《木耳》の正しい読み方
「木耳」の正しい読み方
「木耳」の正しい読み方は「きくらげ」である。漢字と読み方が一致しない(いわゆる熟字訓である)ため、「耳=くらげ(?)」といった疑問は意味を成さない。木耳を「もくじ」のように読むことは基本的にない。
「木耳」の意味解説
「木耳」はキクラゲ科の茸(きのこ)である。春から秋ごろ、広葉樹のニワトコ、ケヤキや落葉性の高木・桑などの枯れ木に発生する。食用になり、寒天質でコリコリとした食感がある。東アジア圏を中心に食材として利用されている。なぜ「木耳」と読むのか・理由
「木耳」という字は、形や感触が人の耳になぞらえられている。「きくらげ」は、歯ごたえのある食感がクラゲになぞらえられている。木クラゲ、というわけである。つまり「木耳(きくらげ)」は、表記と読み方がそれぞれ別個の比喩に由来して成立しているという珍奇な言葉である。
「木耳」の類語・用例・例文
「木耳」例文。「耳の形のふくよかなことは。これは水耳と申します。木耳にしなければなりますまい。六親を失い財帛不足孤苦無援の木耳にね」 (国枝史郎「神州纐纈城 」)
「音が味を助けるとか、音響が味の重きをなしているものには、魚の卵などのほかに、海月、木耳、かき餅、煎餅、沢庵など。」(北大路魯山人「数の子は音を食うもの」)
「木耳 に似ているが、扇に短い柄をすげた、という形で、裏には一めんにヒダがある。それを、可愛らしい仔雀の羽をひろげた、いわゆる「ふくら雀」に見立てたのは、働らきがあって面白い。」( 中村清太郎「ある偃松の独白 」)
「参木に老酒の廻り出した頃になると、料理は半ば以上を過ぎていた。テーブルの上には、黄魚のぶよぶよした唇や、耳のような木耳が箸もつけられずに残っていた。」(横光利一「上海」)
「木耳 」の英語用例・例文
「木耳 」を英語に訳すと、「cloud ear mushroom」「wood ear mushroom」「Jew's ear mushroom」になる。- 《木耳》の正しい読み方のページへのリンク