別所温泉の岳の幟行事とは? わかりやすく解説

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別所温泉の岳の幟行事

名称: 別所温泉の岳の幟行事
ふりがな べっしょおんせんのたけののぼりぎょうじ
種別1: 風俗習慣
保護団体名: 岳の幟保存会
選択年月日 1997.12.04(平成9.12.04)
都道府県(列記): 長野県
市区町村(列記): 上田市別所温泉
代表都道府県 長野県
備考 所在地同一都道府県内にあるもの(このデータ種別1から移行しています)
解説文: 別所温泉は、上田市西方塩田平【しおだだいら】の西にそびえる夫神【おがみ】岳(標高一、二五〇メートル東麓温泉町である。塩田平雨量少な地方で、たびたび旱魃苦しめられてきた。夫神岳山頂には水神九頭竜権現【くずりゆうごんげん】が祀られており、岳の幟という雨乞い行事が行われる。この行事は、別所温泉大湯【おおゆ】・院内いんない】・上手【わぜ】・分去わかされ】の四地区一年交代当番になって実施している。岳の幟行事は、永正元年一五〇四)の夏の旱魃契機始まった伝えており、昔は旧暦六月十五日に行われていたが、現在は七月十五日に近い日曜日実施されている。
 前日天王おろしといって牛頭天王別所神社から安楽寺入口御旅所遷座する。本来、岳の幟祇園祭り別の行事であったが、昭和九年に祭日の近い両者同日実施して一つ行事として行うようになった
 当日夜明け前、四地区のうち、当番地区人びとが、夫神岳反物持って登り夜明け九頭竜権現社御神酒とともに供えて雨乞い祈願をする。途中でのついた竹竿先に反物を結びつけて幟を作り一人一本の幟を担いで下山し、幟の数は数十本になる。幟には浴衣地布団地などのさまざまな反物用い、これで着物布団作ると、無病息災暮らせるという。
 午前八時ころ、別所温泉の町入口到着すると、石湯(共同浴場近く待ち受けた来年当番地区の人たちが幟を引き継ぎ出迎え獅子舞ささら踊り路上で踊られる。
 獅子舞は雄獅子二頭と雌一頭登場する三匹獅子で、「道行き」「ふり込み」「まい込み」「まいの部」「かじり」「岡崎」「ほねなし」という七つ演目分かれる。まい込み田植獅子とも呼ばれ、かじりでは雄獅子二頭が雌獅子めぐって争う所作をする。ほねなしだけは別所神社だけで踊る演目である。獅子タッツケをはいて手甲をつけ、足袋ワラジを履く。腰に太鼓をつけて、両手バチを持つ。囃子は笛と太鼓である。笛の人数はとくに決まりはないが、太鼓シメ(締)二人打ち手二人である。
 ささら踊りでは、小学校高学年少女三〇人ほどが、太鼓と笛の囃子ささら踊りの唄に合わせて踊る。「ご門の脇」の唄で輪になり、「まわれまわれまわれきて」でささらを摺りながら踊る。「羽をやすめろ」で膝をつきささらを頭上回し、「パッとたちそろ」で立ち上がるささら踊り踊り子唄い手は、浴衣浅黄色の襷を掛け黄色手甲脚絆をつけ、背に幣をつけ、花笠を被る。ささらは摺りざさらで、柄に紙の房をつける。
 獅子舞ささら踊りは本来は祇園祭り演じられる芸能であった
 幟の行列町中練り歩き共同浴場大湯相染閣の前で獅子舞ささら踊り披露する途中御旅所寄って牛頭天王神輿先頭別所神社に向かう。別所神社当番地区の人たちに幟が引き渡され社殿横に立てかけられる。ここで獅子舞ささら踊り奉納されて、岳の幟行事終了する
 この岳の幟行事豊作を祈る地域社会雨乞い行事として今なお行われており、疫病除け祇園祭り融合した地域的特色のある行事として貴重である。



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