前十五番歌合とは? わかりやすく解説

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前十五番歌合(彩牋)

主名称: 前十五番歌合(彩牋)
指定番号 2534
枝番 00
指定年月日 2004.06.08(平成16.06.08)
国宝重文区分 重要文化財
部門種別 書跡・典籍
ト書
員数 1巻
時代区分 鎌倉
年代
検索年代
解説文:  『十五番歌合』は、古来歌仙三〇名の優れた和歌一首ずつを左右に結番した歌合形式秀歌撰である。撰者については、『後拾遺和歌集』序に大納言藤原公任きんとう】(九六六~一〇四一)が三十六歌仙を撰んだことを記し次に「十あまり五つがひの歌を合せて世にたへたり」と記していることから公任撰といわれ、寛弘五年(一〇〇八)前後成立考えられている。
 歌人三〇名の歌各一首組み合わせて十五番の歌合仕立てたものが、同じころに二種撰集されている。入撰歌人の時代古新に従って、「前十五番歌合」「後十五番歌合」と呼んで区別している。
 『前十五番歌合』は、一番に『古今和歌集撰者紀貫之凡河内躬恒二番素性伊勢並べ十五番に『万葉集』柿本人麻呂山部赤人番えている。公任の個人的な評価基準によって撰ばれたもので、公任の和歌対す見識歌合形式によって範を示したものとみられる
 『前十五番歌合』の伝本には、伝藤原公任筆で国宝の『十五番歌合(彩牋)』(尊経閣文庫一巻がある。平安時代古筆で八首のみの残欠である。この一連のものに『十五番歌合断簡』(二番重文藤田美術館蔵六番重文、瀬津巌)がある。尊経閣文庫本以外にも、宮内庁書陵部蔵本水戸彰考館本、松平文庫本島原公民館)、内閣文庫本(国立公文書館)、群書類従本などが伝存するが、多く近世写本である。
 本巻体裁巻子装。料紙には折枝文様花菱文様紅葉文様波文様の四種類の文様雲母引【きらび】きした上に、金銀砂子、切箔、野毛状に散らす装飾料紙用いられている。裏にも銀箔散がみえ、華麗な料紙認められる流布本との相違は、十一番十二番入れ違い十一番左の傅殿母上と右の帥殿母上作者名が記載されていないところである。本巻はその美麗料紙によって古筆切として尊重されたためか、八番第五句目と九番歌の一紙一〇紙目)が切り取られて、その部分近世装飾料紙によって補われている。
 本巻は、光厳天皇一三一三六四)の宸筆しんぴつ】と伝えられるもので、また本巻の僚巻である別置御物本『後十五番歌合』も光厳天皇宸筆伝えられている。両巻とも同筆で、おおらか優雅な筆致による書風は、書写奥書がないものの宸翰にふさわしいものである御物本から分かれてきたと想定されるが、伝来は全く不明である。
 『前十五番歌合』の完本として貴重であり、典雅な料紙に、おおらかな筆致認められ優美な書風からみて、鎌倉時代後期宮廷調度手本として制作されたものと思われる
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書跡・典籍:  別山祖智墨蹟  別異弘願性戒鈔  別聚符宣抄  前十五番歌合  前右衛門佐源経仲歌合  剣門妙深墨蹟  劉子

前十五番歌合

読み方:サキノジュウゴバンウタアワセ(sakinojuugoban’utaawase)

分野 和歌集

年代 平安中期

作者 藤原公任〔撰〕



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