《木通》の正しい読み方
「木通」の正しい読み方
「木通」は一般的には、「あけび」と読む。植物の名前を指す言葉であり、読みは当て字。「木」と「通」にはいずれも「あけび」に当たる読みはなく、「木通」という熟語にした時のみ「あけび」と読める熟字訓である。また、「もくつう」という読み方も、決して間違いではない。「あけび」と同じ植物を指す言葉としての読みであるが、主に木通のツルを原材料として作った漢方を指す場合に、「もくつう」を使用する。「木通」の意味解説
「木通」とは、アケビ属に分類される植物のことである。秋になると紫色の実を付けるが、その実は秋の味覚として大勢の人に親しまれている。茎がツル状になっているのが特徴であり、他の木に絡みつく形で成長していく。場合によっては、人工物にツルを絡ませて成長することもある。そして、ツルは細長く、耐久性が高いため、編み籠の材料として使用される他、解熱や利尿作用のある漢方の材料としても用いられる。なぜ「木通」と読むのか・理由
植物であるあけびの実は、熟すと開いて中の種子を露わにするという性質がある。そのことから、「開け実(あけみ)」という呼び名が付いた。その「あけみ」が訛る形で、「あけび」となった。そして、中国から入って来た「木通」という名前に、「あけび」の読みが当てられた形である。「木通」の類語・用例・例文
「木通」の類語としては、「通草」が挙げられる。「木通」と同様に「あけび」と読める言葉で、「つうそう」という読み方もある。植物の「あけび」を指す場合、木通と通草のどちらを使用しても問題はない。また、その他にも「山女」や「丁翁」といった言葉があるが、いずれも読みは「あけび」であり、同じ植物を指す。「山女」に関しては、魚の「ヤマメ」と混同する場合があるため、使用する際には注意が必要である。「あけび」を指す、「木通」を始めとした様々な言葉は、基本的に植物の名前として使用する。例文にすると「私の家の裏には大量の木通が生えている」「このような甘い山女の実はこれまで食べたことがない」「籠を編むために、丁翁のツルを購入してこようと思う」といった形だ。また、「彼岸の早生栗早生木通(ひがんのわせぐりわせあけび)」という慣用句表現で使用することもある。秋ごろになると、早生の栗と木通の実ができるという意味の慣用句だ。
「木通」の英語用例・例文
「木通」を英語で表現すると、「akebia」となる。これは日本語の読みが元になった、「アケビ属」の学名だ。また、ローマ字で「akebi」とする場合もある。それらを使用して例文を作ると、「I got a lot of akebia fruits from my friend.(友人から大量の木通の実をもらった)」「This basket is made of akebi vines.(この籠は木通のツルでできている)」「The fruit of akebi has a strange color.(木通の実は奇抜な色をしている)」といった形になる。《木通》の正しい読み方
「木通」の正しい読み方
「木通」は主に「あけび」と読む。ただし漢方薬としての「木通」は「もくつう」と読む。「木通」の意味解説
「木通」は広い意味ではアケビ属に属する植物の総称であり、一般的な意味としてはアケビ科の蔓性落葉低木である。日本や中国、朝鮮半島などの東アジア地域が原産地であり、日本では北海道を除く各地の山野に自生している。蔓性植物であり、他の植物に細い茎を巻き付けて成長するのが特徴だ。若い頃は柔らかい蔓状だが古くなると木質化し、固くなる。葉は短い柄を持つ楕円形の鮮やかな緑色で、4月から5月にかけて淡い紫色の大きな雄花と白色の小さな雌花を咲かせる。9月から10月が果期であり、灰色に近いくすんだ紫色の果実をつける。果実の内部は胎座と呼ばれる白色の果肉があり、寒天のような弾力性がある。柿に似た強い甘味があり、日本では古くから食用として親しまれていた。木通は果実の他、蔓や葉、根が利尿作用のある薬草として扱われている。特に蔓は「木通」と書いて「もくつう」と読み、排尿を促す漢方薬として知られている。一部の地域では種子を搾って油を作ることもある。生命力が強く、挿し木で増やすことができることから現在では人の手によって栽培されている。木通は近い品種のミツバアケビと交雑しやすいため、雑種強勢を目的とした意図的な交雑が行われることもある。一方で甘味の強い果実や柔らかい若葉が害虫の食害に見舞われる事例も少なくない。
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