よねかわのみずかぶりとは? わかりやすく解説

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米川の水かぶり

名称: 米川の水かぶり
ふりがな よねかわのみずかぶり
種別1: 風俗習慣
保護団体名: 米川の水かぶり保存会
指定年月日 2000.12.27(平成12.12.27)
都道府県(列記): 宮城県
市区町村(列記): 登米市米川
代表都道府県 宮城県
備考 2月初午
解説文: 東和町宮城県北部位置し、北は岩手県藤沢町と境を接す北上川左岸地域である。旧河原【おいのかわら】鱒渕【ますぶち】の二か明治二十二年(一八八九)に合併して米川村となり、さらに昭和三十二年(一九五七)に近接する米谷町日高村合併して東和町となった。この旧米川村中心地河原であり、近世には登米郡から本吉【もとよし】郡へ通じ西郡【にしこおり】街道宿駅であった河原本町中町五日町からなっており、本行事は五日町行われている。
 「米川の水かぶり」は二月初午の日に行われる五日町町内在住若者厄年の者が集まって行われる行事で、厄払い要素併せもっている。この行事には、五日町町内在住の男以外が参加したり、初午の日以外にする火事起きるとか、宿を変えてならないという伝承があり、宿は代々五日町地内菅原家決まっている。初午の日の朝、参加者が宿の菅原家集まって装束作り始める。宿ではオカメヒョットコ衣装や面を保管しており、装束作るのに使う糯種【もちしゅ】の稲藁用意しておくことになっている
 宿に集まった参加者たちは、行事着用する装束作る装束オシメといわれる、腰や上半身にまとう状のものと、その他アタマという頭に被る大きな【つと】状のものであるアタマは、一束作り先端には細工したさまざまな飾りつけられているが、この飾り個々人異なり一様ではない。には頭から落ちないように、頸のところで押さえるための輪状ものを作る装束ができあがると、参加者たちはパンツだけになり、その上にオシメをつけ、足に草鞋を履き、顔には鍋墨塗って誰だかわからないようにして、その上からアタマを被る。こうして、準備が終わるころに二人一組の「役の者」が、町内家々回って祝儀集めるために宿を出発する。「役の者」は、宿に集まってきた者の中から選ぶことになっているが、宿の家の者は「役の者」をつとめてならない決まりになっている。「役の者」の一人墨染めの僧衣まとってヒョットコの面を被りもう一人女物衣装オカメ面を被るオカメ担いだ手桶中に祝儀受け取り行事後で行うカサコシと呼ばれる酒宴費用充てる
 水かぶり行列先頭には、先端幣束へいそく】をつけたボンデン持った還暦の者が立つ。このボンデンは宿が準備することになっており、初午前に鎮守八幡神社宮司幣束切ってもらい、竹に取り付けて作る。これは行事が終わると、オミョウジンサマ呼んでいる宿のウジガミ納められる。
 装束を身につけた参加者たちは、宿から大慈寺だいじじ】に向かい境内祀られている秋葉権現社【あきばごんげんしゃ】にお参りした後、用意されていた本堂屋根にかけて寺を出発する。寺を出ると五日町南端から北に向かう。町並みを、両側の家がそれぞれ用意しておいたを、屋根にかけながら走って町の北側に向かう。こうして中町本町通って町の北はずれに出ると、出の中腹にある八幡神社参拝し、さらに向かい側の山に祀られている若草神社にも参拝する若草神社から降りてくると、帰り二俣川堤防沿った家々まわって宿にひきあげる。水かぶり一行通りかかる町内人びと争って装束引き抜き、これを屋根の上に載せておく。こうする火伏せになるとか魔除けになるとかいわれている。参加者は、宿にひきあげると風呂入ってカサコシに参加する以前風呂入らず、宿の裏側を流れている二俣川入って禊ぎをしたという。カサコシもずっと宿で行っていたが、平成年ころ集会所ができてからは、そちらでするようになった
 米川では、初午の日は水かぶり一行通り過ぎるまでは、色のついたもの食べることが禁じられており、これを破ると火早くなるといわれ、火災発生しやすくなるといわれている。
 本行事は、初午の日に行われる火伏せ行事であるが、同時に参加者異装をして正体わからないようにして現れるなど、小正月異形異装来訪者行事要素併せもっているまた、町内在住者以外の男性参加認めない水かぶり一行が家の前を通り過ぎるまで、色のついたもの食べないという禁忌厳格に守られている。宮城県北部における初午火伏せ行事中でも代表的なものであり、地域的特色みられるのである



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