アメリカ合衆国でのファントムの漫画単行本
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/03/11 04:19 UTC 版)
「ザ・ファントム」の記事における「アメリカ合衆国でのファントムの漫画単行本」の解説
アメリカ合衆国において、『ザ・ファントム』は何年にもわたって出版社を変えながら出版されてきた。1940年代、この新聞漫画の単行本はデビッド・マッケイ・パブリケーション(英語版)のエース・コミック(英語版)というレーベルから出版された。1950年代に入ってからはハーベイ・コミック(英語版)がファントムの単行本を発行し、1962年からはゴールドキー・コミックがその後を継いだが、1966年からはキング・コミックに出版元が変更された。1969年から1977年までチャールトン・コミック(英語版)が全73話分を出版した。 この時代にファントムの作画を務めた漫画家にen:Bill Lignante、ドン・ニュートン(英語版)、ジム・アパロ(英語版)、Pat Boyetteらがいる。 1988年から1990年にかけてDCコミックスはファントムの漫画を出してきた。まず1988年5月から8月にかけて、ピーター・デイビッド脚本/ジョー・オーランド(英語版)&Dennis Janke作画の組み合わせでミニシリーズが発刊された。そのあと、1989年3月から90年3月までの1年間、マーク・ヴァーヘイデン (脚本)、Luke McDonnell(作画)の二人によるファントムのミニシリーズが全13話分発行された 。このバージョンのファントムは人種差別や有毒物質の不法投棄、飢餓や今日の海賊に立ち向かっていった。ライターであるヴァーヘイデンは、漫画本の売り上げの下降と著作権上のトラブルを理由に打ち切られたと語っている 。なお、このミニシリーズの最終回のラストはファントムとダイアナが結ばれるという場面になっている。 1987年、マーベル・コミックは、スタン・リーが手掛けたテレビアニメen:Defenders of the Earthを題材とした全4話のミニシリーズを発行した。1995年2月から4月にかけて出版されたミニシリーズ The Phantom: The Ghost Who Walks(デヴィッド・デブリース脚本、Glenn Lumsden作画)では、ハイテク装備で敵に立ち向かう22代目ファントムが登場した。 同年5月から8月にかけて発行された全4話のミニシリーズはテレビアニメ en:Phantom 2040が基になっており、スパイダーマンの生みの親の一人として有名なスティーブ・ディッコがペンシラーを務めた。また、ディッコのほかにもスパイダーマンに携わった人物として知られるジョン・ロミータ・シニアもこの漫画の制作に参加した。 このバージョンの22代目ファントムは、Phantom 2040のファントムのアイテムと似た物を使うが、そこまで技術的に進歩したものは使っていない。たとえば、Phantom 2040のファントムの用いる腕時計型の装置には人工知能が搭載されているが、マーベル版22代目ファントムが用いる同様の装置は、洗練されていながらも現代における手のひらサイズのコンピュータと大差ないものとなっている。 2002年初からムーンストーン・ブックス(英語版)はザ・ファントムのグラフィックノベルを出版した。ライターはトム・デファルコ, ベン・ラーブ、Ron Goulartの3名で、全5巻が出版された。2003年、ムーンストーンはザ・ファントムの漫画本のシリーズを出版した。この時のライターはミニシリーズに携わったラーブのほかに Rafael Nievesとチャック・ディクソンも務めており、作画は パット・クイン, Jerry DeCaire, Nick Derington, リック・バーチェット、 EricJが担当した 11話分が発行したのち、 マイク・ブロック(英語版)がライターとしてラーブらのあとを継ぎ、Gabriel RearteとCarlos Magno が作画を務めることになったが、2007年からはSilvestre Szilagyi が作画を担当することになった。ブロックの担当しているバージョンは実際のアフリカ紛争を題材としていることが多く、2007年に発行された全3部のシリーズ "Invisible Children"では、ジョゼフ・コニーをモデルとした"Him"と呼ばれる部族軍長との戦いを描いている。 2009年、ムーンストーンは初代ファントムのオリジンを描いた作品The Phantom: Ghost Who Walksを再発行した。1930年代のリー・フォーク&レイ・ムーアのバージョンに近い、暗い作風ながらも、気骨に満ち、より現実的なストーリーにすることがこの漫画を制作するにあたっての最終目標と定められた。また、ファントムの装備も現代的なものになったことに加え、登場人物の数も増え、ファントムが対決する敵も現代的テロリストや臓器密売組織、ソマリア人海賊といった現実に近いものとなった。 2010年、ダイナマイト・エンタテインメント(英語版)はen:The Last Phantom(スコット・ビーティ脚本、Eduardo Ferigato作画、アレックス・ロス表紙)という漫画本のシリーズを発売し、高い売り上げを目指した 。この漫画は21番目のファントムの設定を一新しており、慈善団体 Walkabout Foundationの代表を務めるキット・ウォーカーが家族の伝統から外れ、家族が殺害されたことをきっかけに再びファントムとなる様子が描いている。
※この「アメリカ合衆国でのファントムの漫画単行本」の解説は、「ザ・ファントム」の解説の一部です。
「アメリカ合衆国でのファントムの漫画単行本」を含む「ザ・ファントム」の記事については、「ザ・ファントム」の概要を参照ください。
- アメリカ合衆国でのファントムの漫画単行本のページへのリンク