『ユーロープ』誌編集長とは? わかりやすく解説

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『ユーロープ』誌編集長

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/14 14:53 UTC 版)

ジャン・ゲーノ」の記事における「『ユーロープ』誌編集長」の解説

1920年文学アグレガシオン一級教員資格)を取得ドゥエーオー=ド=フランス地域圏ノール県)、次いでリール高等学校リセ)で教鞭執りリール高校では文科受験準備級を創設した1916年4月27日にモントリュー(オード県生まれ歴史アグレガシオン取得したジャンヌ・モーレルと結婚1922年2月23日第一子ルイーズ生まれたジャンヌ英仏・伊仏翻訳家で、ニコラ・サッコバルトロメオ・ヴァンゼッティサッコ・ヴァンゼッティ事件)の書簡翻訳知られるが、この翻訳書刊行翌年53歳病死した。 ゲーノは、「精神貴族階級擁護機会均等原則両立させること」を彼自身教育理念とし、1927年から名門リセのラカナル校(パリ南郊)、アンリ四世校およびルイ=ルグラン校(いずれもパリ5区)で教鞭を執った。教職傍ら著作活動取りかかり、『パリ評論』、『グラン・ルヴュー(大評論)』、『新フランス評論 (NRF)』に寄稿し1929年から36年まで、作家ロマン・ロランによって1923年創刊され文芸誌ユーロープ欧州)』の編集長務めた。『ユーロープ』誌は、ロマン・ロランの「精神独立」の理念に基づく平和主義雑誌であり、1920年代には第一次大戦後欧州再建に関する議論の場であったまた、アクション・フランセーズなどの右派極右勢力ナチスによるドイツ制覇連動して民衆扇動し国会前で共和制打倒暴動起こした事件1934年2月6日の危機)を受けて反ファシズム知識人監視委員会結成されたとき、この最初議論の場となったのもゲーノが編集長務める『ユーロープ』誌であった。だが、こうした経緯から、同誌はやがて共産党に「乗っ取られる」ことになり、ゲーノは編集長辞任した彼もまた反ファシズム知識人監視委員会会員であったが、彼は(共産主義そのものではなく当時共産党政策に対して批判的であり、とりわけソ連共産主義に対して当初から公に立場表明しないことで意見一致見ていた同委員会指導者のなかで、1936年8月始まったモスクワ裁判スターリン大粛清に対して最初に記事書いたのがゲーノであった。だが、それ以上に、彼はロマン・ロラン同様にいかなる政党に対しても「精神独立」を断固として守っていた。これは、ロマン・ロランの『ユーロープ』誌創刊意図においても同様であり、彼は創刊前年アインシュタイン宛ての手紙で、同誌を「超党派の、むしろ政治とは無関係の」文学科学芸術・哲学思想表現する場として「自由な思想真に国際的な思想雑誌」と定義しアインシュタイン寄稿要請している。そしてゲーノが辞任するまでは、『ユーロープ』誌はまさにこのような様々な分野自由な思想表現の場であった。なお、『ユーロープ』誌に掲載されたゲーノの主な記事は、妻アニー・ゲーノ(フランス語版)が編纂し1979年に『過去と未来の間で』と題して刊行された。序文歴史学者のパスカル・オリー(フランス語版)が書いている。 1935年11月8日金曜日作家アンドレ・シャンソン、アンドレ・ヴィオリス(フランス語版とともに左派知識人および労働者週刊新聞ヴァンドルディ (金曜日)』を創刊した。この新聞ロマン・ロランの「抵抗精神」を受け継ぐ新聞として人民戦線機関紙であり、したがって1938年人民戦線崩壊とともに廃刊となった人民戦線ロマン・ロラン生誕70年にあたる1936年1月結成されたが、彼は1月24日付の『ヴァンドルディ』紙に人民戦線支持する不可分の平和のために」と題する記事発表している。編集長ジャーナリストルイ=マルタン・ショフィエ(フランス語版)、主な寄稿者は、創刊者、ロマン・ロランのほか、アランエミール=オーギュスト・シャルティエ)、ルイ・アラゴンアンドレ・ジッドジャン・カスーエマニュエル・ボーヴ、ウジェーヌ・ダビ(フランス語版)、ルイ・ギユー(フランス語版)、ロジェ・マルタン・デュ・ガールシャルル=フェルディナン・ラミュジュリアン・バンダジャック・マリタンジャン・ジオノ、アンドレ・ヴュルムセル(フランス語版)、イレーヌ・ジョリオ=キュリーフレデリック・ジョリオ=キュリーらである。

※この「『ユーロープ』誌編集長」の解説は、「ジャン・ゲーノ」の解説の一部です。
「『ユーロープ』誌編集長」を含む「ジャン・ゲーノ」の記事については、「ジャン・ゲーノ」の概要を参照ください。

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