エーリヒが授かった権能
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/13 20:30 UTC 版)
「TRPGプレイヤーが異世界で最強ビルドを目指す 〜ヘンダーソン氏の福音を〜」の記事における「エーリヒが授かった権能」の解説
本項では更待 朔がエーリヒに転生する際に“未来仏”から授かった権能について解説する。 この世界において、知性体が持つ様々な能力は数値的な「パラメータ」として示される。具体的には「基礎ステータス」である〈膂力〉や〈耐久力〉など、上達しない「特性」である〈神童〉や〈生粋の貴族〉など、後天的に習得し上達する「技能/スキル」である〈木工彫刻〉〈聞き耳〉などである。しかし本来これらは全て「隠しパラメータ」であり、この世界の知性体は自身のパラメータを識ることはできない。また、これらを「成長」させるには通常、何某かの行動や学習を行う必要があるが、これは行動や学習によって「熟練度」(ゲームで一般に「経験値」と呼ばれるポイント)を獲得し、行動や学習の内容に応じたステータスやスキルに熟練度が自動で割り振られ、それらが一定値まで蓄積すると「レベルアップ」するシステムになっている。 エーリヒの場合、自分自身のものに限られるが「自身を構成する全てのパラメータ」を見る能力と、行動や学習によって得た熟練度が「自動で割り振られず」蓄積され、「彼自身の意思で任意のときに任意のパラメータに割り振ることができる」能力を与えられている。これらの権能に、エーリヒはTRPGのキャラクター構築システムとの相似性を見出している。具体的には「雑草を抜き」続けた場合、通常であれば雑草を抜くために必要な基礎ステータスや技能が自動で上がり続け、その他のパラメータに影響することはない。だがエーリヒの場合、雑草を抜き続けても関連するパラメータに熟練度が割り振られることなく蓄積され続けるだけである。この「雑草を抜き続けて蓄積された熟練度」をエーリヒは任意のパラメータに割り振ることができ、例えば剣技に関するスキルに割り振ることで「雑草を抜き続けることで剣術が上達」でき、例えば歌唱に関するスキルに割り振ることで「雑草を抜き続けることで歌が上手く」なれる。僅かな光で暗闇を見通せるようになる〈猫の目〉特性を後天的に取得すれば「雑草を抜き続けることで夜目が利くようになる」ことまで可能である。ただし関連するパラメータに熟練度が割り振られないため、無駄のない効率的な熟練度の割り振りが可能な反面、歪で不自然な成長を遂げることになる。また一度割り振った熟練度を「割り振りなおす」ことはできず、やり直しがきかないため、無計画な熟練度の割り振りは中途半端な器用貧乏キャラになる危険を孕んでいる。エーリヒは前世で経験したTRPGから、自身がそう言った中途半端なキャラになる可能性を十分に認識しており、一時の衝動に駆られることもあるが、基本的にはある程度の計画性を持って慎重に熟練度を割り振り、この世界における「最強ビルド」を目指している。この権能は原則として、エーリヒが権能に意識を向けることで「見えるようになる」が、パラメータのロックが解除されるなどの重要な変化が起きた場合、意識せずとも「視界の隅に通知がポップアップされる」描写があるなど、コンシューマゲームにも似たインターフェイスを持っている。また、各パラメータを上昇させるのに必要な熟練度は「二桁違う」等具体的な数値で示されているらしき描写があるが、それらの数値は読者には提示されない。 これらのパラメータは視覚的に「円柱」として表現され、基礎ステータスを示す円柱を中心に、そこから派生する特性やスキルを示す円柱が周囲に林立する形となっている。これらのパラメータは十数年かけても全てを確認できないほど多彩であるため、検索機能が付いている。また簡易的な説明文も付記されており、未取得であってもある程度の内容を知ることはできる。パラメータの中には「現時点では取得できない」ようロックがかけられたものもあり、ロック解除にはパラメータごとに決められた前提条件が必要となる。異種族の特性や〈生粋の貴族〉のようにヒト種で農民生まれのエーリヒには完全にロック解除・取得不可能なものや、特定のパラメータ上昇により解除されるもの、ある種の「決意を固め」たり「考え方が変わっ」たりすることで解除されるもの、他者からの干渉によって解除されるもの、など前提条件は様々である。また、特性の中には取得できても「効果を発揮する期間」や「効果を得られる条件」が限定されているものもある。ただし、これらのパラメータが実際の行動にどの程度の影響を与えているのかを示す具体的な数式は不明であり、エーリヒはパラメータの説明文などから各パラメータの組み合わせによって高い相乗効果が期待できる「コンボゲー」の趣を見出している。 基礎ステータスは、〈肉体〉カテゴリに属する〈膂力〉〈耐久力〉〈免疫力〉〈持久力〉〈瞬発力〉〈器用〉〈思考力〉〈記憶力〉〈魔力貯蔵量〉〈瞬間魔力量〉の計10個。うち〈思考力〉は思考の速さと合理性、〈魔力貯蔵量〉は魔力を貯め込める「タンク」の最大容量、〈瞬間魔力量〉は魔力を出力する「蛇口」の大きさを意味する。また〈魔力貯蔵量〉と〈瞬間魔力量〉は、魔力資質に開眼するとステータス表示にも「開眼」と追記される。〈肉体〉カテゴリの周辺には〈精神〉〈教養〉〈体術〉〈感覚〉〈社交〉などの基礎カテゴリが配置され、更にその周辺に無数の職業カテゴリが配置されている。特性や技能は原則として、これらのカテゴリの下位に位置している。なお、これらのパラメータに(エーリヒのように不自然に)熟練度を割り振り能力を成長させても、本人の人格や意思への影響はない。 各パラメータには「評価値」(いわゆる「レベル」)によってどの程度の能力かが示される。評価値は種族の平均値を基準に算出され、スケールIからスケールIXまでの9段階で示される。ただしそれらの評価値はあくまで能力が種族全体でどの位置にあるかの相対的な目安であり、能力そのものは割り振られた熟練度に基づいてシームレスに変化する。パラメータによってスケール毎に数値でない名称が決められており、肉体的な基礎ステータスの評価値はスケールIから順に〈虚弱〉〈貧弱〉〈貧小〉〈平均〉〈佳良〉〈精良〉〈優等〉〈最良〉〈寵児〉、肉体を使うスキルは同じく〈手習〉〈初心〉〈基礎〉〈熟練〉〈熟達〉〈円熟〉〈妙技〉〈達人〉〈神域〉、となっている。
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