別聚符宣抄
主名称: | 別聚符宣抄 |
指定番号: | 2504 |
枝番: | 00 |
指定年月日: | 1998.06.30(平成10.06.30) |
国宝重文区分: | 重要文化財 |
部門・種別: | 書跡・典籍 |
ト書: | |
員数: | 1冊 |
時代区分: | 鎌倉 |
年代: | |
検索年代: | |
解説文: | 『別聚符宣抄』は、延喜二年(九〇二)から天禄二年(九七一)までの六九年間に執行された官符や宣旨など一三三通の文書を内容別に類聚し収録したものであり、延喜以降の朝廷諸制度を知るうえでの基本史料である。 本書は首尾を欠いて、書名を明らかにしないが、『類聚符宣抄』と類似する体裁であることから、『別聚符宣抄』の名称が付された。広橋家旧蔵になる現存一帖の残欠本であり、その巻数、編者、成立年代などは不詳である。 現状の体裁は上下綴を糸で仮綴した冊子装で、各葉の下隅に焼損がある。本来は粘葉装で、料紙に楮紙打紙を用いている。料紙の途中に紙継目があり、巻子本用の料紙を転用したものかと考えられる。押界(界高二三・七センチメートル、界幅一・八センチメートル)があり、半葉九行、行二〇字前後に書写する。全文ほぼ一筆であるが、少々墨書校異もみられる。 記載中には「或本入雑田部」「又在太政官部」や「皇太子事」「厨家雑事」などとあり、部目名や項目のいくつかが知られる。列記された官符や宣旨などから、儀式、国司の任官・交替、大嘗会、交易進上絹、暦・天文などに関する分類がうかがわれる。所収文書中には大幅な節略のある文書もあるが、多くは他にみられない文書である。 本書は、わが国の朝廷諸制度、法制史研究上に価値が高く、また、その書風から鎌倉時代中期の書写になると認められ、他に伝本のない写本として貴重である。 |
別聚符宣抄
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/05/09 10:22 UTC 版)
別聚符宣抄(べっしゅうふせんしょう)は、延喜2年(902年)から天禄2年(971年)の間に発給された太政官符・宣旨を収録した法令集。
本書は、広橋家旧蔵本(東洋文庫旧蔵岩崎文庫本)が唯一の伝本であり、表紙等を欠く枯葉本である。故に、内外題・奥書も伝わっていないため、本来の書名は不明である。以前は『符宣抄 別巻』と題されていたこともあったが、新訂増補国史大系本刊行の際、編者黒板勝美によって、この題目が附された。また、編者・成立年代は、本書伝来の事情や、史料的不足により明らかではないが、長元2年(1029年)以前の成立と考えられている。
『符宣抄 別巻』と題されたこともあったせいか、『類聚符宣抄』との関連、例えば、『類聚符宣抄』の別本とも考えられなくもないが、収録される太政官符・宣旨のなかに、『類聚符宣抄』には収録されないものもあるため、独自に編集されたものと考えられている。その編纂は、『類聚三代格』や『類聚符宣抄』と同じく、各文書を部目別に収録する体裁が採られているが、その類聚に不完全な箇所もあり、おそらく未完のままであったと思われる。
刊本は、新訂増補国史大系本(第27巻)のみ。
研究文献
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