エレベーターズ後のキャリア
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「13thフロア・エレベーターズ」の記事における「エレベーターズ後のキャリア」の解説
ロッキー・エリクソンはマリファナの所持容疑で逮捕された後にドラッグ使用による精神錯乱を認められ、1969年に精神病院へと入院した。オールミュージックのJason Ackenyによると、この時の3年半にわたる入院期間において彼が受けた仕打ちは、その後の彼のさらなる精神的トラブルに影響を及ぼした可能性もあるという。この時点でもう既にバンドは形をなくしていたが、地元のプロモーターやインターナショナル・アーティスツはバンドの名前を利用するためにいくつかの策を企てた。エリクソンは1973年に退院するとソロ活動を開始し、クリーデンス・クリアウォーター・リバイバルのスチュ・クックをアルバムのプロデュースに迎えるなどして成功を収めたが、マネジメント側から精神的な不安定さに付け込まれて、作品に何の権利も行使できず何の利益も得られないという契約を結んでしまっていた。80年代には精神病に苦しみ、公衆の面前から姿を消していたが、90年代に入ると次第に音楽活動を再開しだした。特に、ZZトップ、ジーザス・アンド・メリー・チェイン、R.E.M.などエレベーターズやロッキー・エリクソンから影響を受けたミュージシャン達によるWhere The Pyramid Meets The Eyeというトリビュート・アルバムが発表された時などが顕著であった。エリクソンは1995年、バットホール・サーファーズのキング・コフィのレーベル「トランス・シンジケート」からアルバムAll That May Do My Rhymeを発表した。コフィによると、エリクソンが自分の音楽から印税を得たのはこれが初めてであったという。2001年までにエリクソンの兄弟であるサムナーが彼を保護する権利を得て、エリクソンがより良い心理的治療を受けて健康を取り戻すための援助のほか、法律チームと連携しながら過去の複雑な契約のしがらみからエリクソンを解放し、正当な印税を彼が受け取れるようにするという。そして2005年、I Have Always Been Here Beforeと題されたコンピレーションアルバムが発売された。エレベーターズ以降のエリクソンのキャリアの楽曲43曲が収められているこのアルバムでは、エリクソンはしっかりと印税を受け取ることができたという。また2000年代以降はかつてのバックバンド「エクスプロージブス」との活動も開始した。レギュラーのギグを行なっており、いくつものフェスティバルにも出演している。2019年5月31日、テキサス州オースティンにて死去。 ステイシー・サザーランドは自身のバンド「アイス」を結成しヒューストンで活動していたが、レコードは1枚もリリースされなかった。1969年、彼はヘロイン中毒に苦しんだ後にドラッグ使用の罪でテキサスの刑務所に服役した。数年間にわたるドラッグ関連トラブルの集大成とも言える事態であった。刑務所を出た後、今度は酒に溺れるようになった。70年代を通じて彼は散発的に音楽を演奏しており、時にはエレベーターズの元メンバーたちと共演することもあった。そして1978年8月26日、サザーランドは妻のバニーによって射殺され生涯を閉じた。夫婦喧嘩の最中の事故であった。 ダニー・ガリンドは70年代、ジミー・ヴォーン(スティーヴィー・レイ・ヴォーンの兄)のバンド「ストーム」でベースを演奏していた。彼は2001年にC型肝炎の合併症で死亡した。 ダニー・トーマスは1968年にエレベーターズを離れ、デルタ・ブルース・ギタリストのライトニン・ホプキンスに雇われて演奏した。その後テキサスを離れてノースカロライナへと戻りいくつかのバンドで演奏しているが、この間に病院に勤務した後デリバリー会社を立ち上げた。彼はシャーロットに住み、結婚して1男2女をもうけた。 ベニー・サーマンは、パウエル・セント・ジョンのマザー・アースをはじめとしたいくつかのバンドでプレイした後、70年代も音楽活動を続けた。 トミー・ホールは現在サンフランシスコのダウンタウンに居住している。 80年代、彼はテキサスのアウトサイダーミュージシャンであるジャンデックの正体ではないかと噂されたが、これは後に誤りであったと判明している。また彼は70年代にサイエントロジーの熱心な信者となった。 エレベーターズのトリビュートバンドはいくつか存在する。例えばエレベーターズのドラムと同名のジョン・アイク・ウォルトンが率いる「ジョン・アイク・ウォルトン・リバイバル」(以前はトミー・ホール・スケジュールとして知られていた)、アリス・ローズのメンバーが結成した「アシッド・トゥーム」など。ロッキー・エリクソンの末弟サムナーは、自身のバンド「テキセントリックス」でエレベーターズの曲を数多くカバーしている。
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