあらゆる事態を想定することができ、万が一にもドワーフやハイランドの協力なしでヴェノンと戦うことになった場合には勝ち目がないという最悪の事態に陥った場合への有効な対処法を見出せないことで精神的に追い詰められてしまっていた。 そして女好きであるがためにナターシャの本性を見抜けず、魔神戦争を引き起こした最大の元凶として、その悪名を後世に残す破目となった。 リィーナ ナシェルの異母妹。「月の姫」と呼ばれる美姫。「太陽の王子」と呼ばれる兄ナシェルに対し、出生(妾の子)に対する劣等感と、それとは裏腹な強い思慕を抱く。 父ブルーク王により魔神復活の生贄に選ばれ、兄妹であるがゆえにナシェルへの思いを遂げられない無念から自らの意思でそれを受け入れる、彼女を生贄にした事でブルーク王の企ては崩壊する。実はリィーナは、母である妾妃ナターシャがブルーク以外の男との淫蕩の果てに身篭った不義の子であったためである。皮肉なことに、血統的には完全な他人となるナシェルとリィーナは結ばれることも不可能ではなかったが、その事実をリィーナが知ることはなかった。 ブルーク王による魔神解放の儀式は完璧であったが、肝心の魔神解放のために扉として奉げられたリィーナが不義の子という不完全な扉となったためブルーク王は魔神達を支配化におくことはできなかった。 エリザ スカード王妃。元々はハイランド王女で、ハイランド国主催の剣術大会で二位になった(優勝したのはマイセン)王子時代のブルークに惚れ込んだ先代ハイランド王によって縁付いた。 初期設定ではナシェル生誕直後に死んだことになっていたが、後にナシェルの妹リィーナが生まれた後も暫く健在であったことに設定変更された。 ブルークの女好きにも嫉妬を見せず、逆にナターシャの娘であるリィーナを味方につけてブルークとナターシャを抑え込むなど有能な人間揃いのハイランド王族らしい英明な人物であった。 ナターシャ ブルークの側室で元旅芸人一座の踊り子。 家格、人品、頭脳、人望すべてで勝るエリザが生きている間は大人しくしていたが、その本性は嫉妬深い上に欲深く、陰湿かつ狡猾で淫乱。エリザの死を契機に自制の箍が外れて横暴贅沢のし放題を始め、虐めの標的にした侍女を自殺に追い込み、挙句には不倫をブルークに知られる等の失点を重ね続けた為、ブルークとタトゥスに毒殺された。 リィーナの母であるが、自身の不倫によって産んだ子であったため、魔神戦争へ至る最後の引き金を引いた存在と言える。 ヒューロ スカード王国宰相。特に秀でた才能は無い凡庸な人物であるが、誠実に王に尽くし、ブルーク王が魔神を率いてスカードを占領すると、ブルーク王の下に参じる。 後に魔神が占領したリュッセンの統治を任されるが、最後はナシェルに跪いた瞬間に魔神に殺される。 サイラス スカード王国騎士団長。騎士団長として相応の優れた腕前であるが、実戦経験はない。 性格的に剣技より女性を愛し、金や地位より名誉を重んじるため、スカードがヴェノンに吸収された時に愛する女性と共に国を捨て、以後も魔神との戦いには参加しなかった。 タトゥス スカード宮廷付きの薬草師。薬草の知識ではウォートも一目置くほど博識で経験も豊富。幼少の頃からナシェルの世話をしている。スカードを去るナシェルに同行し、傷の癒えぬフレーベの面倒をみる。魔神戦争後、ナシェルの妻ラフィニアに付き従いヴァリス国のファーンの領地で暮らす。タトゥスの作る飲み薬の薬効は極めて高いが、反面、患者が薬に過度に頼ることを戒めるためにその味は極めて不味い。 ブルーク王の狂気を止められなかった事を深く悔やみ、彼の一門は後々まで自らその罪を業として背負い続ける。
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