エンボッシング・モールス電信機とは? わかりやすく解説

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エンボッシング・モールス電信機〈ペリー将来/米国製〉

主名称: エンボッシング・モールス電信機〈ペリー将来米国製〉
指定番号 87
枝番 0
指定年月日 1997.06.30(平成9.06.30)
国宝重文区分 重要文化財
部門種別 歴史資料
ト書
員数 2台
時代区分 欧米 19世紀
年代
検索年代
解説文: 安政元年一八五四)、江戸幕府との条約調印交渉のため再来日した米国遣日使節ペリーが、大統領フィルモアから将軍への贈品のひとつとして持参したモールス電信機である。
 モールス電信は、米国モース発明した有線電信方式で、遠隔地間に置かれ送信機受信機電線で結び、送信機キー(モールスキー)を打鍵することによって、回路閉じ電磁石はたらいて受信機レジスター)の部品長短信号記録し通信を行うものである米国でも一八四四年に実用化されたばかり最先端技術であった
 本機銘板から、ニューヨークブロードウェイJ・Wノートン社製であることが知られる信号長短を、電磁石の力で針を紙テープ押しつけ突起をつけて記録することからエンボッシング式と呼ばれる。モールスキー、レジスター信号増幅のためのリレー継電器)といった機器類と、紙テープ巻き取るためのリール配線用の端子一枚基盤配置している。このほかにリール駆動するための重錘バッテリーおよび電線付属していたが、これらはすでに失われている。通常の製品では、これらの機器類は別々の基盤取り付けられ相互に配線されるが、本機贈答用いられ特注品であるため、装飾性の高い基盤に、バッテリー除いて部品一体に取り付け基盤の裏配線行っている。モールスキーのノブ配線用の端子なども、通常品黒色ゴムエボナイト用いるが、本機では象牙用いて高級感出しており、機器類のデザイン面にも配慮みられる
 本機は、開国交渉にあたって欧米諸国先進性を示す効果的な贈品として重視されたようで、嘉永七年二月横浜行われた通信実験については、日米双方とも詳しい記録残されている。ペリー帰国後、幕府江川英龍らに命じて電信機はじめとする機械類研究させたが、電信機操作習得困難だったようである。その後蕃書調所移管されて研究図られたが、明治維新によって新政府接収した東京帝国大学経て明治四十三年一九一〇)の逓信博物館発足にともない、同館の所蔵品となった昭和四十一年以後逓信総合博物館管理公開行っている。
 このように本機わが国電気通信発達原点となる資料であるとともに開国交渉の際にもたらされ贈答品ひとつとして近代外交史上にも意義が深い。
 木箱二合は、電信機二台を分解してそれぞれ収納するためのもので、に“For the Emperor of Japan”と記され銘板があり、これが当時将軍贈呈される意図をもって製作されたことが明らかである。本機由緒物語資料として附とし、保存図ろうとするものである
重要文化財のほかの用語一覧
歴史資料:  アジア航海図  アジア航海図  エレキテル  エンボッシング・モールス電信機  ジョサイア・コンドル建築図面  スタンホープ印刷機  スチームハンマー


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