《杏露酒》の正しい読み方
「杏露酒」の正しい読み方
杏露酒は「しんるちゅう」と読む。それぞれの漢字の中国語発音を組み合わせた読みで、日本で生まれた造語。「杏露酒」の意味解説
杏露酒は、リキュールの一種である。あんず(英名アプリコット)を高濃度のアルコールで浸漬して抽出したエキスと、はちみつなどの糖分・アルコール等を混合することで製造される。果実を丸ごと漬け込むことで、果実本来の味と香りが抽出されており、香り高く甘みのある酒である。浸漬にはスピリッツなどを用いるため、アルコール度数が14%と比較的高い。よって通常は、ソーダ割やロックなどで賞味されることが多い。また、その香りを生かしてカクテルなどに用いられる場合もある。
国内では浸漬酒ジャンルにおいて存在を確立しており、2005年には全面リニューアルも行われている。その結果、果汁比率が増加し、あんずの香りがより華やかでフルーティになった。
名称から中国伝来のものと推測されがちだが、日本の酒造メーカー・株式会社永昌源によって作られた商品の名称であり造語である。同社は、中国焼酎を日本で製造し、中国に逆輸入販売することに成功している。
現在はキリングループに所属するため、杏露酒などの果実浸漬酒事業は、2017年にキリンビール社に移管している。
なぜ「杏露酒(しんるちゅう)」と読むのか・理由
中国語で杏(あんず)を「シン(xing)」、露(つゆ)を「ル(ù;)」、酒(さけ)を「ヂォウ(jiǔ)」と発音する。それぞれの音を組み合わせて、「杏露酒(しんるちゅう)」と読む。商品開発時に商品名称として考案された。生産開始当初、あんずの浸漬酒生産は日本国内で初であり、商品名決定は難航した。1960年代は国内においてカタカナ名の商品が増加していた時期であったため、他社との差別化を狙い漢字名が選ばれた。
また、中国焼酎の製造を行っていた同社のイメージとも合致し、商品イメージの確立に貢献した。
「杏露酒」の類語・用例・例文
杏露酒のシリーズ商品として、「茘枝酒(らいちちゅう)」ライチのリキュール、「林檎酒(りんちんちゅう)」りんごのリキュール、「藍苺酒(らんめいちゅう)」ブルーベリーのリキュール、「檸檬酒(にんもんちゅう)」レモンのリキュールなどがある。これらの酒は、株式会社詠昌源から製造移管されたキリンビール社が現在製造している。用例・例文:「杏露酒のソーダ割ください」「杏露酒ロックで」など。
「杏露酒」の英語用例・例文
造語であるため英語表記の場合は、”Shinruchu”となる。同様のあんずの果実酒を示す場合は、"Apricot Wine"と表記される。用例:
How do you make apricot wine? (あんずの果実酒はどうやって作る?)
Apricot wine recipe (あんずの果実酒のレシピ)
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