コンピューティング・プラットフォーム
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「Rosetta@home」の記事における「コンピューティング・プラットフォーム」の解説
「Category:分散コンピューティングプロジェクト」も参照 Rosetta@home アプリケーションと BOINC 分散コンピューティングプラットフォームは、Windows、Linux、macOS の各 OS で利用可能である。 BOINC は、FreeBSD のような他のオペレーティングシステムでも動作する。Rosetta@homeに参加するには、クロック速度500MHz以上の中央処理装置(CPU)、200メガバイトの空きディスク容量、512メガバイトの物理メモリ、インターネット接続が必要である。2017年10月3日現在、Rosetta Miniアプリケーションの現在のバージョンは3.78である。現在の推奨BOINCプログラムバージョンは7.6.22である。ユーザーの BOINC クライアントとワシントン大学の Rosetta@home サーバー間の通信には標準ハイパーテキスト転送プロトコル (HTTP) (ポート80) が使用され、パスワード交換時には HTTPS (ポート443)が使用される。BOINC クライアントのリモートおよびローカル制御ではポート 31416 とポート 1043 を使用しているが、これらはファイアウォールの内側にある場合は特にブロック解除を要する可能性がある。個々のタンパク質のデータを含むワークユニット (英語版) は、ワシントン大学のBaker研究室にあるサーバーからボランティアのコンピュータに配信され、割り当てられたタンパク質の構造予測を計算する。与えられたタンパク質の構造予測の重複を避けるために、各ワークユニットはランダムなシード番号 (英語版) で初期化される。これにより、各予測は、タンパク質のエネルギー地形に沿って下降するユニークな軌跡を得ることができる。Rosetta@home からのタンパク質構造予測は、与えられたタンパク質のエネルギーランドスケープにおけるグローバルな最小値の近似値である。このグローバルな最小値は、タンパク質の最もエネルギー的に有利なコンフォメーション、すなわちネイティブな状態 (英語版) を表す。 Rosetta@home グラフィカル・ユーザー・インターフェース(GUI)の主な機能は、シミュレーションされたタンパク質の折り畳みプロセス中の現在のワークユニットの進行状況を表示するスクリーンセーバーである。スクリーンセーバーには次が表示される: タンパク質の構造(左上) ターゲットとなるタンパク質が、最も低いエネルギーの構造を求めて様々な形状(コンフォーメーション)に変化している様子 (中央上) 最近の構造 (右上) 現在の最も低いエネルギーの構造 (その下) すでに決定されている場合は真の構造 グラフ(中央) 受け入れられたモデルの熱力学的自由エネルギーのグラフ (右端) 受け入れたモデルとネイティブモデルの構造的な類似性を示す、受け入れたモデルの平均二乗偏差(RMSD) (英語版) のグラフ (その下) 受け入れられたモデルのエネルギーグラフの右側とRMSDグラフの下には、これら2つの関数の結果を用いて、モデルの改良が進むにつれて、エネルギー対RMSDのプロット 他のBOINCプロジェクトと同様に、Rosetta@homeは、ホストOSのアカウントにログインする前に、アイドル状態のコンピュータの電力を使って、ユーザのコンピュータのバックグラウンドで実行される。プログラムは、他のアプリケーションが必要とする CPU からリソースを解放し、通常のコンピュータの使用に影響を与えない。多くのプログラム設定は、ユーザーアカウントの環境設定を介して指定することができる。プログラムが使用できる CPU リソースの最大割合(持続的な容量で実行されているコンピュータの消費電力や発熱を制御するため)、プログラムを実行できる 1 日の時間帯、その他多くの設定がある[要出典]。 Rosetta@home ネットワーク上で動作するソフトウェアである Rosetta は、Fortran で書かれたオリジナルバージョンよりも開発が容易になるように C++ で書き直された。この新バージョンはオブジェクト指向で、2008年2月8日にリリースされた。ロゼッタコードの開発はロゼッタコモンズによって行われている。このソフトウェアはアカデミックコミュニティに自由にライセンスされており、製薬会社には有償で提供されている。
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