《木瓜》の正しい読み方
「木瓜」の正しい読み方
「木瓜」は主に「ぼけ」と読む字。植物の名前である。「ぼけ」の他に「もっか」「ぼっか」「もっこう」「もこう」などと読まれることもあるが、いずれも「ぼけ」の異称または古名である。まれにキュウリ(胡瓜)を「木瓜」と表記することがある。
「木瓜」の意味解説
「木瓜(ぼけ)」はバラ科に属する木。瓜に似た形の実を付けることから「瓜の木」になぞらえて「木瓜」という名が付いたと考えられる。ただしバラ科植物でありウリの仲間ではない。「木瓜」を「もっか」と読む場合は、特に成熟した木瓜の実を指す。一般的には、「かりん」という名前で知られている実である。また、「もっこう」と読む場合は、家紋を意味する。瓜を輪切りにした形に似ていることから、「木瓜紋」と呼ばれる。
なぜ「木瓜」と読むのか・理由
「木瓜」という漢字をそのまま音読みにすると、「ぼくか」あるいは「もくか」である。「ぼけ」はその内「ぼくか」の方が訛った形だ。「もっか」も同様に、「もくか」が訛ったものである。「もっこう」という読み方は、「木瓜紋」をすだれの部品である「帽額(もこう)」の装飾に多く用いたことが由来だ。紋の形が似ている「木瓜」に「帽額」の読みである「もこう」が当てられ、それが訛って「もっこう」となった。「きゅうり」と読むのは、「木瓜」が「きうり」と読めることが理由である。そして、「胡瓜」という漢字が定着するまで、胡瓜の漢字表記は「木瓜」であった。その名残があるため、「胡瓜」を指す意味合いで、「木瓜」を「きゅうり」と呼ぶことも間違いでない。「木瓜」の類語・用例・例文
「木瓜(ぼけ)」は基本的に、赤や白などの花を付ける木を指すために使用する。例文にすると「咲き誇る木瓜の花を見て感動した」「まだ花は付いていないが、この木はおそらく木瓜だろう」といった形だ。実である「木瓜(もっけ)」を使用する場合は、「カリンが木瓜と呼ばれることは、一般的にはあまり知られていない」「木瓜の実はそのままでは食べづらいので、漬け物などに加工した方が良い」「木瓜」を「もっこう」と読む場合は、「木瓜紋」と表現することがほとんどである。そのため、「私の家系は代々木瓜紋を使用している」「時代劇に木瓜紋が使用されている」といった例文となる。「きゅうり」という読み方に関しては、現代では「胡瓜」という漢字がある。そのため、誤解を避けるためにも、「木瓜」を「きゅうり」と読むのは避けた方が無難である。
「木瓜」の類語としては、同じバラ科の植物である「マルメロ」が挙げられる。厳密には、木瓜はバラ科ボケ属、マルメロはバラ科マルメロ属という違いがあるが、漢字表記で「木瓜」となる植物を、カタカナでは「マルメロ」と表すことは珍しくない。
「木瓜」の英語用例・例文
「木瓜(木瓜)」を英語で表現する場合、「japanese quince」を使用する。「quince」という単語は、「木瓜」を含んだバラ科の樹木を指す。そのままでは種類が多いため、「japanese」を付けて意味を限定する形だ。ただ、「japanese」は必須ではなく、付けなくても意味が成立することはある。そして、実を表す「木瓜(もっけ)」でも、英語の表現は変わらない。例文は、「Japanese quince flowers will begin to bloom soon(もうすぐ木瓜の花が咲き始める)」「Process quince for eating(食べるために木瓜を加工する)」といった形である。また、「木瓜紋」は日本で使われる固有名詞であるため、そのままローマ字で「mokko mon」と表記する。例文で使用すると、「This is a japanese crest called mokko mon(これは木瓜紋と呼ばれている日本の紋章である)」となる。そして、「胡瓜」を指すために用いる場合は、胡瓜と同様に「cucumber」を使用する。
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