エージェントとしての活動とは? わかりやすく解説

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エージェントとしての活動

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/08 01:05 UTC 版)

川合貞吉」の記事における「エージェントとしての活動」の解説

2000年アメリカで成立した日本帝国政府情報公開法に基づき2007年アメリカ国立公文書記録管理局機密解除した資料によって、川合GHQ参謀第2部G2)のエージェントとなっていたことが明らかになった。この文書発掘解読した加藤哲郎によると、その内容以下の通りである。 チャールズ・ウィロビー率いG2および民間情報局CIS)は、日本ゾルゲ事件調査おこない中国革命好意的なジャーナリスト告発する赤狩り一環としてアグネス・スメドレーゾルゲとの関係を探っていた。川合対すCIS内偵1947年9月には始まっていた。1949年2月10日アメリカ陸軍省はウィロビーが指揮した調査に基づくゾルゲ事件報告書「ウィロビー報告」を発表しこの中でスメドレー関係者として記述したが、直後スメドレーからの抗議により、「手違い」として2月27日報告書陸軍長官により撤回となる。スメドレーからの抗議があった直後2月16日CIS文書課であったポール・ラッシュ中佐により、川合尋問受けた。そこで、川合上海時代スメドレーゾルゲ諜報メンバーであった証言した。この尋問最後にラッシュ川合とともに一枚の写真収まったが、これは尋問受けた証拠として川合の「寝返り」を防ぐことが目的であったCIS川合証言価値認め保護下に置くことを決める。川合警護米軍日本の警察担当することとなり、警視総監田中栄一面会を受けるが、その際川合は「伊藤律共産党の裏切り者で、尾崎絞首刑責任があり、自分伊藤破滅のために働きたい」と述べたその後尋問でも川合は「尾崎ゾルゲ事件真相究明会」や日本共産党の「内情」を、伊藤おとしめる形で伝えた上、ゾルゲ事件利用した共産党攪乱工作まで提案したCIS共産党情報伝えたことに対して1万円報酬支給した後、1949年4月には川合に月2回の報告義務づけ、報酬として2万円とタバコ支給することを決定し川合エージェントとなった川合こうした行動出た背景として、「尾崎ゾルゲ事件真相究明会」に対して共産党冷淡な態度示したことへの不満、スメドレーについての証言だけでは米軍対す価値低くなるという危惧があった点を加藤記している。 しかし、アメリカ本格的に日本共産党への工作開始し、さらにコミンフォルム批判によって共産党分裂状態陥ると、G2にとって川合利用価値はほとんどなくなり、ただスメドレー追及使えるというだけの存在となっていた。このため1950年2月には報酬1万円引き下げられるが、スメドレー1950年5月急死1951年9月川合への報酬打ち切られた。この時期川合は、米軍厚木基地CIAに対して中国について講師務めていたとされる川合受け取っていた報酬2万円は、1949年当時大卒初任給の6倍以上という金額であったが、加藤はラストロボフ事件志位正二当初アメリカ、後にソビエト連邦エージェント)のケース比較して破格VIP待遇ではなく、いわば凡庸な平均的スパイ報酬」と述べている。 前記とも関係するが、1953年出版した自伝『ある革命家回想』について、事実との相違多数指摘されているほか、ゾルゲ事件摘発後に川合供述により検挙された「中共諜報事件」について、供述特別高等警察作為沿った虚偽で、関係者冤罪であったとされている。 川合の「証言」に依存する形で松本清張尾崎秀樹によって広められた「ゾルゲ事件検挙端緒は、当局スパイである伊藤律供述」という説は、川合伊藤松本没後渡部富哉捜査・裁判資料洗い直しなどによって成り立たないことを示し、さらに川合証言米軍情報機関エージェントとして伊藤誣告する意図持っていたと確認されたことで、根拠を完全に失った松本清張が「伊藤律スパイ説」を記した『日本の黒い霧』について、発行元文藝春秋伊藤遺族渡部らの抗議を受け、2013年松本記述訂正する注釈入れることとなった

※この「エージェントとしての活動」の解説は、「川合貞吉」の解説の一部です。
「エージェントとしての活動」を含む「川合貞吉」の記事については、「川合貞吉」の概要を参照ください。

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