《依頼》の敬語
「依頼」の敬語表現
「依頼」の敬語表現は、「ご依頼」となります。「依頼」は、相手から何かをお願いされたり、自分から何かをお願いしたい時に使う言葉です。実際に何かを依頼する時には「依頼する」という動詞の形で使われることが多いので、「依頼する」の敬語表現もみていきます。敬語には、丁寧語、謙譲語、尊敬語があります。丁寧語は「です」、「ます」などを付けて丁寧な言い回しをする敬語です。「依頼する」の丁寧語での表現は「依頼します」になります。謙譲語は、自分や自分のしている行為に対してへりくだった表現を使うことによって相手を立てて、敬意を表します。「依頼する」の謙譲語での表現は、「ご依頼申し上げます」や「ご依頼いたします」となります。尊敬語は相手を高める表現をします。謙譲語では自分に対してへりくだった表現をするため、動作の主語となる人は自分です。尊敬語の場合は、動作の主語となる人は対話中の相手や、話題に挙がっている人になります。尊敬語の敬語表現は「ご依頼なさる」で、この場合、依頼しているのは他人(相手や話題に挙がっている人)となります。「依頼」の敬語の最上級の表現
名詞の「依頼」の敬語表現は「ご依頼」で、この言葉が最上位の丁寧な表現になります。「依頼する」の敬語表現は丁寧語、謙譲語、尊敬語があり、丁寧語よりも謙譲語または尊敬語のほうが高い敬意を表します。謙譲語と尊敬語では、動作の主語となる人が違いますので、依頼しているのは誰なのかのよって使い分けます。動作の主語となる人が違うだけで、どちらがより高い敬意を表しているかというのを決めるのは難しいです。相手に対してより丁寧に「依頼」したい場合は、「依頼」の前後の言葉に気をつけてみると良いです。例えば、「ご依頼いたします」だけよりも、「ご依頼いたしたく、ご連絡をさしあげました」などとすると、依頼のための連絡であることが相手に伝わりますし、文章全体の雰囲気もやわらかくなり相手に対して丁重に敬意を表している印象を与えることができます。
「依頼」の敬語のビジネスメール・手紙での例文
「依頼」の敬語表現を使用したビジネスメールの例文をご紹介します。「営業部
〇〇様
お疲れさまです。
経理部の〇〇(氏名)です。
取引先の株式会社〇〇へのお祝いのお花の件ですが、
お花の手配については、会長が既にご依頼なさったそうです。
株式会社〇〇の新社長は親しいご友人だそうで、会長ご自身でお花をお選びになりました。
既に経理部での処理も済んでおりますので、営業部からの交際費の申請は取り下げておきます。
以上、よろしくお願いいたします。
署名」
続いては、取引先の人に手紙を出す場合の例文をご紹介します。
「株式会社〇〇
カスタマーサービス部〇〇様
新春の候、貴社ますますご清祥のことと存じます。
株式会社〇〇、総務部の〇〇(氏名)です。
IT機器サポートの件でいつも大変お世話になっております。
さて、早速ではございますが、製品Aの点検をご依頼申し上げます。
数ヶ月前より、エラー表示が出るようになりました。
エラーの内容の詳細については技術部の担当者より別途、メールをお送りいたします。
ご多忙の折恐れ入りますが、何卒よろしくお願い申し上げます。
署名」
「依頼」を上司に伝える際の敬語表現
上司に自分のお願いを伝える際の敬語表現は、「ご依頼申し上げます」または「ご依頼いたします」です。上司が依頼したことを表現したい場合は、「その件に関しては、〇〇部長がご依頼なさる予定です」などと伝えることができます。より丁寧に依頼したいという時には、クッション言葉を使うこともできます。例えば床で滑って転んだ時に、身体を打ち付けた場所の下にクッションがあれば身体に対する衝撃はやわらぎます。同じように、きつい印象を与えてしまう言葉をやわらかくすることができるのが「クッション言葉」です。依頼する時だけでなく、断らなければならない時などにも、相手に冷たい印象を与えないよう、「お気持ちはありがたいのですが、今回は辞退させていただきます」などのように使うことができます。依頼する時にきつい表現をしてしまうと「命令」のように受け取られてしまう可能性もあります。「ご依頼申し上げます」の前に、「恐縮ですが」、「ご多忙の折恐れ入りますが」などのクッション言葉を付けるとより丁寧な敬語表現にすることができます。
「依頼」の敬語での誤用表現・注意事項
自分が「依頼」をする際は、表現の仕方に気をつけることが大切です。自分からの「依頼」とはすなわち、相手に何かをお願いするということです。丁寧にお願いできれば良いですが、「依頼」という言葉はそのまま使うと相手にきつい印象を与えてしまうこともあります。例えば「事務手続きの改善を依頼いたします」、この言い方では上から目線のように感じてしまう人がいるかもしれません。この場合は直接「依頼」という言葉を使わずに、「事務手続きの改善についてご提案いたします」のように、「提案」と言い換えるのも良いでしょう。また、「事務手続きの改善をお願いできますか?」と、質問の形にするのも良いです。使う場面や相手によって最適な言葉選びを心がけてみてください。「依頼」の敬語での言い換え表現
「依頼」は「用命」と言い換えることができます。用命とは、用事をお願いすることや注文することを意味します。「用命」の敬語表現は「ご用命」となります。商品を注文した際の確認伝票などに「弊社製品をご用命いただきありがとうございます」などと書かれているのを見たことがある人も多いのではないでしょうか。「ご用命」は、ビジネスの場でもよく使われる言葉ですので覚えておくと良いでしょう。- 《依頼》の敬語のページへのリンク